今回は、樹木の根と作業道の関係について、お話したいと思います。
その前に、針葉樹の根系と広葉樹の根系の違いについて。
一般的に、針葉樹の根は斜面下側(谷側)に根を広げます。
イメージ的には、斜面から転がらないよう、下側に踏ん張る感じ。
なので、樹体重が根にのし掛かる=圧縮されていることになるので、圧縮あて材が形成される。
一方、広葉樹は斜面上側(山側)に根を張ります。
イメージ的には、斜面から転がらないよう、上側からワイヤーロープで引っ張って支えている感じ。
斜面上部に根を張り、ワイヤーロープで引っ張るように樹体を支える広葉樹は、引張りあて材が形成される。
スギやヒノキなどの針葉樹は、根より下の基盤が崩れると、倒れやすく、
広葉樹は根より下の基盤が崩れても、倒れず、残りやすい。
なので、針葉樹よりも広葉樹の方が、より高く山地災害防止機能が発揮されるというわけです。
ただし、森林って複雑なので、安易に決めつけられるものではありません。
適切に管理された人工林であれば、下層植生の根と植林木の根が絡み合って、土壌をがっちりと支えるので、広葉樹林に劣らない機能を持っています。
あくまで、学的な話ですので、安易に針葉樹の人工林は土砂災害に弱いなどとお考えにならないように。
これはアカマツ。
作業道が作られたことで、根が傷ついたわけですが、再び、下に向いて根を伸ばしています。
養分補給や樹体支持のためにも根は重要なので、新しい根を生やして、傷ついた部分を補っているのだと思います。
このことを踏まえた上で、次回、作業道に絡めた話をしたいと思います。
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