(有)山内牧場

青森県八戸市で競走馬生産をしている山内牧場の生産馬、繁殖牝馬、繋用種牡馬についてのブログです。

生産馬出走情報

2007-11-14 15:07:46 | Weblog
11月13日(火)船橋1R
キタノカーペンター(父ダイタクヘリオス・母ケーエフウイナー)
が出走し、5番人気3着でした。

11月14日(水)船橋7R
スカーレピーコック(父アイシーグルーム・母フルールドロカイユ)
が出走し、6番人気5着でした。

11月16日(金)船橋8R・さざんか賞
ヘリオスジョー(父ダイタクヘリオス・母アインステップ)
の登録があります。

11月18日(日)佐賀・九州大賞典(重賞)
ワンパクメロ(父ブラックタキシード・母ハイパーベル)
ベルチャイム(父ルション・母チャイムノハチ)
の登録があります。


馬紹介~②カーム~

2007-11-14 13:10:26 | Weblog
2000年のセレクトセール、一躍脚光を浴びた馬がいた。
そのセールでは父サンデーサイレンス・母エアグルーヴの牝馬、
つまり後のアドマイヤグルーヴが注目を集め、セリでは2億3千万円の値がついて大きな拍手が巻き起こった。
しかし、この日のクライマックスは実はもう一つ、後ろに控えていたのだった。それはセール前までは『数いるSS産駒のうちの一頭』というだけの存在だったが…

父サンデーサイレンス、母フランクアーギュメント。

母の兄は米GⅠ馬、フランクアーギュメント自身もGⅠ2着の実績があり、全兄にあたるアドマイヤロードはOP勝ちがある。この当歳に付いた値段は当時レコードとなる3億2千万円だった。しかも落札したのは相馬眼に置いて右に出る者はいないと言われている、
『マイネル』のビッグレッドファーム(以下BRF)・岡田繁幸総帥。
こんな華々しい報道デビューを飾った馬。
フランクアーギュメントの2000、
その名は『カーム』。

そしてBRFでの育成・調教は順調に進み、当時から古馬を煽るくらいの動きを見せるなど『サイレンススズカ級』の評価をいただいていた。
数々の活躍馬の調教をつけて来たBRFの榎並氏も『あの馬に乗って以来、他の馬を誉めることができなくなった』とコメントしている。
しかし…明け2歳を迎えたばかりの春、カームは蹄骨骨折という再起不能級の重傷を負ってしまう。
関係者の熱意の結果、中央デビューはできたものの、3戦して未勝利。そして中央登録抹消、岩手競馬へと移籍した。

岩手に移籍し、菅原右師・厩舎関係者の根気強い仕上げで
最下級のクラスからデビュー(中央獲得賞金0のため)。
03年、11月12日のダート1200mを1番人気で快勝。
その後、戦歴を積み重ね、通算27戦14勝の戦績を残した。
そして岩手の有馬記念・桐花賞4着を最後に引退。
2006年からウチの牧場で種牡馬入りしている。

初めてカームを観た時の感想…
『やはり良い馬だ…綺麗な馬だ…バランスが良くて500kgを超えているようには見えない』と思った。
世間ではマンハッタンカフェがSSに生き写し、なんて言われているものの、はるかにマンハッタンよりSSに似ている馬だと思う。
性格は本当に穏やか。泥浴びが好きでよく寝転がっている。

ウチの社長が会合で岡田総帥に会った時のこと。
社長:『ウチでカームを持って来たよ。面白いと思わないか?』
岡田:『カームか…あれは本当に良い馬だった…(しみじみ)』
社長:『何言ってんだ、今でも良い馬だよ!(笑)』
と話をして来たそうだ。

能力的な欠陥で中央で結果が残せなかったわけじゃなく、再起不能級の故障という能力以外の要因。
潜在能力は『サイレンススズカ級』という評価、さらに復帰後・地方とはいえ14勝、『勝てる』ことを示したこともあり、種牡馬としては期待できる存在だとは思っている。

未知数は未知数…でも夢に賭けたいのが馬産

今年の当歳(初年度産駒)は2頭のみ。
アトムピットとキタノヤマンバが不受胎・流産してしまった結果だが、
今年はその2頭も無事カームの仔を受胎している。
市内の他の牧場で産まれたカーム産駒・メグミアリダーの2007は
良い仔が出て、BRFが中央で使うという話も出ている。
産駒のデビューは2009年。
志半ばで故障してしまい、中央で名前を轟かせられなかった、父の無念を晴らすような活躍をする産駒が出ることを切に願っている。

馬紹介~①ダイタクヘリオス~

2007-11-13 11:53:53 | Weblog
ウチに繋用されている馬の中で、ダントツの知名度と人気を誇るのは
言わずと知れたダイタクヘリオス。
1987年4月10日生。
父ビゼンニシキ、母ネヴァーイチバン(母父ネヴァービート)。
中央戦績35戦10勝。
主な勝ち鞍:’91年・’92年マイルCS(GⅠ)、マイラーズC(GⅡ)2回、高松宮杯(GⅡ)、毎日王冠(GⅡ)、クリスタルC(GⅢ)など。
かなりの個性派で、生涯樹立したレコードは3回。
スピードとムラっ気を持ち合わせた希代のマイラーであり、
ライバルだったダイイチルビーとの恋物語は有名だった
種牡馬としてもダイタクヤマト(スプリンターズS)を輩出。
ヤマトの種牡馬入りに伴い、2002年からウチの牧場にやって来た。
スピードもあり、自身がGⅠ馬で産駒にGⅠ馬がいる。
体型が社長の好みの馬であったことも大きい。
ウチの社長と前・所有者の清水牧場さんは以前から付き合いがあり、
新天地でヘリオスにチャンスを、ということで青森にやって来た。
青森で初年度産駒は10頭くらいだったはず。

以前、山内牧場の長女が
軽種馬協会関連の人の結婚式に代理出席した時のこと。
そこに冠名『ダイタク』の中村オーナーが出席していた。
『山内さんのところにはウチの息子が養子に行っているからねよろしくね。』と言われたそうな。
オーナーや清水牧場さん、そしてファンに愛されている馬だなと思う。
今でも毎年ヘリオス宛に大阪からニンジンをたくさん送ってくれるファンや、毎年5日間くらい休みを取って、ヘリオスとのデートを楽しむ女性ファン、ヘリオスに会いに来てくれるファンは後を立たない。

今年の初夏、『ダイイチルビー逝去』のニュースを聞き、
ヘリオスに『ルビー死んじゃったってよ…』と話しかけた。
解っているのか、解っていないのか(たぶん解らないだろうけど)
ヘリオスは写真のように無心に草を食んでいた。
愛は津軽海峡を越えて…なんて叶えさせてやりたかったなぁ。
見た目はまだまだ若いヘリオスも20歳。
左目も白内障で見えづらくなって来てるヘリオス爺さん。

だんだんに種牡馬として高齢になって来たけど、来年は良い花嫁を用意したんだから、最後に大物を出して欲しいな。
今日も船橋で青森初年度産駒のキタノカーペンターが出走して、
追い込んで届かずの3着だったけど…
青森発の活躍馬を、最後に出してこそムラ馬ヘリオスの真骨頂だぞ。
頼むぞ、ヘリオス!!

山内牧場の仲間たち

2007-11-12 16:21:05 | Weblog
山内牧場には、現在以下の馬たちが繋用されています

【種牡馬】

・ダイタクヘリオス
・ウインマーベラス
・カーム
・エスプリシーズ

【繁殖牝馬】

・アインステップ  (母父シアトルスキー)
・アトムピット   (母父ノーザンディクテイター)
・キタノヤマンバ  (母父ピルサドスキー)
・ケーエフウイナー (母父ニホンピロウイナー)
・コアレスフォリイ (母父ワカオライデン)
・ダイタクグレース (母父ベリファ)
・ナスノアケボノ  (母父ヒシアケボノ)
・バブルルーセント (母父バブルガムフェロー)
・フルールドロカイユ(母父ジェイドロバリー)
・ラーセニー    (母父Private Account)

【2006年度生産~1歳馬~】

・アインステップの2006  (父エスプリシーズ)
・ケイワンアメリカの2006 (父エスプリシーズ)
・アトムピットの2006   (父マーベラスサンデー)

【2007年度生産~当歳馬~】

・ケイワンアメリカの2007 (父カーム)
・ケーエフウイナーの2007 (父ダイタクヘリオス)
・ナスノアケボノの2007  (父エスプリシーズ)
・フルールドロカイユの2007(父イシノサンデー)

明日から1日1頭でも、それぞれの写真やエピソード、血統などを紹介できたらいいなと思っています。

ブログ開設!

2007-11-12 15:53:41 | Weblog
競走馬生産の青森・山内牧場のブログを開設しました!
馬産地と言えば北海道…しかし、青森県産馬も強かった時代もあります。
過去の隆盛に負けないような馬を送り出したいと、
配合などを考え、日々努力をしています。
皆さん、よろしくお願いします