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この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

パトロール2日目

2010年07月23日 | 山行記録

P1050079 ジャンダルムの威容。てっぺんに人がいる。

パトロール2日目。この日が今回のメインの行程である。穂高UJ君や常駐隊員に別れを告げ6時半山荘発。今日も良い天気だが朝の拭きぬける風は冷たくて気持ち良い。3000mの稜線は下界じゃ考えられないくらい涼しい。H畑さんもかなり気合が入って行く気満々である。険しいルートを行くにはやはりこうでなくてはならない。西穂、奥穂間は一般ルートととして日本で最難関と言われているが最近は中高年の登山者も多く通過しているのでパトロールの必要性は高いはずである。30分で奥穂山頂着。登山者約10名。15名ほどの韓国人パーティーはすでに岳沢方面へ行ってしまっていた。

P1050082 トラバース中。

さあ行きますか!ジャンダルムが目の前に見える。まずはあの頂に立ってみよう。細いウマノセを降りてロバの耳の基部を通過しジャンダルムの登りに差し掛かった。しかし、体が堅く荷物も重くてスイスイ登れない。垂れ下がっていたシュリンゲに足を架けて登ってしまった。情けないが人工登攀である。しかしジャンダルムからの眺めは素晴らしい。H畑さんも感無量のようである。このルート初のH畑さんだが難しい岩稜も難無くこなしていた。やはりこの人は只者ではない。

P1050087 ジャンの登り。落ちたらまっさかさま。

ジャンからは天狗のコルまで下りが続く。この辺りまでで登山者は約6名ほど。お気をつけてと声を掛けながら抜いていく。このルートはずっと岩稜帯なので陽を遮るものがない。天気がよいのでずっとあぶられっ放しでかなり暑くなってきた。

P1050092 ジャン東面。画面真ん中辺りに人がいる。右上のピークは奥穂。

天狗岳を超え、間ノ岳を超え西穂がようやく近づいてきた。西穂ピークの一つ手前のP1で穂高岳山荘のほう葉寿司の弁当で昼食とした。

西穂の山頂を過ぎるとあとはいつも歩きなれた稜線でホットした。

P1050103通過してきたルートを俯瞰する。左右がスッパリ切れている岩稜帯。

西穂からはグっと登山者が増え西穂山荘までの間に約40名ほど。

あとはとにかく下るだけ。3時頃登山指導センター着。

初日こそ事故があったが2日目は何事も無くてよかった。充実感の大きい2間であった。H畑さんお疲れ様でした。また行きましょう。

P1050097 目指す西穂は遠い。