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この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

いつも全力疾走

2008年08月23日 | 山岳救助

P1130202 山は危険がいっぱい

不思議である。夏山警備期間中は大した遭難事故はなかったのに、指導センターも閉まり、登山者も減ってきたかなと思っていた昨日から、たて続けに事故が発生してしまっている。昨日は三件、今日も2件発生してしまった。昨日から捜索している行方不明者を探しに今日行って来た。天気も悪くヘリも飛べないので全て歩いての捜索だが、範囲が広すぎて検討もつかない。今日は沢沿いに遡ってさがした。雨で岩がとても滑る。僕は少し油断したのか岩で足を滑らせ全身を強打してしまった。なんとか立ち上がりみんなに心配を掛けたが骨は折れていないようだったので、気合を入れなおし、さらに遡ったが今日は発見に至らなかった。捜索を打ち切り下山する頃にアチコチ痛くなってきた。明日はもっと痛いだろう。しかしあさってからは本格的にヘリも来て捜索が始まる。痛いとかなんとか言って休んでなんかいられない。もしかして行方不明者は生きていて助けがくるのをじっと待っているかもしれないのだ。

お盆を過ぎても本業は忙しい日が続いている。仕事はもちろん全力である。山岳救助もまた全力やらなければならない。どちらも全力で走り続けるつもりだ。