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この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

2010-06-30 17:03:00

2010年06月30日 | 山岳救助

2010063014080002 捜索終えて。

なんとか1日天気はもってくれた。

前回まで探した場所の反対側を今日は捜索した。入りたい谷は雨で水が多く今日も入れない。

天気は好かったが、今日の場所は藪がひどく、かなり厳しい捜索だった。

今日も手がかり無し。

なんだか虚しくなってきた。


雨でも探します

2010年06月23日 | 山岳救助

2010062310350000 先日の遭難者の捜索の続きを行った。

朝起きてみると大雨が降っているが中止にはならない。ロープウェイ駅に今日は17名が集合して班割り。

予定していた谷に僕は入る予定だったが雨で危険なためそこへ行くのは中止となった。

前回も探した範囲だがもう一度見ることにする。前回は雪に覆われて歩きやすかったが、今日は雪も溶け笹が立ち、藪こぎとなり難儀した。

しかも雨が酷く、谷に入るのは気持ちが悪い。すでに体中ベタベタだが愚痴を言う隊員は一人もおらず、みんな一生懸命だった。志同じの素晴らしい仲間たちである。

残念ながら今日も発見に至らず。

これからも探す予定はある。


2010-06-14 08:17:18

2010年06月14日 | 山岳救助

昨夜は、山岳救助隊の我1班の懇親会を行った。

この4月から着任した新隊長も出席してくれてこれからの隊のあり方や方針を語り合った。

今年の正月から行方不明になっている遭難者の捜索や、先日の遭難など、まだやらなければならない事がたくさんあり着実に進めていかなければならない。

警備隊、航空隊との連携も大切だ。皆で力を合わせてやっていこう。

飲みながら隊長や店の主人ケンさんにいろんな事を教えていただいた。本当に知識と経験の豊富な人たちである。山菜や、薬草の事、キノコの事、猟の事、神社仏閣のこと、ビデオに撮って見直せばかなり勉強になるだろう。

終わる頃にはすっかり酔いも覚めていた。


2010-06-05 20:52:33

2010年06月05日 | 山岳救助

2010060514080000 午前中の消防団の練習を終えてから、バーベキューをやるので行く気満々だったが、航空隊がまだ見つかっていない遭難者の検索に来ていたので、ヘリポートへ様子を見に行く事にした。

ヘリポートではすでに捜索を終えた隊員がいたのでどうだったか聞いたが、今日も手がかりは無かったようだ。これで捜索は打ち切りである。やれるだけの事はやりつくした。遭難者の家族にもコレだけは分かってほしい。救助隊員もクタクタになるまで毎日探していたことを。 真剣に地図とにらめっこし、知恵を出し合ったことを。

ヘリも帰り、バーベキュウに行こうと思ったが今日は土曜日。僕も今日だけは仕事が忙しいので諦めることにした。 しかし、行けなかった僕に気を使ってくれ、たくさん肉を頂いた。ありがとうございます。

捜索中は、明日の大会の為に毎晩練習があったが、3日間も連続で僕は休ませてもらったが皆快くしてもらいありがたい。

「遭難者は見つかったか?」「捜索は大変やったな。ご苦労さん」と消防団の仲間に声を掛けてもらって嬉しかった。

遭難者を家族の元へ帰すことができず、悔しいがやりつくしたという感もある。


捜索3日目

2010年06月03日 | 山岳救助

2010060311340000 まったくどこへ行ってしまったのだろう。

今日も朝から検索したがみつからなかった。

とりあえず今日で打ち切りである。

さすがに僕も疲れてきた。

家族の元へ帰してやれず残念で悔しい。僕たちが探さないで誰が探す。山の経験が無い家族には無理だ。皆一刻も早く見つけたいという気持ちでモチベーションを高めているが何の手がかりも無ければ気持ちも沈む。


今日の捜索

2010年06月01日 | 山岳救助

2010060110540000_2 稜線にも雪があるところがある。

昨日から行方不明者の捜索を行っている。

昨日はヘリでくまなく見たが見つからなかったので、今日は地上班も加わり朝から20人ほどで探した。

僕とS山君の班は二人まだ雪がベッタリある沢にヘリから降下して、遡り稜線に出て細いリッジを通過したり険しいルートを探した。

2010060111410000_2 目指すピークは頂上。

他の班の皆も必死になって探しているが中々見つからない。

残念だが今日は見つからなかった。

捜索は明日も続く。

2010060110430000稜線に出た。


西穂パト

2010年04月29日 | 山岳救助

P1020764 28日、春山警備の西穂パトに行って雪の状態など見てきました。

朝、始発のロープに乗るが激しい雨が降っている。しかし、天気図は急速な回復を示しているので行くしかない。初めから雨の中の訓練と割り切れば気持ちも楽である。標高2156mの山頂駅に着くと雨ではなく、雪が降っていた。雨の中歩くよりよっぽどマシである。

P1020780 晴れてきた!

ここですでに積雪1.5m以上はあるだろう。昨夜から降った雪がさらに15センチほど積もっている。5月になろうとするこの時期にまだ積もるのだから山はあなどれない。40分も登ると次第に雪も止み晴れてきた。周りの景色も見え始め青空も広がってきた。一時は激しい雨でやめようかとも思ったがやはり今日もきてよかった。

P1020782 乗鞍、焼岳も綺麗に見えてきた。

1時間で西穂山荘着。他に登山者はいない。さらに独標を目指す。風も無く穏やかな稜線歩きだ。みるみる内にガスが取れてきて回りの山が雲をまとって雄大な姿を現してきた。山は行ってみなければ分からないこどが多い。

P1020785 独標からの西穂の稜線。左の白いピークがピラミッドピーク。

上部を見ると登山者一人登ってる。山荘に宿泊して登っているのだろう。山荘から1時間弱で独標着。ここから先の稜線にも雪はベッタリ。ここでザイルで結び合いさらにピラミッドピークを目指す。ここからは狭い雪のリッジが続くので慎重に行動することになる。一人の登山者は独標で引き返したようだ。

P1020790 奥のピークが独標。

堅い雪の上に降ったばかりの柔らかい雪がのっかている。トレースも無く、不安定な雪だ。アイゼンを着けた足を慎重に置きながら進む。

30分ほどでピラミッド着。雪のこの時期、日帰りで来るにはここまでが限界である。景色を楽しんで引き返す事にする。雪の状態は把握できたのでGW中の登山者に指導センターで報告できる。

独標からは走るように駆け下りたのであっという間に山荘に着いた。山荘の方に挨拶し、情報交換。コーヒーをご馳走になった。ありがとうございます。

西穂山荘に寄ったら西穂ラーメンがおすすすめです。800円です。しょうゆ味とトンコツがあります。

P1020792 真ん中のピークが西穂山頂。

すっかり良い天気になり春の日差しは暑かったが充実したパトロールに満足である。

とにかくまだまだ不安定な雪だったので、GWは事故が無い事を願うしかない。

P1020797 西穂山荘の様子。


ギリギリ

2010年04月27日 | 山岳救助

Ts3b08152 レスキュー終えて。

夕方、そろそろ消防団の練習に行く準備を仕掛けた頃、遭難の連絡が入った。

えー!こんな時間からですか?

すでに夕闇迫ってる。急いで着替えてヘリポートにむかった。今夜は消防団はお休みです。ごめんなさい。

今回は、現場に行く隊員は一人。僕はヘリポートでサポートに廻った。暗くてもヘリが安全に着陸できるようランタンに電池を急いで入れたとたん、ヘリ着。

間髪いれずに隊員を乗せ飛び立っていった。急がなければ真っ暗になってしまうが、熟練隊員のスピーディーな行動とパイロット卓越した操縦技術ででギリギリ間に合った。

遭難者は怪我ですんだが、あと5分遅かったら暗くて見えなくなってしまい今日中のレスキューは難しかっただろう。

今年は稜線からの滑落者が多いようです。雪の状態もよくありませんがしっかりしたアイゼン技術が必要である。


春山偵察

2010年04月22日 | 山岳救助

21日、北アルプス飛騨側の春山偵察を行いました。

昨日までの雪の状態は4月に入ってからの降雪が多く、積雪量は多いです。中々手ごわい雪の状態なのでそれなりに厳しいと思います。また秩父沢などまだまだ雪崩が出そうな箇所や、セッピの崩落の危険ががありますのでGWに山に入られる人は充分注意願います。

合わせて、午後からヘリポートで航空隊、警備隊、救助隊、県警本部の山岳担当者など、20数名で安全会議が開かれて、今後の救助活動のあり方などが話し合われた。

P1020700_3

西穂の稜線。 

P1020716

涸沢岳西尾根。

P1020717

穂高の様子。

P1020720

槍ヶ岳と槍岳山荘。

P1020726

槍ヶ岳、西鎌尾根。

P1020742

笠が岳、抜戸の稜線。

P1020745_2 大ノマから双六岳方面。