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この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

指導センターお引越し

2012年04月16日 | 山岳救助

Imgp0739 すっかり閉鎖されました。

長年、新穂高からの登山者を見守ってきた登山指導センターの入った建物、通称新穂高食堂が老朽化のため取り壊され新しく立て替えられることになった。

この建物には食堂やお土産売場、観光案内所、バスの切符売場、そして新穂高登山指導センターが入っていた。

40数年に亘り登山者の悲喜こもごもを見続けてきたこの建物に僕も少し思い入れがあり寂しい気もするが、新しくなる指導センターに気持ちも一新して嬉しい気もする。

新しい指導センターができるまで1年半以上掛かるらしいがそれまでの間は現在の建物から右へ100mほど上がったところに臨時の指導センターが開設されます。

同じく観光案内所も指導センターのほぼ隣にあります。

2012041613340000 しばらくの間の指導センター。

先日雨の中、警備隊員や救助隊員で引越し作業を行った。

ゴールデンウィークの春山警備はここで行っております。

登山者の方は山の情報は気軽に聞いてください。


山岳医療

2012年03月26日 | 山岳救助

Dscn08511_2 独標の下り。

先日の乗鞍岳の遭難者は低体温症だった。

三角巾や人工呼吸、心マッサージなどの練習は何度となくやってきたが、低体温症の遭難者の対処の仕方は僕はまだまだ勉強不足である。

ちょっとした事は分かっていても実際できるか曖昧だ。

近所の山岳ガイドが僕にあるサイトを教えてくれた。それは山岳医療に関して専門的なサイトでまだ若いが優秀な女医さんが情報を発信している物であった。

山岳医療のあらゆることがリアルタイムで発信されていて低体温症についての図説など分かりやすくなっていて素晴らしい。

講習講義も白馬などで行っているようなのでいつか参加してみたい。

僕は医者や救命士では無いのでやれることには限界があるがヘリが来るまでの間、少しでも遭難者の為になれるよう勉強しなければ・・・。


退官記念祝賀会

2012年03月25日 | 山岳救助

2012032418200000 奥様と一緒に花束贈呈。

昨日は県警航空隊航空指導官の退官記念祝賀会へ出席しに岐阜市内のホテルへ行ってきた。

県内の遭対協や山岳ガイド、警察関係、さらに遭難して救助された方、など60名ほどが集まった。

指導官は約40年に亘ったパイロット人生に終止符を打つ訳だが、その間県内で発生した山岳救助で救った遭難者は800名近い。北アルプスの過酷な条件の中で常に緊張を強いられながらの操縦は大変なことだっただろう。

色んな救助活動に僕もヘリで行かさせてもらったが指導官の操縦は常に安心感があった。その卓越した操縦技術は日本でも5本の指に入るそうである。

僕も公私共に大変お世話になった。指導官の挨拶に僕もグッとくるものがあって必死に涙をこらえた。今は感謝の言葉しかない。お疲れ様でした。

祝賀会が終わったあとは、2次会、3次会。航空隊の若い人たちと飲みにいっていろいろ語りまたまた親睦を図れ楽しい夜を過ごせました。ありがとうございました。


山スキーは登山

2012年03月10日 | 山岳救助

P1080358 過去の四ッ岳北面の写真。もちろんカチカチ。向こうは猫岳。

先日の猫岳はやはり、森林限界より上部はカチカチ斜面だった。僕もスキーを脱いでアイゼンに履き替えようか迷ったが結局山頂までスキーで登り上げた。

まさか、目の前の四ッ岳で滑落事故が起こっているなんて思いもしなかった。

この時期乗鞍は2500mを越え風も強く、斜面はカチカチになる。登りで少しでも不安を感じたら早めにスキーを担ぎ、アイゼンに履き替えなければならない。下りの滑りでもスキーの技術に自身がなければある程度アイゼン、場合によってはピッケルも持ってくだったほうが良い。

あのカチカチ斜面で転倒すればまさに滑り台を滑っているようなもので命取りである。

P1080363 岩の間を縫っての登り下りだが、滑落すれば岩に激突は必至。

山スキーは今回のように滑落や雪崩のリスクが高い。

ゲレンデスキーの延長ではなく完全な冬山登山という意識でやらなければならない。


猫岳&レスキュー

2012年03月08日 | 山岳救助

Imgp0600 目指す猫岳は左のピーク。

本日、猫岳へ山スキーに行ってきた。天気予報では晴れは今日まで。明日からは崩れるようだ。チャンスは今日しかない。

朝、6時半登山開始。猫は何度目だろう。奥飛騨の山スキーの定番ルートになっている。天気もいいし、順調に登れる。

Imgp0616 猫山頂直下の斜面。

4時間で猫山頂に着いた。

今日は風も無く見渡す限り絶景である。

今日も頑張って登って良かった。

記念撮影をしていたら、ヘリが飛んできた。

四ッ岳北面、こちらも山スキー定番ルートだがその上空を飛んでいる。

こちらで何かあったのか。

僕も帰ることにた。シールを剥がし滑降に入ったがとにかく斜面はカチカチ。エッジをしっかり利かせながら滑った。滑落は許されない。

Imgp0625 猫山頂から乗鞍山系。

標高を下げるに従い雪も緩んで滑りやすくなってきた。

丁度1時間ほどで登山口着。ホッとしたと思った瞬間、携帯が鳴った。

四ッ岳の遭難で来てくれというものだった。

急いで帰り、ヘリポートへ。中々遭難者が見つからないらしい。僕は四ッ岳へ何度も登っているので案内役である。ヘリに乗り込み上空から捜索に入った。山スキーのルートをくまなく探すが中々見つからない。さっきまで自分がいたところもよく見える。

結局警備隊員も地上から捜索。時間切れも迫ってきたころ、無事発見&収容。とにかく良かった。

Imgp0629 長い一日だった。


訓練しなきゃ。

2012年02月28日 | 山岳救助

P1110499_2 過去の訓練の様子。

最近、いつ僕たちの山岳救助隊は訓練したっけ?っと自分でも分からなくなるくらいやっていない。

飛騨側からも1年を通して登山者はやってくるのでいつ遭難事故が発生するかわからない。

天気が悪ければヘリが飛べるとは限らない。そんなとき僕たちが出動することになる。普段山へ行って歩き回っていない人がそんな時救助に向かえるだろうか?

県警山岳警備隊員は最低でも月1回はハードな訓練をしている。出動回数は警備隊が圧倒的に多いが、いつ僕たちも要請が掛かるか分からない。遭難現場は険しい場所が多い。そんな中で自分の安全を作れずに他人を救助するなんて出来るわけが無い。救助に行って自分がケガをしてしまっては元も子もない。自分を守れるのは自分だけなのでやはり訓練は大事である。

しかし、貴重な1日を訓練に使うなら内容の濃い充実したものにしたい。やはり確かな技術、経験を持っている講師を外部からお願いすることも必要だろうと僕は思う。飛騨には素晴らしい岳人がたくさんいる。

その講師は僕たちの山岳救助隊に対していろいろ考えてくれていて、最近も訓練内容を提案していただいた。是非、この訓練を実現して自分たちのスキルアップ、安全につながるようにしていきたい。


勉強の一日

2011年11月09日 | 山岳救助

Imgp0135_2  足を突っ張って!声を出して!と言われていた。

今日は、国立登山研修所で行われる、富山長野岐阜の三県合同救助訓練に参加してきた。

本当は昨日から2日間の予定で行われていたが、僕はどうしても今日しか出られなかった。

昨日から参加しているKOUさんは夕べ親睦会で疲れた様子だったが、楽しかったらしい。僕も他の県の警備隊員の方たちと親睦を図りたかったが仕方ない。朝4時半に自宅を出発し8時からの訓練に間に合った。

今日の訓練は昨日の復習のような感じだった。

Imgp0142 介添え救助。

セルフブレーキ下降器なるものを使って要救助者を降ろす訓練をやったが、ペツルの何とかっていう(確かアイディー)デバイスを使って降ろしていくのだがコレが中々操作が難しい。微妙なレバー操作には慣れが必要だ。

これも訓練。いい経験ができた。僕は初めて介添え救助をやらせてもらった。ラビットエイトノットの長さの調節で楽か苦しいかかわってくる。これも経験を積んでベストなやり方を習得したい。

Imgp0145 室内にはこんな素晴らしい人工壁が!岐阜にも欲しい。

午前中で訓練は終わり僕には半日だったが2日間の日程は終わった。

少しだけだったが富山の警備隊員ともお話ができたり初めてのことができたりで僕にとってはいい勉強になりました。

その後KOUさんと二人で近くのいつもの雑穀谷にクライミングのトレに行ってきた。本当にすぐ近く。立山、剣も近いし本当に富山はいい所である。

しかし、寒くなってきたのでほどほどにして終了。それなりに楽しかった。

Imgp0146_2 雑穀谷の後は高山に向かった。

前から予約してあった雪崩ネットワークによる、アバランチナイトで、雪崩の勉強である。

バックカントリーで山スキーに入る僕たちには必須科目だ。

ここにもいつも一緒に山へ行く仲間達が大集合。

2時間の授業をしっかり受けました。

家へ帰ったのは11時過ぎ。

頭も体もしっかり勉強できました。

KOUさん今日はゴチになりました!

明日も気をつけてがんばってね!

おわり!


新車?

2011年10月08日 | 山岳救助

2011100814090000 ピッカピカ!

県防災ヘリ若鮎Ⅲ(JA119V)が秋山警備でヘリポートに飛来した。

県警らいちょうⅡ(JA110G)と同型機ベル412。

カラーリングは若鮎Ⅱに似ているが紫が濃い。鮮やかでカッコよかった。

今日はヘリポートにらいちょうⅡも来ていて二機そろった姿は圧巻だった。山岳遭難に限らず災害発生時はヘリの威力は素晴らしい。

らいちょうが整備中でも若鮎Ⅱでカバーできる体制ができた。

2011100814090001 412のコラボ。


雨のパト

2011年07月29日 | 山岳救助

P1090147 本日、西穂高独標までミットとパトロールに行ってきた。

終始雨の一日だったが、夏山シーズン真っ只中、登山者は多かった。

雨風共に強く、休んでいると寒くなってくるくらいだった。

早く晴れて、夏らしい天気になってほしい。

P1090146 独標の次のピーク。№10