おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

「奥さんが学校で暴力」:振り込め詐欺

2005-12-18 11:35:43 | 詐欺
 「犯罪は世に連れ、世は犯罪に連れ」と申します。次にご登場いただくのは、「振り込め詐欺」にあった小学校教諭のお父さん。詐欺師の口車に乗せられついつい振り込んだ190万。帰って来いよと叫んでも、呼べど答えぬオンライン、こんなIT誰がした、鬼嫁故に信じてしまった「暴行事件」、万感の思いを込めて教育者として皆に警鐘鳴らします・・・それではお父さんどうぞ!

  ええ、あれは十六日正午すぎのことでした。私は小学校に勤めておるのですが、職員室に電話がありました。出ると、県教育委員会職員を名乗る男が「奥さんが生徒を殴り、鼓膜を破った。」と。ええ妻も同じく小学校で教鞭を執っています。その瞬間私の頭をよぎったのは、「まさか」ではなく、「ああついに」ということでした。
 大声では言えませんが、家内は世間で言う「鬼嫁」の部類でして、・・・ええ実はその前の晩も私は妻に激しく打擲されました。私は妻に殴られる度に、「ここでストレスを発散してくれればいい。学校で生徒に暴力を振るったらクビだからな」と思い我慢してきたのです。
 この「職員」は「保護者が告発すると言っており、逮捕されるので和解で済ませたい。百九十万円振り込めますか」と言ってきました。それくらいで済むのならと私はすぐに「よろしくお願いします」と言って、その日のうちに市内の金融機関から振り込みました。相手の口座が県外であったのは少し不思議な気がしたのですが、これで家内の家庭内暴力が少しでも収まるならという気持ちがあったので、むしろ心は弾んでおりました。ええ、この事件に感謝するとでも言いますか・・・。

 以上、大分合同新聞12月18日夕刊の報道に従って事件を再現してみました。実は幸いなことに、この振込先の口座が「凍結」されていて、この事件は金銭的な被害はなかったというのです。
 しかしこのお父さんにとっては「幸い」であったかどうか、家に帰ってこの「鬼嫁」に何と言われてどのような仕打ちを受けたかを考えるとむしろ憂鬱にならないでもありません。

 一昔前は「オレオレ詐欺」、今は「振り込め詐欺」と言われる犯罪、徹底的に捜査して残らず逮捕して欲しいのは言うまでもないのですが、この犯罪の「進化」の過程を見ていると、非常に興味深いものがございます。
 今では単純な「オレオレ」は絶滅して、主流は家族の「不祥事」になっています。教諭の家族の場合なら「旦那さんが生徒に性犯罪」というのが現代の主流。上のケースでは、それよりも一歩進んで、「奥さんの校内暴力」になっているところに進化の跡が見えます。もちろん奥さんがどこの小学校の教諭をしていることまでちゃんと調べた情報戦の様相も見せています。しかもこのケースの場合、「マスコミが家に押し掛けるので、振り込んだ後は家に帰らないように」と指示しているなど偽装にも世相を織り込んでいます。
 このように「知能」をフルに働かせることの出来ない単なる模倣犯は次々と逮捕されるか、稼ぎが悪くて絶滅に向かう。ここでもダーウィンの適者生存survival of the fittestの法則が働いています。

 それにしても、教育者の家族に対する、「ご家族が暴力・性犯罪」の電話に対する最初のリアクションが圧倒的に、「まさか」でなくて「ああやはり」というのは嘆かわしいというより恐ろしいことではないでしょうか。


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1 コメント

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Unknown (かも)
2005-12-19 18:48:40
お気に入りに登録しちゃいました!

楽しみにしています♪



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