毎日の読書 「教会の祈り」

私たちはキリストの体の一部 「聖務日課(読書)」より

聖パウロ三木 あなたがたは私の証人となる

2012-02-05 07:00:00 | キリスト教
同時代の著者による聖パウロ三木とその同士の殉教の記録

十字架につけられてから皆が示した毅然とした態度は、それを見ている人々を驚かせた。パシウス神父とロドリゲス神父は耐え忍ぶように仲間を励ました。長上のペドロ・パウチスタ神父はほとんど動かずに、じっと天を見つめていた。また、マルチン修道士は神に感謝をささげようとして、「神よ、あなたの手にわたしの霊をゆだねます」という節を加えて、いくつかの詩編を唱えていた。フランシスコ・ブランコ神父も、はっきりとした声で神に感謝をささげていた。ゴロンザロ修道士は非常に大きな声で主の祈りと天使祝詞を唱えていた。

私たちの兄弟、パウロ三木は、今まで自分が立っていた演壇のうちで最も誉れある演壇に立っていることを見て、まず群衆に向かって、自分が日本人であり、かつイエズス会士であることを述べ、福音を述べ伝えたために死刑に処されると言い、このすばらしい恵みをいただいたとを神に感謝すると述べて、次のように語った。「今このような時を迎えて、私が偽りを語るとは、どなたも思わないでしょう。ですからあなたがたに宣言します。キリスト者たちが信じている道のほかには、救いへ導く道はありません。キリスト教がわたしに、敵をゆるし、わたしに害を及ぼしたすべての人を許すように教えているので、関白殿と、私を死刑に処するすべての人を喜んでゆるし、キリスト教の洗礼を受けることを決心するように彼らに願います。」

それから、パウロ三木は仲間に目を転じ、この最後の戦いに挑むように彼らを励まし始めた。皆の顔には喜びの表情があったが、特にルドピコ茨木の顔がそうであった。群衆の中のキリスト者の一人が彼に向かって、「君は間もなく楽園に入るよ」と叫ぶと、ルドピコは腕と体全体に喜びをみなぎらせ、見物人たちの目を自らのほうに引きつけた。

ルドピコの傍らにいたアントニオは天を見つめ、いとも聖なるイエスとマリアの名を呼んだ後、長崎の要理クラスで学んだ詩編、「子らよ、主を賛美せよ」を歌い出した。このクラスでは、歌うためにいくつかの詩編を子ども達に教えているのである。
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2月5日 日本二十六聖人殉教者 祝日
聖パウロ三木(1564年頃~1597年) イエズス会に入会し、福音を述べ伝え大きな成功を収めた。他の25人とともに1597年2月5日に殉教した。
1862年ピオ9世によって列聖された。

日本二十六聖人(女子パウロ会 聖人カレンダーより)
http://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=020501

聖パウロ三木(女子パウロ会 聖人カレンダーより)
http://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=020602

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