酒と音楽とPC

血は酒で出来ている(某声優談)。他の趣味はPC組み立てるのと音楽聴くのしかない。

DRA-100 その後

2015-11-28 13:58:58 | オーディオ

予想通り、売上が伸びていない。初動は良かったが、二次ロット以降はさっぱりでもう値下がりの兆しが見えている。

USB DAC機能をつけて堅実に作ったMarantzが営業政策上は正しかった。Denon内部の技術屋の観点からすれば音質的に有利なはずのネットワーク接続がある以上、その上更にコストアップになるUSBを付ける必要はない、と判断したのだろう。しかし、Denonはネットワークの優位性を少しでも宣伝しただろうか。売れているPMA-50の後継機的な宣伝はしたが、ネットワークのアピールはほとんどしなかったように思う。理屈的にはUSB接続のPMA-50とはここだけで音質的に差が付いているはずなのだ。デモンストレーションもネットワーク接続でやったのだろうか。逸品館などはさすがにわかっているのか、ネットワーク接続の動画宣伝をしていたが、多くの量販店はデモでCDプレイヤーを接続したのではないかと想像できる。PCかNASを用いてUSB接続した機器と比較するのが一番正しい宣伝方法なのだが、各社、ネットワークプレイヤー、レシーバーに及び腰なのか、そういう宣伝方法を聞いたことがない。デファクトスタンダードになっているUSB接続機器の売上に水を挿したくないのだろう。ちなみに海外では状況が大いに違い、ネットワーク機能を持っている複合機がコスパが良いものとして売れているし、評価も高い。DRA-100も主に海外を視野にいれているのかもしれない。海外の評価サイトでも評判は上々のようだ。USBをつけてもDAC部分が必要ない以上、コストアップはせいぜい1万程度であろうし、簡単にUSBとネットワークを同じ機器で音質比較できて私としても都合が良かったのだが、終わってしまったことを言っても仕方がない。PMA-100(仮称)はいずれ登場するであろうが、今度は反動でUSB特化であろうことが想像できる。やれやれ。

さて、DRA-100みたいなデジタル機器にエージングなるものが存在するのか、ちょっと興味深いところであろう。コンデンサのエージングは理屈上あるはずであるし、アナログ部分のエージングを否定する人はそれほどいないと思われる。元ソニーのかないまる氏によると、デジタルアンプにもエージングが必要であるという。かないまる氏はソニーの1ビットデジアンの話をしているし、そのままDRA-100に当てはまる話かどうかという問題はあるが。

私個人の感想を言えば、エージングはある。耳障りだった高域の問題は次第に解消されてきている。DDFA自体の問題として高域に弱点があるので完全とはいかないであろうが、初期に感じた高域の硬さはエージングで次第に収まってくると考えて良いと思う。全体的にまろやかさが増してきた。ただし、これは良くない変化と思う人もいるだろう。キレの良さ、バネのような弾力性というデジアン特有の取り柄も薄れるということであるから。ただし、S/Nの高さは失われていない。これはネットワーク接続に由来するのか、DDFAの特性なのか、PMA-50を持たない私には判断できない。あまりいいインターフェースではないが、同軸、光を用いた時は明らかにノイズが増すのがわかるのでネットワーク接続に由来する可能性が高いと感じている。

DRA-100の方向性自体はおそらく間違っていない。しかし、宣伝はあれじゃダメだろ、と広報の方にダメ出ししておく。

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