消費税増税前に安くなってきたので購入。キャンペーン期間中は購入者全員にプレゼントという触れ込みだった簡易水冷クーラーが途中から抽選になったので上乗せされていた水冷クーラーのコスト分安くなったのかもしれない。
X570 Gaming Plusはエラーが少なくほぼ問題はなかったのだが、VRMの品質が良くない(どうせ3900Xは空冷ではほぼOCできないんだから関係なくね?)、ASMediaのATAコントローラー(1061)が悪さをすると言われており、前者について火事になったらシャレにならないと考えて追加出費を正当化しました(ただのIHAHOO)。後者ははっきり害があります。ASMediaのコントローラーがついてないACEを使ってみれば起動が圧倒的に早いことがわかります。動き出してからはCPU直結のSATAとASMediaのコントローラーに転送速度の差はないのかもしれませんが、HDDが接続されていると認識されるまでにえらく時間がかかるのが特徴です。起動もですが、起動後も使っていないHDの電源を切るような設定にしているとイライラするぐらいファイルやサムネイル表示に時間がかかるのがASMediaのコントローラーの最大の難点。しかし、このコントローラーは以前からMSIのマザーに採用され続けており、何で今更言われるようになったのか良くわかりません。以前のIntel向けマザーにもしっかり入っていて起動の邪魔やファイル操作の邪魔をしておりました。MSIマザーの起動が遅いならば多分これのせいです。これにHDDが複数ぶら下がっていると倍率ドンで数十秒単位で起動が遅くなります。これはない方が絶対にいい。ただし、これを除去したためACEはSATAがたったの4個になりました。私はこのために泣く泣く良く働いてくれた古参のHDDを処分しました。NASがあるので存在価値はなくなっていたのですが、長く使っていると愛着が生まれてくるもので。ACEはハイエンドな人たちはNvmeのSSDを使うだろうと割り切っています。Nvmeを3個きっちり新規格の転送速度で動かせるからケーブルが邪魔なSATAは要らないということなのでしょう。ただし上位マザーのGodlikeやCreationにはしっかりASMedia 1061が入っているので起動が遅い可能性があります。ただし、Gaming PlusのようなATA1番、2番がASMedia 1061というような巫山戯た設計(HDDがCドライブとしてぶら下がっていると悲劇以外の何物でもない)にはなっておらず、ATA5番、6番なのでHDDが少ない構成ならさほど問題はないでしょう。
さて、このACEですが、一応ハイエンドマザーなのでパッケージが豪華なのかと思いきや、箱の大きさはGaming Plusとほとんど変わらず拍子抜けしました。Foxconnハイエンドマザーの超巨大な箱が懐かしい。今回買った電源AX 850の箱も以前の巨大さ(HX 850)からかなり小さくなっており、パッケージのムダは省くのが今のトレンドなんでしょうかね。まあ、押し入れに入れようにも邪魔でしょうがないFoxconnのようなのも確かに困るのですが、アレのほうが満足度は高かった。ACEも箱自体は上質でキレイな箱なんですが如何せん小さい。付属品はGaming Plusのようにケチって横着はしておらず、ATAの数だけケーブルは付いてくるし結束バンド、電飾ケーブル、Wifiアンテナの類もしっかり付属しており初自作でもケーブル、付属品類の追加投資はほとんど必要ありません。強いて言えば他にSSD取り付けの為の小さなドライバーが必須です。これがないとSSD取り付けやヒートシンク交換で死ねます。高級品には付属品として入れてくれないかなぁ。
ACEの特徴はヒートパイプがVRM側まで伸びていて冷却する機構になっていること、それを覆う一体型の巨大なヒートシンク、フル規格で使えるNvmeSSDポートが3つ、簡単なオートメモリOC(Memory Try It)、Wifi 6対応のIntel AX200、2.5Gigabitの蟹(RTL8125)に加えてIntelのGigabit LAN(WGI211AT)まで備えた充実のLAN環境といったあたりでしょうか。10Gigabit LANを積む最上位マザー群には及びませんが。ただ、10Gigabit LANを活かせる環境の人がどのぐらいいるんでしょうか。まだまだ10Gigabit対応のNASやハブは高価なはずです。普通の光通信程度では10G必要ないですからね。
さて、その成果は・・・無音、これに尽きます。チップセットファンはよほど変なことをしない限り回りません。今使ってるNASより静かです。OCCTを回しているときでもチップセットファンは回りません。回ったのはCrystalDiscMarkを回しているときでしたかね(600rpm程度)。なお、CrystalDiscMarkで目標だった転送速度5000MB / Sが達成されました。マザー交換でSSD速度の不満も解消されたことになります。15フェーズに増えたVRMの温度はOCしていないせいでGaming Plus時代もそれほど高くなかったので効果が今ひとつピンと来てません。その代わりCPUの温度が一段と下がりました。ACEはCPU補助コネクタが一般的な8pin+4pinの所謂田コネクタではなく、8pin+8pinの余裕のある構成になっており、これの成果ではないかと思います。エンコ中CPU温度は60度台になりましたし、ベンチをぶん回しても70度台、たまに瞬間的に80度になるぐらいでしょうか。ファン回転数の低い忍者でこれなのでNoctua D15に換装すれば常時70度台半ば以下をキープできそうです。
Memory Try Itはメモリ周り(互換性、OC)に定評のあるMSI上位板だけあって、ネイティブ3200MHzのSanmaxメモリで簡単に3600MHzを達成してくれました。各種テストでもエラーは出ませんでした。定格以上では回りにくいという定評のあるSanmaxメモリでもこれぐらいは行けます。今のMicronチップ(Micron E-die)は当たり個体は回るとはいえ私のはCrucial Ballistixの選別落ちチップでしょうしこの程度でしょう。ただし、Memory Try Itは3600MHz設定だと電圧を1.4V掛けてくるのでヒートシンクがないこのメモリでは熱にちょっと不安があります。3200MHzでタイミングを詰める方向で行くか、3600MHzのままで行くか思案しているところです。ACEなら定格やXMP内の使用ならメモリ周りに何の不安もないと思います。Gamig PlusではMemory Try Itを使いませんでしたのでもしかしたらGaming Plusでも3600Mhz行けていたのかもしれません。廉価マザーでは怖くて使う気にならなかっただけですが。
Wifi(Intel AX200)と蟹のサウンドチップ(SLC 1220)はネットワークプレイヤー環境と相性がよくなさそうなのでBIOSから止めました。具体的にはWifiが生きているとPCでファイル操作しているとたまにネットワークプレイヤーにノイズが乗るようになりました。これはGaming Plusでは起きなかったことです。USB接続ならともかく、ネットワークプレイヤー環境では本来あり得ないことなのでSpread Spectrumあたりをイジれば止まるような気がしますが、以前いじって収拾がつかなくなったことがあるので止めておきました。私の環境では無線アクセスポイントが2つになっても特に利益はなさそうですから。NASがある以上、通信環境すべてをワイヤレスで統一はできませんし、以前の検証でも有線の方が音質的メリットが大きかったです。蟹サウンドチップは優先順位をイジっても常に優先順位第一位に復活して他の邪魔をするので殺しました(笑)。蟹にしては音は良いらしいですがうちの場合は使い途がないので。光接続する人には便利なものなのでしょうが。
Gigabyte製SSD(GP-ASM2NE6100TTTD)の銅製ヒートシンクをなんとか引っ剥がしてACEの備え付けヒートシンクと交換してみました。アイドル時でSSD純正(45度)、ACE備え付け(37.5度)。うーん、銅製ヒートシンクあかん。ACE備え付けの方はチップセットファンが回っていれば(大抵回ってないけど)シンクに風が当たる設計なのと巨大ヒートシンクと事実上一体化するような構造になっているから備え付けが有利なのかな。ただし、CrystalDiskMarkを回すと備え付けのほうは温度が急上昇するのでフル稼働時の温度は大差なく(55度前後)、ベンチ結果もほとんど変わりませんでした(5000MB / S近辺)。ただ、アイドル時の温度は寿命に影響するぐらい違う。Gigabyteは実際にベンチ回して温度計測したのかなぁ。してたらヤバいと気づきそうなもの。ASRockマザーのチップセットファン、USBの位置といい、Ryzen2発売と時期を合わせてきたパーツはリリースまでに時間がなかったのが手にとるようにわかりますね。SSDとマザーはAMDの都合に合わせるしかなかったでしょうからね。ただ、SSDはネイティブ動作じゃなくても一応X570以外で動くから先行して販売されてたんだよなぁ。それでこの結果はマズイなぁ。マザーよりは時間に余裕があったはずだし。