長らく使用してきたPHILIPSモニタが遂に寿命を迎えた。間に合せで買った安物であったが結局5年ぐらい使うことになった。サイズも31.5インチで特に不満もなかったのだが壊れてしまったのでは仕方がない😏 買い替えるしかないな!
そこで4Kモニタを物色し始めたのだが・・・コスパが良いものがない。テレビの高コスパ製品を見ているとモニタを買うのがバカバカしくなってしまう。テレビにPCを接続しようかとも考えたがこれまでの経験上反応がとにかく悪く使い勝手が良くないので諦めた。
今高級品で評判が良いのはBenQのようだが大型の4K対応モニタだととても手が届かない価格。Acerクラスですら50型テレビより高くコスパが悪い。国内製品は性能、コスパが海外品に見劣りする。またPHILIPSでお茶を濁そうかとも考えたがPHILIPSはモニタの大型化に極めて消極的らしくてメインストリームが24インチ、27インチで31.5インチ以上の4K対応モニタが業務用か高級品しかない。Dell、Lenovoの直販品は廉価でスペックが良いのだが機能がシンプル過ぎる上に使用者が少なく評判がよくわからなかった。廉価で画面が大きいものとしてはJAPANNEXTの製品がある。しかし、モニタとして売られていても実質チューナーレスTVでモニタとしての使い勝手の評判は良くなかった。
こうなると残るはLGだけかぁ・・・。LGは高機能でVA、IPSをどちらも選べるしコスパもまあまあだ。サイズも小さいものから大きいものまで揃っている。ゲーミングやワイドサイズモニタも豊富にあるが3Dゲームを一生懸命やることはもうないだろうから必要ないだろう。
ただ、ここで問題が生じた。TVの世界はもうスマート化しており、GoogleTV、AppleTVが普及している。しかし、モニタの世界の対応はまだまだなのだ。モニタも30インチを超えてくると動画視聴、配信の機会も多くなるのでスマート対応していれば便利である。テレビもモニタも名の通ったメーカーのスマートTV、スマートモニタはどうせAppleTV、Amazonプライム、Netflixを使うだろ的な対応でGoogleTVが採用されていない。AmazonプライムやNetflixはNASからの4K配信に未対応である。ジョブズが復帰してからのAppleが大嫌いな私はAppleに課金するような悍ましいことはしたくないのである(紛れもなくAppleアンチであるw)。GoogleTV対応は中華製品が中心で国産品や中華メーカー以外の名の通ったメーカーがあまり採用してないのである。ではLGはどうかというとWebOSという独自規格を採用している。そのWebOS中でAppleTV、Amazonプライム、Netflix等、著名配信サービスには軒並み対応しており普通の使い方では問題ない。しかし、LGはGoogleTVをWebOSのライバルと見立てているようでGoogleTVだけは対応してないのである。GoogleTVとAppleTVでなければ配信対応アプリが本当に少ないのだ。何か用途を思いついたら即アプリを入れるようなスマホ的な使い方はGoogleTVしかできないのである。NASからの配信を目論んでいる私としてはGoogleTVがなければAppleTVに課金するしかないのである。4K配信対応だけのために中華製品のしかもTVを選ぶのもどうかと思うので結局GoogleTVは諦めた。Chromecastを外付けで買うしかないのかぁ・・・。スマートモニタ自体がLG以外にはほとんどないのだから仕方ないか。
そういうわけでLGのスマートモニタに絞って品定めを行った。サイズ的には31.5インチで良いような気がしたが、4Kに対応するならば31.5インチでは画面が細かくなりすぎて更に目の負担が大きくなるような気がした。そこで43インチを物色したのだがこのサイズはLGですら選択肢が少ない。大型モニタは湾曲ワイドモニタばかりで他の製品は人気がないようなのだ。みんなゲームばかりしてるのな(笑)。動画用にはテレビがあるから普通の形をした大型モニタは必要ないという考えなのだろう。カタログを見ているうちについ最近発売になった43UN700-BAJPが目についた。これは4分割画面、ピクチャーインピクチャーに対応しているのが売りのモニタ。確かに面白い機能ではある。きっと投資家や配信主を意識しているのだろう。しかし、私は投資家の端くれではあるが短期取引を絶対にしないという信念を持っている。相場のチャートを常時監視することはないから画面分割機能は必要ないのだ。しかも、このモニタはマルチ画面と引き換えにスマート機能が廃されている。LGの売りであるスマート機能がないモニタはなぁ。しかし、43インチのモニタでスマート機能があるモニタはその時点では発見できなかった。泣く泣く31.5インチモデルで我慢するかスマート機能を諦めるかと思い始めていたところ、Amazonを見たらあるではないか。43インチ、IPS、スマート機能というLG 43SQ700Sが。Amazon専売ということで価格コムやレビューサイトに載っていなかったのだ。韓国では普通に売っている製品なのだろうが日本では公式には発売されなかったのだ。
この製品は何故日本では発売されなかったのか?理由はすぐにわかった。このモニタは表面がグレア処理されているのだ。つまりこのモニタは配信視聴メインのチューナーレス小型TVとして使用することを強く意識した製品であったらしい。日本人は目が疲れるグレア処理モニタを強く忌避する人が多い。LGは日本では売れないと判断したのだろう。個人的には動画視聴中心の製品だとしたらコントラストに優れたVAパネル採用が正しい気がするが、日本を中心にIPS信仰みたいなものがあって高級品がVAパネル採用だと敬遠されるからIPSパネル採用なのだろう。後継品の43UN700はやはりIPSパネル採用ではあるが、表面はアンチグレア処理である。こちらは動画視聴目的のモニタではないのだから当たり前ではある。
43SQ700Sがグレア処理ということに気がついてから心に迷いが生じて43SQ700Sと43UN700でかなり悩んだ。43SQ700Sのグレア処理は嫌だ。しかし、43UN700はスマートモニタでないことがどうしても気になる。画面分割は要らないし価格も高くなる。LG製品を諦めて他のメーカーだとかなりお金を積まないと適切な製品がない。もうここで堂々巡りしていても終わりがないので私は考えるのを止めた。動画を見る機会は多いのだからグレアで行こう!
10年ぐらい前のTVと同じぐらいの大きさなので箱がバカでかい。
31.5インチのPHILIPSモニタと並べてみた。42.5インチが如何にデカいかわかるであろう。机が大きくないと載せられたものではない。机を大きいのに買い替えていて良かった。
とにかく重くて机に載せるのに苦労。しかも、掴むところがないので動かせない(笑)。持ち上げるのが困難で敷物の皺を直せない。字の小ささやマウスの動きが早くなりすぎる問題は調整でなんとかなる。しかし、Kindleのサイズ調整はしたことがなくて戸惑った。
ゲームも問題なく出来る。DMMのゲームは画面が小さくなる。これは結構痛い。大きくする方法もあるのかも知れないが。
PCではなくモニタのWebOSを使って配信視聴。問題ない。PCを立ち上げたくない時は便利。使い方はLGのスマートTVを使っているので問題なくすぐにわかった。
問題はこいつ。LGのTVと混線する。仕様上しかたがないのだろうがPCを立ち上げたらTVも点いてしまうのはイライラする。スマートリモコンでも買うか。
画質評価
パネルはIPSであるがグレア処理でコントラストの低さをカバーできている。パネルがVAだとコントラストは更に良くなるが今度は輝度が低くなる。IPSとVAの選択は用途で決めるしかない。静止画メインならIPSのノングレア、動画メインならVAのハーフグレアというように。さすがにグレアは目がきついと感じる人が多いと思う。私はあまり気にならないが。ただし、画面にやたらとイケメン(自分の顔)が映るのには閉口する。静止画と動画を高い水準で両取りしたければ有機ELのモニタを買うしかないだろう。当然ながらこのモニタも有機ELには画質では遠く及ばない。有機ELにも種類が少ない、輝度が低く暗い、焼付き、寿命が短い、高価(モニタは特に)という問題があることは忘れずに。
このモニタには一応スピーカーが付いている。最低限の用途はこなせるが、最近のTV同様にスピーカーが背面についているので音質はお察しである。サウンドバーだの小型スピーカーだのを付けないと聞くに耐えない。付属のスピーカーで音楽を楽しもうなどとは思わないように。最近の廉価モニタはスピーカーが付属しないものも多い。映画はドルビー対応スピーカーが必須だろう。
一つ欠点があるのに気がついた。このモデルはDisplayportを欠いている。このような尖った製品を買う人は新しいモノ好きだからUSB-Cを使うだろ的な割り切りがある。PCのハイエンドマザーボードでこれを買うような層の客はM2.SSDを使うだろ的なノリでS-ATAを極端に減らすモデルがあるがあのような割り切り。ただし、グレア処理と共に不評であったようで43UN700-JPではDisplayportが復活している。いや、そんなに頻繁にマザーボードやビデオカードを買い替えないんだからまだUSB-Cに対応してる人は少ないって・・・。USB-CがPCの接続に対応したのはつい最近なんだから。ただし、Displayportは日本向けだけの仕様かもしれない。韓国ではUSB-Cの普及が早かったのかも。日本はHDMI、Displayportの普及も遅かったもんなぁ。
リモコン、アプリの使い勝手はイマイチ。もうちょっとどうにかならないものか。リモコンが混線で使えないのでスマホアプリに頼るしかないのだが操作が面倒だ。
結論から言えば良い製品ではある。しかし、かなり人を選ぶ製品であると言える。パネル表面がグレア処理というだけでアウトな人も多いだろう。WebOS(スマート機能)もTVが同じ部屋にある場合必要か?と思う人が多いだろう。私はBS番組を見ながら配信も見るとか配信を2つ同時に見るようなことがよくあるので需要があるが、真っ当な生活をしている人であれば不要であろう。42.5インチの大画面、スマート機能、IPSパネルで6万円を切るというのはかなり高コスパ製品であることは間違いない。後継機種の43UN700はまだ発売直後なので8万弱の価格で売られている。もうTV放送は必要ない、でかいパネルを部屋から減らしてPCと配信用TVは兼用にしたいと思う人であれば43SQ700Sはジャストフィットする製品かもしれない。他のチューナーレスTVと違ってPCを使うに当たって操作のハンデがないのだから。