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酒と音楽とPC

血は酒で出来ている(某声優談)。他の趣味はPC組み立てるのと音楽聴くのしかない。

Prestoでαレーベルの安売り

2020-05-08 07:42:14 | 音楽

Prestoでαレーベルの40%オフセールが開催中。αレーベルはCBSのサブブランドで若手中心のレーベルだが、インマゼール、クリヴィヌといったベテランの録音もラインナップに載っている。元々ミッドプライスという格付けになるわけだが、嬉しいことにセール中は更に安くなる。気に入った若手アーティストがいる人やインマゼール、クリヴィヌのファンは要チェックだ。フランスのNaiveレーベルに録音されていたインマゼール、クリヴィヌの録音がαで廉価盤としてリイシューされているようだからNaiveレーベルがCBSに吸収されてαに看板が変わったということなのかな?

今回購入したものは

ベートーヴェン 交響曲全集 インマゼール / アニマ・エテルナ CD音質

モーツァルト 後期交響曲集 インマゼール / アニマ・エテルナ CD音質

モーツァルト 協奏曲集 インマゼール / アニマ・エテルナ CD音質

ベルリオーズ、ドビュッシー、ラヴェル、プーランク フランス音楽集 インマゼール / アニマ・エテルナ CD音質

ドヴォルザーク 交響曲第9番、ヤナーチェク シンフォニエッタ インマゼール / アニマ・エテルナ 24bit / 96khz Flac

ガーシュイン キャット・フィッシュ・ロウ、ラプソディ・イン・ブルー インマゼール / アニマ・エテルナ 24bit / 96khz Flac

R. シュトラウス ティル・オイレンシュピーゲル、ツェムリンスキー 人魚姫 クリヴィヌ / ルクセンブルク・フィル 24bit / 96khz Flac

バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番、管弦楽のための協奏曲 テディ・パパヴラミ / クリヴィヌ / ルクセンブルク・フィル 24bit / 96khz Flac

メシアン 我ら死者の復活を待ち望む、忘れられた捧げもの、微笑み、キリストの昇天 P. ヤルヴィ / チューリヒ・トーンハレ管 24bit / 96khz Flac

24bit Flacは1280円でほぼ一律のお値段だが、CD音質の音源はかなり価格にブレがある。一枚物は530円となかなか高いが、組物はかなり安い。枚数が増えれば増えるほどお得。ベートーヴェンはCDにして6枚分で2260円。フランス音楽のセットは5枚組で1860円。尼やHMVの激安ボックス・セットと比較すれば高いが、録音が新しいので損ではない。むしろ、どうしてこんな新しい録音をCD音質で売るのか理解に苦しむ。Naiveで売られていたものはリイシューで廉価盤扱いだからということだろうが、古いもので2005年、ほとんどが2010年以降のものなのだから少々高くなってもハイレゾで売って欲しいものだ。Naive録音はリイシューだから廉価盤、廉価盤なら安くないと売れない、ということなのだろうが杓子定規すぎる。

ハイレゾとCD音質の違いを聴き分けるならこのαレーベルが分かりやすいかもしれない。Naive録音も決して悪くない。しかし、αになってからのハイレゾ録音とはシャープさが全く違う。インマゼールは古楽器使用でクールというのが特徴でその特徴は録音が良くなれば良くなるほど分かりやすい。ハイレゾのドヴォルザーク、ヤナーチェク、ガーシュインを聞いた後にベートーヴェン、モーツァルトを聴くとこもっている、もっさりしているという感覚は拭えない。オケものより室内楽のシューベルティアーデの方が分かりやすいかもしれないが。こちらはe-Onkyoでやたら安く買えるのが嬉しい。ハイレゾの5枚組で2500円というのは海外でもなかなかお目にかかれない。

軽く演奏に触れるとベートーヴェンはあれだけ話題になったインマゼールのベートーヴェンの新録なのに全く話題にならなかった。チャンネル・クラシックの録音から時期をほとんど置かずに再録してしまったからだろう(インマゼールはもう若くないので慎重になりすぎてハイドンを録音しきれなかったブリュッヘンの轍を踏みたくなかったのだろうと思う)。Naiveよりチャンネルの方が録音的にハイレゾ、古楽、インマゼールのクールさがわかりやすかったように思うし。C. デイヴィスのシベリウスあたりと同じで無理して新録を買う必要はないように感じた。ただし、安いので両方持ってて損はない。モーツァルトも悪くないが、面白いのは交響曲より協奏曲の方。フランス音楽集も良いのだけれどクリヴィヌ / フランス国立管の海、管弦楽のための映像を聴いた後だとかなり見劣りがした。古楽器使用といっても作曲時期的に弦以外はかなりモダンに近いものを使っているはずだし(ベルリオーズ以外は近代)、ラヴェルはモダン仕様のほうが絶対にいいと思う。

ドヴォルザーク、ヤナーチェク、ガーシュインは録音がとてもいいので一瞬騙される。だが、よーく聴くとアニマ・エテルナをもってしても技術的にトップクラスのモダン楽団には及ばないのが分かってしまう。もちろん、楽器の能力による限界もあるのだろうが、それは承知の上で敢えて同時代楽器を使って近現代の音楽をやっているのだから言い訳になるまい。アーノンクールも近現代をやるときはウィーン・フィルやヨーロッパ室内、アムステルダム・コンセルトヘボウを起用してたものね。古楽器ならではの味もあるが、ハイドンと違ってモダン楽器が有利な土俵と感じた。近現代音楽の古楽器使用録音ではスミソニアン・チェンバー・プレイヤーズのメタモルフォーゼンや弦楽のためのアダージョは素晴らしかったけど、あれは弦楽合奏でしたからね。

クリヴィヌのが2枚。バルトークはヴァイオリニストのパパヴラミがプチ・テツラフという風情。あそこまでキリキリ厳格ってわけではないですが、客が喜ぶサーヴィスなしの曲の本質に切り込む演奏(w。音楽は楽しくあれという人は避けたほうが良いかもしれません。まあ、この曲を甘ったるくやるのは今時カプソンぐらいかもしれませんが。管弦楽のための協奏曲の方は・・・。クリヴィヌの良さは柔らかいのに鮮明という一般的に相反する要素が同居しているところにあると思うのですが、ストラスブールのオケの実力がフランス国立より劣ること、曲が本来全然柔らかくないことからミスマッチの感が拭えませんでした。2枚目もどうして選曲がティルなの?メタモルフォーゼンや死と変容、管弦楽のためのソナチネみたいにクリヴィヌの良さが生きる曲がいくらでもあるでしょうに(すみません、ティル大嫌いなんです)。もちろん柔らかいティルになっているんですが、この曲はショルティみたいに剛直な一筆書きの方が様になると思っているんで。まあ、ショルティですら滅多に聴きませんけどね(w。ツェムリンスキーの人魚姫は私が大好きな曲。シャイー、コンロンと買ってきているのですが、今の所これがベスト。薄靄の中から波間に人魚姫が現れるような幻想に囚われます。もちろん録音も鮮明。

メシアン、ヤルヴィの組み合わせは・・・。録音はかなり良いです。しかし、比較するほど曲に思い入れもなく同曲異演も持っておりませんし、聴いておりませんので勘弁してください。ヤルヴィのラフマニノフは聴き直してみたらかなり印象が変わりましたし、以前のようによくわからん・・・から実力はあるんだろうな、にヤルヴィのイメージは変わりつつあります。

 

 

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六角精児バンド 石ころ人生

2020-03-26 18:15:26 | 音楽

ご存知呑み鉄のテーマソング、挿入歌を含む下北沢の星、六角精児の代表アルバム。

調子がいいときはバスサンド、悪いときは呑み鉄を見ながら酒を飲む。六角精児が安い酒を呑むので私も負けずにビフィーター・ジン(貧乏人の友)をトニックウォーターで割るという手抜きかつコスパ重視の呑み方。何度もリピートしていくうちに六角精児バンドのアルバムを買ってやろうと。今更CDで買いたくないのでハイレゾを探したが、なかったので仕方なくアマゾンでCDを購入。国内のアーティストだから高いのを覚悟していたが、意外に安かった。

ご存知のように六角精児の歌は決して上手くない。ただし、曲の内容があれなのに伴奏は無駄に上手く笑ってしまう。歌詞が歌詞だから歌い手も六角精児しかありえない。ワンアンドオンリー。これでいいのだ。ゆるーい、登場人物がダメ人間という点ではライ・クーダやリトル・フィートと同じなんだけどやっぱり日本語だから心情がダイレクトに伝わってくる。ディーゼルお父さんが嘘をついた以外の曲もいい。呑み鉄でよく掛かる飄々が入っていないのは残念だが。

今日は一番好きな三江線の旅の回を見ながら一杯。この回は一番景色がいいし、横笛ヒーローのご老人、寿司屋の大将とあまり喋らない隣の客と六角精児が出会った人のキャラが皆立っている。染染していて本当にいい。特に夕暮れの潮駅の景色は本当に最高。三江線沿線と同レベルの田舎に住んでいながら田舎って良いなと思わず呟いてしまう。六角精児もこの回が一番酒を旨そうに呑んでいるように見える。

なんでこう染染した回を見たくなったかというと、まだ猫を飼ってもいないのにいきなりペットロス(?)になってしまったからだ。予約していた子猫が病気になってしまったのである。コロナが流行る中、無理やり東京に迎えに行くはずがいきなり中止。今日は飲まずにいられない。キャットタワー、ケージ、ブラシ、トイレ等々必要なものは全部揃えたというのに・・・。すっかりアテが外れて今後の予定がなくなってしまった。こうなるとどこかにふらっと旅に出たくなる。

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Colin Davisを中心にLSOレーベルを幾つか

2020-01-29 10:52:03 | 音楽

DL販売は在庫が倉庫を圧迫しないので廃盤はない、と思うのは甘い。やはり本屋同様に売れない商材を並べていると売上に悪影響があるらしく、定期的に棚卸しがなされる。e-Onkyoがレーベルのリストラを頻繁にやっているのも同じ趣旨だろう。店に応じて適正な取り扱うジャンル、商材の数みたいなものがあるのだろう。それはネット店舗でも変わらない。

そんなわけで物故した演奏家はカラヤン、ベーム、バーンスタイン、グールドのように老人に崇められるレベルでなければリストラ対象である。過去の大演奏家より近年のそこそこ名の売れてた演奏家(といっても、そのジャンルでは結構な大物なのだが)の方が逝去後間を置かずに消える傾向がある。特に地味な演奏家は要注意だ。

そこで危険そうなデイヴィス(おお、地味と決めつけ)を集めてみようと思い立った。ハイティンクも引退が決まっても記念BOXも出ないし、既に1990~2000年代のDL音源は既に消えつつあるので今のうちに買っておくべきだろう(LSOで録音されててもハイレゾ化はされなかったり、以前はあったものがひっそりと消えている)。Signumも気がつくとマッケラスの音源をかなりリストラしていて落胆させられた。

LSOで売られているデイヴィスの音源は得意のシベリウス、ベルリオーズを除けばドヴォルザーク、ニールセン、エルガー、ウォルトン、ハイドンといったあたりで何故かベートーヴェン、ブラームスといったドイツの大作曲家の交響曲が避けられている。ドイツものはドレスデンでやり切ってしまったということなのだろうか。エルガー、ウォルトンのようなお国ものはイギリスの聴衆の好みだろう。そして、なぜか合唱曲に偏っている。唐突にヴェルディのレクイエム、ヘンデルのメサイア、モーツァルトのレクイエムと言ったあたりがライヴ録音されている。ハイドンも天地創造、四季が録音されており、最晩年のデイヴィスは大規模なオーケストラを伴う合唱曲をライフ・ワークと考えていたのではないだろうか。

全部買うほど財布に余裕がないのでとりあえずある程度試聴してからドヴォルザークの新世界、ヘンデルのメサイア、ハイドンの交響曲集、ヴェルディのレクイエムを手にとった。試聴して気になったナイジェル・ショート指揮フォーレのレクイエム、おまけでハイティンクのアルプス交響曲を購入。

ドヴォルザークはとても安い。たったの4ユーロ。1999年の録音でオリジナルがDSDマスターではないという関係で安くなっているようだ。録音はまあまあというところか。LSOレーベルのハイレゾ録音の印象はそれほど良くないが、そのイメージと大きく変わることはない。演奏は悪くないが、例によって地味。デイヴィスのファンなら買ってもいいだろう。7,8番も同様に安く売られている。ドヴォルザーク録音全部入りで10ユーロぐらいで売ってくれればいいのに(何故かPrestoにはある。ただし、CD音質)。LSOはデイヴィスの演奏するベルリオーズのライヴほぼ全部入りをかなり安く売っている。SACD+CDオンリーだがとてもお買い得。

ハイドンの交響曲はデイヴィス自身は18番と捉えているようでコンセルトヘボウ管(Philips)でも纏まった録音がある。LSOの録音も結構な曲数が入っていて10ユーロだからコスパは良い。ただ、個性は薄い。ハイドンの交響曲はオリジナル楽器派の刺激的な録音が溢れている状態なのでちょっとやそっとの演奏では高評価は得られない。デイヴィスは過去の演奏家ではないか、と言われるかも知れないが、この録音は2011年という新しいものであり、並べて論じざるを得ないのだ。モダン楽器を用いる積極的な意味は見いだせなかった。過去の演奏家のように通常のレパートリーにたまたまハイドンが入っていたという感じの演奏。近年のモダン楽器使用ハイドンではラトルとマッケラス以外にはなかなか気に入った演奏を見つけられない。むしろ、好き勝手にやってる昔の大巨匠が演奏するハイドンが面白く感じられてしまう。録音はドヴォルザーク同様にまあまあと言ったところ。新しいのだが取り立てて秀でてはいない。

あまりデイヴィスばかり聴くのに飽きてきたのでここでナイジェル・ショートのフォーレを投入。前座にバッハの編曲物が入っているのだが、これがなんとも鮮烈。Tenebraeの素晴らしい歌唱に一気に引き込まれた。Signumでお馴染みになっているナイジェル・ショートとTenebraeだが、本当に素晴らしい合唱団。フォーレも期待に違わない。オリジナル編成版だからロンドン響も選抜メンバーで少人数の鋭さがある。録音もLSOのオケものと違って最高レベル。これは文句なしの演奏・録音で最高の買い物。LSOもSignumもオケものは冴えないのに合唱曲だと録音が良くなるのはどうしてだろう?これまで聴いた合唱曲ハイレゾ録音の中ではシアトル響のベルリオーズ・レクイエムが素晴らしい録音であったが、これは全く遜色なく、演奏内容では大きく上回っているだろう(シアトル響は録音のマジック的)。

ここでデイヴィスはロンドン響との演奏で質の良い合唱団と合唱指揮者を使えるようになったからこそ合唱曲を集中して録音したのではないかとピンときた。デイヴィス晩年のライヴではその幾つかにTenebraeがクレジットされているのだ。そうであればデイヴィスの録音も悪かろうはずがない。

まずはヘンデルのメサイア。大編成の過去の巨匠タイプとは異なる穏当ながら味わい深い演奏。ミディアム・テンポで淡々と流れていくのだが嫌味がなく聴き飽きない。モダン楽器演奏を買うなら候補に入ってくるだろう。合唱はナイジェル・ショート指揮Tenebraeというのも高評価ポイント。フォーレ同様にやはり素晴らしい合唱だ。ソロや指揮より合唱が気になるという変な録音かも。ピリオド楽器の神経質な音に聴き疲れがしたときに聴くと癒やされる。ちなみにマッケラスによるモーツァルト改訂メサイア(Signum モダン楽器使用)も面白かった。

続いて超苦手を自認しているヴェルディのレクイエム。合唱指揮者として活躍したリチャード・ヒコックス追悼盤と銘打たれている。デイヴィスはベルリオーズ等LSOレーベルでの初期の録音では合唱指揮でヒコックスのお世話になったのだろう。録音当時はLSOの首席指揮者だったから追悼行事に引っ張り出されたというのもあるのだろうが。いずれヒコックスの地位がナイジェル・ショートに引き継がれる形になるのかな?この録音は2009年になされているが、この時点ではナイジェル・ショート指揮Tenebraeは関わっていない。Tenebraeは2001年結成だから既に活動していたはずなのだが。Signumに録音はしていても評価はまだ低かったのだろう。

さて、内容の方はどうかというと・・・。これはいい。珍しくも最初から最後まで一気に聴き通せた。地の底からゆっくり沸き上がっていくような冒頭、派手さを抑えた怒りの日、しみじみとした終結のリベラ・メ。ヴェルディ自身はレクイエムをオペラのように演奏されるのを嫌っていたというからこのような地味な演奏こそが作曲者の意図するところなのかも知れない。古楽器派でも何故かこの曲だけは派手に行く演奏家が少なくないだけにモダンで地味なのは貴重な録音。がなり立てない、端正なレクイエム。デイヴィスの地味で生真面目な部分がよく出ている演奏。録音も良い。なお、合唱はLSO付属の合唱団。

最後にハイティンクのアルプス。ハイティンクのアルプス交響曲はコンセルトヘボウとの旧盤があって地味な演奏として評価が高かった。この曲はヴェルディのレクイエムと違って派手に行かないと面白くないと思うのだが。例によって地味で誠実だが派手な演出を施した他の演奏と比べて面白みに欠けると言われても仕方がない。ハイティンクやディヴィスに新興宗教の教祖だの山師だのといったような過剰な演出的要素は皆無に近いからである。録音は悪くないのだがこのような曲ではオケに物足りなさを感じなくもない。ハイティンク旧盤の人気はコンセルトヘボウ管の自力によるものも大きいのだろう。

ドヴォルザーク 交響曲第9番 C. デイヴィス A

ハイドン 交響曲集 C. デイヴィス A

フォーレ レクイエム他 ナイジェル・ショート / Tenebrae/ロンドン響弦楽セクション S

ヘンデル メサイア C. デイヴィス S

ヴェルディ レクイエム C. デイヴィス A

R. シュトラウス アルプス交響曲 ハイティンク A

フォーレ以外はいずれもオケはロンドン響。

 

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ゲルギエフのマーラーとラフマニノフ

2020-01-16 12:20:06 | 音楽

最近ようやくというか、欲しいe-Onkyoの録音を買い尽くしてしまった感があるので海外の店で録音を漁るようになりました。主に覗いているのはPresto、Native-DSD、LSOですね。ハイレゾ以外ではPrestoがダントツで安いのですが、SACD再生環境を持たず、CD音質のDLに興味のない私にはあまり有り難くない店です。メジャーと協定でもあるのか、リージョンで日本だけやたら高価に設定しているのも気に入らない。これじゃe-Onkyoのセールと同程度の価格ですよ。リージョン設定変えてまでこの店で買おうと思わないし。ただし、CD音質で良ければ旧譜は300円台からあります。とりあえず一揃い欲しいという向きには便利。ただ、尼やHMVのCD激安ボックスセットの方が安くないかなぁ。音質同じなわけだし。Native-DSDはセレブ向けのの店(笑)でメイン商材はDSD256ですのでこれまたあまり縁がない。将来お世話になる店だと思うのでちょくちょく覗いていますが。というわけで今一番お世話になっているのはLSOですね。LSOレーベルはe-Onkyoが取り扱いを止めてるからLSO本家かPrestoで買うのが手っ取り早いしね。たまにPrestoの方が安いものもありますが、大方は本家で買ったほうが安いようです。LSOのシリーズ物はそのうち廉価Boxにまとめられるケースが多いので発売直後にどうしても欲しい場合以外はBoxになるまで待ったほうが良いでしょう。半額以下になります。

ゲルギエフのLSOライヴはプロコフィエフのロメジェリをe-Onkyoから入手していましたが、LSO直販では実に様々な演奏が売られています。最近ではゲルギエフの演奏がLSOの売りの一つになっているようです。一番欲しかったブラームスやスクリャービンはまだBoxになっていなかったので、Boxになっているものからマーラーとラフマニノフを選択。

マーラー交響曲全集は2007年から2011年にかけて結構なペースで録音されたもののようです。お値段は25ユーロ。為替相場によって変動しますが、ほぼ4000円以内でマーラー交響曲全集を買えると思えばSignumのマゼール並みにコスパは良いです。

さて、演奏の方は・・・。私は未だにゲルギエフの本質が掴めません。録音はかなり耳にしているし、実演も聴いたことがあるはずなのですが(まあ、その頃はゲルギエフは駆け出しです)。爆演でもなければ柔らかくて丁寧とも違うし。若い頃のライヴはかなり爆演型だったと聞いているのでそのイメージで買うと毎度うっちゃりをかまされます。ラトル旧録音、シャイーほど研ぎ澄まされていないし、ハイティンク、ヤンソンスのようなふくよかさ、おおらかさがあるわけでもない。ハイレゾとしてはイマイチな音質も相まって音楽に集中できませんでした。ムード音楽っぽいけどロメジェリの時の方が良かったですね。決して良いとは思わなかったけど心に爪痕を残した分、マゼール新録のほうが印象深かったです。

ここでゲルギエフを諦めきれずにまた買ってしまったのがラフマニノフ。パーヴォ・ヤルヴィ、スラットキンで似たようなセットを購入済みだったので比較するに便利かという考えもありまして。交響曲全集に交響的舞曲がついて15ユーロ。コスパはそこそこ良いです。

結果はまたしても外れ。ラフマニノフの演奏はピアノ協奏曲第2番、交響曲第2番に寄せるプレヴィンタイプ、1番や交響的舞曲に寄せるラトル、スラットキンタイプにはっきり分かれると思うのですが、どっちつかずといいますか・・・。構成重視でも後期ロマン派の高級ムード音楽でもない非常に中途半端な演奏という印象でした。叙情はあっても気まぐれで移ろいやすい近代音楽としての神経質な側面をラフマニノフの音楽は持っていると思います。その本音を排して高級ムード音楽的なものに徹してラフマニノフは作曲家としての成功を得ることができましたが、成功を得た後最終的に初期作品の傾向に回帰している。つまり、ラフマニノフの本音は1番や交響的舞曲にあると思うのです。1番や交響的舞曲のような気まぐれで一見支離滅裂な音楽を如何に統一的なものとして示せるか。プレヴィンはかってワルターがマーラーに行ったように棘を取って地ならししてしまう、ラトルやスラットキンは後期ロマン派の衣装を纏った中期作品でも甘さを極力排して舞曲的な側面を引き出そうとする。作曲家が内包する矛盾や余剰な一部を改訂で削って統一的に構成された「交響曲」として成立させてしまうザンデルリンクのようなやりかたもありますが、最近ではこのやりかたで演奏する人が少なくなっています。BGM的に流して聴くのであれば断然プレヴィンですが、真面目に考えながら聴くならラトルやザンデルリンクでしょう。どっちつかずの演奏にはあまり興味を持てないのです。

ゲルギエフはキーロフ時代ならプレヴィンタイプの演奏をしていたのではないでしょうか。デッカの録音は未聴ですが(笑)。ゲルギエフはキーロフの音楽監督をしながらウィーンで定期演奏していた頃がピークだったのではないかと思います。まだ先がある(ヤンソンスみたいにならなければ)と思うのでちょくちょく買っては見ますが。相変わらず人気はあるようですが、若い頃のライヴに触れた人がゲルギエフの熱烈なファンになっているのでしょうか。

マーラー交響曲全集 ゲルギエフ/ロンドン響 B-A
ラフマニノフ 交響曲全集 ゲルギエフ/ロンドン響 A
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マリス・ヤンソンス急逝

2020-01-16 11:48:23 | 音楽

ちょっと見た目が老けてはいたけどまだ70台。80台後半までは現役として頑張る人が多い指揮者の世界。まさか亡くなるとは夢にも思いませんでした。つい最近までライヴ録音が発売され続けていたし。ハイティンクの引退とヤンソンスの急逝が立て続けに来るとオーケストラ録音をあまり買わなくなりそう。ヤンソンスをよく聴いていたのはハイレゾが手に入れやすかったというのが大きいですが、ショスタコーヴィチの一部を除いては買って後悔するような演奏はなかったですからね。コンセルトヘボウを辞めてバイエルンで頑張ることを決めてそれほど長くなかったのでバイエルン放送交響楽団、ミュンヘン楽壇の落胆も大きいと思います。

若い頃は結構先鋭的な演奏もしていたようですが、晩年は丁寧で温和という演奏が多かったように思います。レパートリーのほとんどはEMI、RCO、BR-Klassiksに録音済みだとは思いますが、ハイレゾもまだまだ発展途上で音質向上の余地があるので焼き直しの同曲再々録音とかでも良いから長生きして録音を続けてほしかったですね。録音が良くなればこれまで見えてこなかったものが見えてくるようになりますし。今のハイレゾの音質で聴けたら私の苦手なベームやセルも印象が変わるかも知れませんしね。特にセル。フルトヴェングラーなんて感涙モノだろうし、トスカニーニ、メンゲルベルクも全く違って聴こえるでしょう。あまり変わらなそうなのはワルターとモントゥーかな。ステレオ時代まで生き残りましたし、古いステレオ初期録音で良さがそれなりに伝わってますから。ハイレゾで聴いたらがっかりになるかも知れないのがライナーやグッドオールでしょうか。どちらも偶然に近いほど録音のポリシーと曲、演奏傾向が合っていただけかも知れないですからね。おそらくなーんにも変わらないのがショルティ(笑)。ハイレゾでなくても十分録音が良いからってのもあるんですが。同じく変わらなそうなハイティンクはハイレゾのライヴ録音でで演奏の柔らかさが一層伝わるようになりましたし、曲によっては意外に冷徹な部分や激しい部分も見られるようになりましした。ライヴでは元々こうだったんですけどね。

ヤンソンス最後のライヴ録音は買いたいと思います。更に以前買おうと思っていたラフマニノフの鐘も欲しいな。

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