アセンションへの道 PartⅠ その理論と技法

2012年には銀河の中心と太陽系そして地球が整列し時代の節目を迎えます。アセンションの理論と技法について考えます。

第16章 神の詩 ⑭運命とパラレルワールド

2012-04-13 06:15:00 | 第16章 神の詩
前回⑬のテーマの一つは「世界劇場」であった。即ち世界中の全ての出来ごとは、全人類のカルマ(或いはサンスカーラ)が紡ぎ出したこの『世界』或いは社会という舞台上で、個々人が夫々の肉体(プラクリティ)を通じて演じている壮大な『劇』に過ぎず、自己の本体であるアートマンはそれを唯見ているだけであるという意味である。

ここで問題を提起したい。先ずその一は、その世界劇場で演じられている『劇』には定まった「シナリオ」が有るのかどうか、である。

以前本ブログの第6章③世界劇場を執筆していた当時、筆者はそんなことは考えても見なかった。ところが、本ブログ第15章⑩運命で説明した通り、全ての人の運命が定まっており、この地球の行く末はその個々人の運命の総和であるとするなら、この世界劇場の「シナリオ」も定まっているということになるのではないだろうか。

突然話は変わるが、以前本ブログの中で、マイケル・ドロズニン(ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルの元記者、以下著者)の『聖書の暗号』(以下、同書)という本を紹介した記憶がある。ここでその内容を詳細に説明するつもりは無いが、ヘブライ文字で書かれた聖書をコンピュータで並べ替えると、例えばヒロシマという言葉と、1945(年)という言葉が一緒に出てくる他、イスラエルのラビン・首相の暗殺がその日まで正確に予言されていたということである。更に、イスラエルの32名の高名なラビの名前と、その生年月日・没年なども暗号化されているという。つまり、聖書には未来におこる出来事が全て事前に暗号化され、載っているのだという。

そこで、以前読んだ同書を斜めに読み返して見たところ、著者がイスラエルを訪問した際、あるイスラエルの数学者、エリ・リップスが湾岸戦争勃発の正確な日付を聖書の中に発見したとの話を聞き、その彼と面会した時のことを次のように記録しているので引用したい。

「リップスは書棚から一冊の本を引っ張り出し、『ヴィルナの天才』と呼ばれる、18世紀の賢者の言葉をわたしに読んで聞かせた。『かつてあったこと、いまあること、そして、時の終わりまでにあるであろうことのすべてが、最初の言葉から最後の言葉まで、旧約聖書に収められていると定められている。一般的な意味においてばかりでなく、あらゆる種と全ての個人の詳細についても、また、誕生から死までに起こる全てのことの細部の詳細についても』 わたしは書斎の机から聖書を取り上げ、湾岸戦争がどこに記されているか教えて欲しいとリップスに言った。聖書を開くかわりに彼はコンピュータに向かった。『聖書の暗号は一つのコンピュータ・プログラムなんです』と彼は説明した。コンピュータの画面には、クロスワード・パズルのようなかたちで五色に塗り分けられたヘブライ文字があらわれた。リップスは私にプリントアウトを渡した。『フセイン』、『スカッド』、『ロシア製ミサイル』が全て創世記に暗号化されていた。・・・『アブラハムとまわりの王国との戦争の物語がある創世記の14章で、“セバテ3日に発射”という日付を発見しました。』リップスはコンピュータから顔をあげた。『このヘブライ暦の日付は、1991年1月18日に当ります』と彼は説明した。『イラクが最初のスカッド・ミサイルをイスラエルに発射した日です』 『どれくらいの数の日付を発見したんですか?』と私は訊いた。 『これひとつだけです。戦争のはじまる三週間前に』と彼は答えた。 『しかし、ミサイルが1月18日に発射されるということもそうですが、いったい誰が三千年も前に湾岸戦争が起こることを知っていたのでしょうか』 『神です』」

因みに、同書においてアインシュタインとニュートンの言葉に関する記述があるので引用する。

「アインシュタインは言った。『過去と現在と未来との区別は、いかに根強いとはいえ、単なる幻想に過ぎない』と。時間はそうみえるものとはまったくちがう、とアインシュタインは言った。それは一方向だけに流れているのではなく、未来は過去と同時に存在しているというのである。この宇宙の法則を発見したもう一人の偉大な物理学者、ニュートンは、未来は既に存在していると言っただけでなく、未来は前もって知ることができると信じ、それを明らかにする聖書の暗号を自ら探し求めた。」

それでは、この点即ち人(或いは人間社会)の運命は既に決まっているのかどうかに就いて、聖典バガヴァッド・ギーターは我々にどのように語りかけているのだろうか。残念ながら、そのものズバリの表現は無いようだが、以下の部分はクリシュナ(ヴィシュヌ神でもありブラフマンでもある)がその真の姿をアルジュナの前に顕現したときの描写であり、人の運命が既に決まっていることを暗示している(蛇足ながら、このブラフマンの描写は、ヨハネの黙示録第1章14~18節における記述と酷似していることにも筆者は驚いた)。

何と言う強大な御方か 数えきれぬ顔と
目と腕と股と足と原と そして恐ろしい歯と -
あなたの言語に絶する姿を見て
三界は私と同じように畏れおののく (第11章23節)

一切処に遍在するヴィシュヌよ  (筆者註:クリシュナはヴィシュヌ神の顕現)
様々な色の眩い光を空に放ち
無数の口を大きく開き眼は爛々と燃えさかる
あなたの姿を見て私の心は恐怖にゆれ動く    (第11章24節)

神々の支配者たる至上主よ 全宇宙の保護者よ
何とぞ私を憐れんで慈悲を与えたまえ
激怒した死神のような御顔とすさまじい歯を見て
私は恐怖に見がすくみ どうしていいかわからない  (第11章25節)

ドリータラシュトラ*の息子たちも    (筆者註:敵軍の大将)
彼らと同盟した諸国の王たちも
ビーシュマ ドローナ カルナもみな・・・・・  (筆者註:敵軍の主要なメンバーや将軍)
ああ そして味方の将軍 戦士たちもみな・・・・・  (第11章26節)

あなたの恐ろしい口へとなだれ込んでいく
そして そのすさまじい歯にかかって
頭をバラバラにかみくだかれ
押しつぶされて四散するのが見える   (第11章27節)

地上に流れる数多(あまた)の河川が
ことごとく大海に呑みこまれるように
王も英雄も戦士たちもすべて
あなたの火焔の口にとびこんでいく  (第11章28節)

燃えさかる炎のなかに
蛾の群れがとびこんでいくように
人々は全速力をあげて
あなたの口の中に走りこんでいく  (第11章29節)

おおヴィシュヌよ 八方から来る人々を
あなたはすべてむさぼり食っている
焦げる程の光輝で全宇宙を覆う
恐るべき姿をあなたは顕された -  (第11章30節)

神々の中の神よ 何と恐ろしい御姿か!
あなたは誰なのですか? 何とぞ私に慈悲をたれ給え
万有の始祖なる至上主よ 私はあなたについて知りたい
あなたの御意思(おこころ)が私にはわからないのです  (第11章31節)
[至上者(バガヴァーン)こたえる]
わたしは“時*(カーラ)”である    (訳註:死、運命も意味する)
もろもろの世界の大破壊者である
わたしは人々を滅ぼすために此処に来たのだ
お前ら兄弟を除いて両軍の将兵は全て殺される  (第11章32節)

故に立ちあがれ 戦って栄誉を勝ち取れ
敵を征服して王国の繁栄を楽しむがよい
わたしは既に彼らの死を決定したのだ
弓の名手よ ただ“戦う道具”となれ  (第11章33節)

ドローナ ビーシュマ ジャヤドラタ カルナはじめ
他の豪傑たちの命は既にわたしが奪った
故に彼らを殺しても決して悩むことはない
ただ戦え お前は勝って敵は滅びるのだ   (第11章34節)

即ち、敵方の将軍たちの死については既に運命(クリシュナ=ヴィシュヌ神=ブラフマン)が決定している。従って彼らを殺したとしても、それはアルジュナが自らの運命に従って行動した結果、死すべき者たちを然るべき時に葬っただけであり、決して悩むことは無いと説いている。

それでは、運命は決して変わることはないのか?これが、二つ目の疑問である。この問題に就いて、ラマナ・マハルシは運命を変えることはできないが、唯一、人が持つ自由は悟りを開き、解脱することのみであると云う(本ブログ第15章⑩参照)。
それでは、パラレルワールドを選択する自由に就いてはどうなのだろうか? 残念ながらラマナ・マハルシがパラレルワールドという概念を持っていたかどうかについて知る由もないが、これについては、マイケル・ドロズニンが同書のなかでこう述べている。

「なぜ聖書の暗号は、最終的結果を、現実となる唯一の未来だけをわれわれに語るのだろうか。『すべては予見されているが、しかし、行動の自由は与えられている』と、旧約聖書の律法についての古代の註釈書、“タルムード”は述べる。ほぼ二千年にわたって、賢人たちは、もし神がすべてをあらかじめ知っていたとしたら人間の自由はありうるか、というパラドックスについて議論してきた。・・・その後、私はこのパラドックスをめぐってエリ・リップスと議論した。『予見されていることが変更可能かどうか、私にはわからない』とリップスは言った。 「“タルムード”のあの有名な言葉には二通りの読み方があるのではないかと私はリップスに言った。第一は、われわれには自由意思があるが、われわれが選択する行動は、それを実行する前に知られている、という読み方。『予見されたことをわれわれが変えられるとは思えない』とリップスは言った。『なぜなら、われわれが行う変更もすべて、神にはあらかじめ判っているからだ』 リップスは続けた。『以前は、我々の未来は予見されていると思っていたが、聖書の暗号を研究して、それとは別の考え方もあると考えるようになった。つまり、ありうべき未来はすべて予見されていて、そのなかからわれわれが選ぶのだ、と』」

以下、ここでの説明を判り易くするため、若干引用の順序を変更させて頂く。

「『延期』は『世界戦争』とも一緒に書きこまれている。2000年と2006年の暗号が記されている場所で、秘文は『私は戦争を延期する』と述べている。それは『終わりの日』とも一緒に書きこまれているのである。」  (筆者註:要は、聖書の予言は何通りかの解釈が可能になっている個所も有るということである)

「なぜ聖書の暗号は、一つの現実の未来だけを語らないのだろうか。現実となる未来は一つだけではなく、多くの可能な未来(筆者註:パラレルワールドを指すと考えられる)があるというのが、それに対する答えである。」

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