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PIIGS危機は、英国、ドイツ、フランス危機と同じ意味

2011年07月22日 22時47分22秒 | 金融危機


ギリシャの2次支援が決定したそうだ。
総額18兆円で、今回は民間金融機関も、その中から5兆円強を負担す
ることで合意した。
このことから、同国を含めたPIIGS諸国の国債利回りが低下し始めた。

しかしこれも一時的な現象であることは間違いない。
去年5月に実施されたギリシャへの1次支援前までは、PIIGS諸国の
国債利回りは急上昇していて、支援が決まってから低下していった。
だから今回もしばらくたってから再び上昇するだろう。

その大きな理由が、スペインやイタリア経済の危機である。
このことが、ユーロ2大経済大国の首脳を忙しくさせている。
ギリシャの最大融資国はフランス。 そしてタッチの差でドイツだ。
フランスの大統領とドイツの首相が金融危機後、頻繁に電話で話し合っ
たり、会談したりしているが、これは両国の関係を友好的に築くためで
はない。
PIIGS諸国の危機が、頭文字の通り、最後のイタリアまで波及したこと
から、まさに自分たちの身の危険まで及んでいるからだ。

ギリシャ以外にもアイルランドの問題が控えている。
アイルランドの融資額では、英国とドイツが最も巨額である。
日本も2兆円ほど融資している。
だから日本もアイルランド支援の一環として、欧州金融安定化債の2割
相当(1120億円)の購入を決めたのだ。
それでも英国やドイツの融資額と比べれば、わずか9分の1程度である。
いかに凄いかがわかる。

そしてイタリアである。
イタリア危機の影響で最も損失を受けるのが、何を隠そうフランスだ
最大の融資国であることも大きな理由であるが、とにかく額がハンパで
はない。
フランスのイタリア向け融資は、何と5110億ドル
なんとフランスGDPの2割にも相当するのだ。
最近になって資金回収を急いでいるだろうが、一国としてはあまりにも
巨額過ぎる。
ちなみに2位のドイツでも約1900億ドルだ。
3位の英国は約770億ドル。
いかにフランスが無謀な融資をしていたかがわかる。

国債にしても銀行融資にしても、債務国だけでなく、貸し付けた側にも
責任が大きい。
利害関係国同士は、まさに一蓮托生である。
ギリシャへの2次支援のタイミングは、まもなく急激な資金回収が襲っ
てくることへの緊急対応という意味もある。
なぜなら去年の1次支援の時期とはやや異なっている。
米連邦債務の上限問題が法案で否決されたら、ギリシャはひとたまり
もないだろう。
だから選択的デフォルトについても、事実上の合意を得たというわけだ。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者



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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-07-23 00:18:54
ギリシャだけでこの騒ぎなのに・・・EU終わってますな。

結局共通通貨って、貿易黒字国の信用で貿易赤字国が貪っただけの結果に終わりそうですね。

脳や体に汗水流して生み出した付加価値が、怠惰な豚に食い散らかされるなんて、なんて馬鹿馬鹿しいことだろう。

アジア共通通貨なんてやってたら、日本が独仏の立場になってたんでしょうね。
反日基地害国家養うなんて悪夢以外の何物でもない。
返信する
Unknown (J2)
2011-07-23 03:46:16
ギリシャの騒ぎはユーロ安のためにやってるようなものですね。

最後にはドイツが助けるでしょう。

http://markethack.net/archives/51752884.html

ユーロ通貨ができた経緯がのブログに載ってます。
返信する
Unknown (ヒルザー)
2011-07-24 02:04:59
案外フランスも、予想より早く堕ちそうですね。
3年前のサブプライム危機は、各国でドル不足を招きました。
サブプライム証券はドルベースで売買されていましたから。

しかし今度は、ユーロ建てで取引きされた国債などがメインです。
圏内でソブリンリスクが一気に拡大しそうです。
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通貨:ユーロとは「罠」だったのではないでしょうか? (おっさん)
2011-07-24 12:21:08
ギリシアという国家を通貨:ユーロの中に含めているのは、ヨーロッパの「ギリシア哲学礼賛病」の行き着く先だったのでは?と思います。

今のヨーロッパの知的なものの出所はギリシア哲学という「誇り」が「勘違い」を引き起こしたのでしょう。

しかしギリシア危機もギリシアオリンピック前後の莫大な建設費用が根本にあるとなると、結局「ユーロによるツケ払い」を可能にした時点で、ヨーロッパの側にも責任があると思います。

大体、ユーロ導入は「景気の良いギリシアオリンピック」を開催するのに苦もなく金を持って来れるという為にあったとも言えます。

ドイツが面倒を見てやるとの事ですが、ギリシアオリンピックの建設に関してドイツがどれだけ旨味を得ていたか?と聞かれると黙るのではないでしょうか?

ギリシア単体では、到底借れるわけのない「外国の力」で通貨を融通して、ギリシア単体では作れない設備を「外国の力」で作って、ギリシア単体では運営できない有様になっているのです。現状では手に余る設備の状態にして、あとはギリシアの責任というのは、何とも近視眼的であり、土建国家:日本と何ら変わらないのではないでしょうか?

これでは危機が発生するのを手をこまねいていた待っていたといわれても仕方がないでしょう。

思えば日本のバブルの時の愚劣なデベロッパーや金融関係者の姿と重なります。
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ドイツもいつまで元気でしょうか? (ヒルザー)
2011-07-24 23:23:14
いずれドイツの危機が顕れれば、PIIGS救済もできなくなるでしょう。
ユーロ安で恩恵を受けるのは、貿易が中心ですから、これが債券市場に波及してくれば、
いよいよ焦げ付いてきます。

サブプライム証券を主に販売していたのは、欧州ではドイツ銀行です。
またGDPの半分を輸出に頼っていますから、たとえ競争力のあるモノ作り国家でも、
世界経済が悪化していけば、最も危機に堕ちるのもドイツでしょうから。

いつまでもPIIGSの面倒をみれることはできないでしょう。
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