庭の四季

川崎市の市井人による、休日の庭仕事の記録です。たまに、肺癌についても書きます。

時事問題風の数学問題(セシウム137の減衰)

2013-12-15 12:36:46 | 数学

日曜日の朝は息子の数学の勉強です。
今回、印象深かった問題を一つ。
先の大震災の翌年の入試にセシウム137の減衰に関する問題を出題した大学が有りました。

まず、セシウム137の半減期は与えられた①式を変形して簡単に求められます。
概ね、30年の半減期である事は、原発事故当時に盛んに報道されていました。
本題はマークシート方式の問題なので、時事問題に敏感な文系の受験生は、知識から正答したかもしれません。 

続いて、半減期が30年であるセシウム137が、概ね10000分の一以下の量に減衰するのに必要な期間を求めさせる問題です。
30年の半減期が如何に問題なのかが切実に理解できます。
カルシウムと似た化学的な性質をもつセシウムが人体に取り込まれると骨に蓄積され、そのセシウム137は、β線を、その人の生涯に渡って放射し続けます。 
数学の問題としては基礎的なものですが、考えさせられる問題です。 


文系受験生を悩ます論証問題

2013-08-04 14:03:02 | 数学

勤務先の夏休みの初日に息子と数学の勉強。

息子が通っている予備校の夏期講習テキストに、またまた受験生が困りそうな問題がありました。

ちっと、文系のレベルを超えていると思い、回答を作ってみました。

S台予備校のテキストでは、「論証」というくくりでまとめられている問題です。

要は、平面上で(x,y)の領域が与えられ、その(x,y)の取り得る条件下で、「x+y」の最大値を求めなさい、、、

という問題です。

たいがい、(x,y)の取り得る「領域」は、受験生にも容易に図示できます。

例えば、「x+y」の最大値を問われれば、

x+y=k

と置き、これを

y=-x+k

と変形し、y切片が「k」で、傾きが「マイナス1」の直線(一次関数)と考え、

平面上に描いた「領域」を、直線が通過するときの最も小さなy切片を求めれば、これが「x+yの最小値」となります。

 

ところが、このK大の問題で与えられた「領域」は、

x^2 -2xy +2y^2 = 4 ・・・①

で、「-2xy」が邪魔になって、見慣れた楕円の式

(x/a)^2 + (y/b)^2 = 1

に変形できず、「領域」を図示できません。

実は、「xy」項が入ると、下図のように楕円が回転します。

なお、回転した楕円の作図が課題でないため、下図の楕円の傾きは正確なものではありません。

この楕円の作図は、理系でもなかなか出来ないので、どう解こう(汗)、、、となります。

 

結論は、やり慣れた図形的な検討からの解答ではなく、

x^2 -2xy +2y^2 = 4 ・・・①

y=-x+k

を代入して、xの二次方程式(係数にkの式を持つ)とし、判別式をたてます。

判別式≧0

とすると、kの範囲が得られます。

このkの範囲の上限が、「x+y」の最大値となります。めでたし

 

因に、下が自分用の自宅数学教室用セットです。

パイロットのボードマスターの、「書き味」と「消し味」が気に入り、

ネット通販で、替芯と替えインクをまとめ買いしました。

あと、一本だけ横向きの白い棒は、狭い勉強部屋でも威力を発揮するレーザーポインタです。


フィボナッチ数列

2013-07-14 21:58:09 | 数学

ここのところ、日曜日は朝から息子と数学の入試問題を解いています。

今朝は2013年の上智大/経済の問題で印象に残る問題がありました。

数列の問題ですが、一般項や第n項までの式を求める問題ではなく、定められた範囲の和を求める問題で一見難易度は低いのですが、ちょっと考えさせられました。

数列{an}は、以下の漸化式:

a1=a2=1, an=an-1+an-2

で与えられ、これはフィボナッチ数列といわれる特別な数列です。

この数列の第n項から10項分の和を

q*an+r

の形で答えなさいという問題でした。

 

この問いの前問が、同じ数列の第n項から6項分の和を求めなさいという設問で、穴埋め問題で答えを誘導していますが、この問題を参考にして本問を解こうとしてもうまく行きません。

 

そこで、以下のようにフィボナッチ数列の性質を活かした答案を考えてみました。

ネットに公開されている、T進ハイスクールの模範解答より判りやすいと思っています。

因に、息子はフィボナッチ数列の名前だけは、映画「ダビンチコード」で知っていましたが、晴れて自分で解くはめになったのでした。