結局丸一日後とか遅筆過ぎだわ……。
クラウちゃんお借りして、未来ネタです。
その匂いに気付いた瞬間、動けなかった。
普段ならほとんど反射に近い反応が起こるのに。
体に染み付いた行動が起こらなかったのは、ショックだったから。
クラウディアの「体から」匂いがしたのが、悲しかった。
まだほんの微かな、だがひっそりとではあっても間違えようのない死の匂い。
――伝えないと。
そう思ったのに、
「……さん」
呟くような声しか出なかった。
息を吸い直し、もう一度呼ぶ。
「……クラウディアさん!」
「ん、ナーニ? あ、クロチェ、どうしたノ?」
屈託なく振り返り、歩み寄って来る。
その仕草は出会った頃と変わらず無邪気だ。
言葉にするのが躊躇われたけれど、意を決して重い口を開く。
「少しだけ……死の匂いがする」
「……そう」
二、三度瞬いた後、クラウディアは静かに呟いた。
沈黙に耐えかねてクロチェが言葉を重ねる。
「でも、まだほんの少しだから……すぐにって訳じゃ、ないから」
だから?
だから、なんだというのか。
「……体には、気を付けて……」
こんな無力な言葉はない。
それでもクラウディアは笑って頷いた。
「うん、ありがとネ」
「……」
やるせない。
こういう時、自分は無力だと思い知らされる。
そんなクロチェを見かねたのか、クラウディアは殊更明るい口調で言う。
「もーっ、クロチェがそんな顔する事ないノニ。だってボク、幸せだヨ? とーっても、幸せなんだカラ!」
「……そう、だね」
彼女の言葉に嘘はない。
クラウディアが「幸せ」と口にする時、声は弾み、満面の笑みで。
その言葉が輝いているように思えた。
でも、だから。
「ずっと、そういう風に幸せでいてほしいよ……」
クロチェが願う事。
生きている人には幸せでいてほしい。
そして出来るだけ長く生きてほしい。
誰だっていつかは死ぬとわかっているけれど、沢山の死を見てきたからこそ願わずにはいられない。
命が少しでも長く続くようにと。
それからしばらくして再び会った時には、幸いにも匂いは消えていて。
その事を伝えた際、クロチェはもしかしたら本人よりも安堵していたかもしれない。
以上、未来ネタでした。
一度はしていた匂いが消えたのは、トパーズさんのおかげというつもりで書きました。
便乗すみません。
死の匂いを感じ取る為にどうしても思考がそっちに寄りがちなクロチェにとって、幸せだと笑って生きるクラウちゃんのような存在は救いなんだろうなぁと思いました。
余談ですが、十年後のクロチェは今より表情豊かになってます。
でもその代わりほとんど泣かなくなりました。
いつの間にか日付変わってる!
眠いので寝ますー。
明日(もう今日か)は卒業式の予行だっ
クラウちゃんお借りして、未来ネタです。
その匂いに気付いた瞬間、動けなかった。
普段ならほとんど反射に近い反応が起こるのに。
体に染み付いた行動が起こらなかったのは、ショックだったから。
クラウディアの「体から」匂いがしたのが、悲しかった。
まだほんの微かな、だがひっそりとではあっても間違えようのない死の匂い。
――伝えないと。
そう思ったのに、
「……さん」
呟くような声しか出なかった。
息を吸い直し、もう一度呼ぶ。
「……クラウディアさん!」
「ん、ナーニ? あ、クロチェ、どうしたノ?」
屈託なく振り返り、歩み寄って来る。
その仕草は出会った頃と変わらず無邪気だ。
言葉にするのが躊躇われたけれど、意を決して重い口を開く。
「少しだけ……死の匂いがする」
「……そう」
二、三度瞬いた後、クラウディアは静かに呟いた。
沈黙に耐えかねてクロチェが言葉を重ねる。
「でも、まだほんの少しだから……すぐにって訳じゃ、ないから」
だから?
だから、なんだというのか。
「……体には、気を付けて……」
こんな無力な言葉はない。
それでもクラウディアは笑って頷いた。
「うん、ありがとネ」
「……」
やるせない。
こういう時、自分は無力だと思い知らされる。
そんなクロチェを見かねたのか、クラウディアは殊更明るい口調で言う。
「もーっ、クロチェがそんな顔する事ないノニ。だってボク、幸せだヨ? とーっても、幸せなんだカラ!」
「……そう、だね」
彼女の言葉に嘘はない。
クラウディアが「幸せ」と口にする時、声は弾み、満面の笑みで。
その言葉が輝いているように思えた。
でも、だから。
「ずっと、そういう風に幸せでいてほしいよ……」
クロチェが願う事。
生きている人には幸せでいてほしい。
そして出来るだけ長く生きてほしい。
誰だっていつかは死ぬとわかっているけれど、沢山の死を見てきたからこそ願わずにはいられない。
命が少しでも長く続くようにと。
それからしばらくして再び会った時には、幸いにも匂いは消えていて。
その事を伝えた際、クロチェはもしかしたら本人よりも安堵していたかもしれない。
以上、未来ネタでした。
一度はしていた匂いが消えたのは、トパーズさんのおかげというつもりで書きました。
便乗すみません。
死の匂いを感じ取る為にどうしても思考がそっちに寄りがちなクロチェにとって、幸せだと笑って生きるクラウちゃんのような存在は救いなんだろうなぁと思いました。
余談ですが、十年後のクロチェは今より表情豊かになってます。
でもその代わりほとんど泣かなくなりました。
いつの間にか日付変わってる!
眠いので寝ますー。
明日(もう今日か)は卒業式の予行だっ
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