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Swallowtail

着物のこと。歌舞伎のこと。
私のもとにやってきた小さな命のこと。
新米ママが綴る日々の徒然☆

"赤江爆の「平成」歌舞伎入門”を読んで

2010年04月01日 | 歌舞伎
赤江瀑の「平成」歌舞伎入門 (学研新書)

歌舞伎の「入門」書は、歌舞伎初心者の私は大変お世話になっていて、
いろいろ目を通しているのですが、これは少しテイストが違いました。


大体入門書では、代表的な演目のあらすじや、見所の紹介、
役者の紹介などがまとめられて、
初めての観劇のハンドブック的なものが多く、
掲載されている情報量の多さに違いはあるものの、
格別ユニークな視点から見ているものなどは
私は出会っていなかったので、

私はこの本、気に入りました。

繰り返し語られていたのは

・「平成」歌舞伎の現状...
 群雄割拠していてそれを束ねるリーダーがいない

・役者の取り組みとして、新しいスタイルの歌舞伎や
 他の演劇の分野への進出がシフトされ過ぎている
 →「古典回帰」が必要

という二点でした。


今まで読んだ本は大体、
徹頭徹尾「歌舞伎礼賛」が多かったので
体制に対して、ここまではっきりと著者の意見が書かれているのは
新鮮でした。

とはいえ、伝統的な技の継承と同じくらい、
進化発展していくことというのは
文化には必要だと思います。

それは、テクノロジーの進化と同じで、
表裏一体のものだと思います。
進化することによって、失われるものも多いけれど、
ここまで進化したものの歩みを止めるのは、
ある意味、とても罪深いことのように感じます。

私自身としては、「新しいスタイルの歌舞伎」をあまり見たことがなく
意見を言えるほど、自分の考えは練れていません。
(DVDで見た「研辰の討たれ」は面白かった。
...これって歌舞伎?なのかな?と思ったけど)

私の中の、今後の研究課題にしたいと思います。


多いに共感したのは、観客に関する項です。

観客が居なければ芝居は成り立たないわけで、
こちらも成長が求められるのですが、
まずはじめての観劇は、「徒手空拳」で臨んでいい、
ということが書かれていました。

まったく勉強せず、まっさらの状態で観ても、
歌舞伎というのは、見る人の心がわしづかみにする魅力がある。
それだけの厚みがある、というのです。


これは私も納得。
実感としてあったということがひとつ目の理由。
ふたつ目には、私の周囲にも「歌舞伎見てみたい」んだけど、
「見に行けない人」(と自分で決めてる人)がすごく多いんです。


一緒に見に行こうよ!と誘うと
「でも、勉強してかないと、分からないから面白くないでしょ?」
という答えが大体返ってくるのです。
だから、そのうち...勉強したら...ということになっちゃう。

ちょっと待った!
仕事に、趣味に、婚活に、とお忙しい欲張りなお嬢さん方。
そのうち、そのうち、と先延ばしにしていて、

それで一生歌舞伎観ないことになったら、本当にもったいない
んですよ


現地に行ったら、筋書きも買えるし、イヤホンガイドもある。
その人によって、心をつかまれるポイントだって違うのだから、
一回見に行って、それから勉強したっていいと思います。

以前のBlogで書きましたが、→
外人さんが感動してた姿を観て私もうれしくなったことがあります。


本当に、初めて観る歌舞伎の感動ってすばらしいですよ。
言葉が分からなくても、なにも知らなくても、
目がキラキラしちゃうような魅力があるのですから。


これを読んでる歌舞伎未体験の友人たちよ。
外に出よ。歌舞伎を見よう。
そして一緒にハマりましょう。

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本日のレッスン ~<超>初心者向け歌舞伎講座~

2010年03月27日 | 歌舞伎
第二部を見終わったあと、同行した父とトンカツを食べに行きました。

父と歌舞伎のこと話しながらゆっくり食事するのってほとんど初めて。
大体いつも幕間にお弁当かっこんで、終演後はお茶だけして帰る感じです。


で....蓋開けてみたら「ゆっくり食事」どころじゃない。
トンカツ屋で歌舞伎講座が開幕してしまいました。


特に、弁天娘女男白浪のツラネに掛詞がどれくらい盛り込まれているか、
という話でヒートアップ。


さすがに白浪五人男の全員分は終わらなかったですが
日本駄右衛門、弁天小僧菊之助、南郷力丸の3人分を説明してくれました。

メモもとっていなかったので、
文章にできるほどは覚えてはいないのだけど....
とても面白かったので一部だけでも書いておきます。



<口上> 南郷力丸


どんじりに控えしは、潮風荒き小ゆるぎの磯馴の松の曲りなり、
人となったる浜そだち、仁義の道も白川の夜船へ乗り込む船盗人、
波にきらめく稲妻の白刃に脅す人殺し、背負って立たれぬ罪科は,
その身に重き虎ヶ石、悪事千里というからは
どうで終いは木の空と覚悟は予て鴫立沢、
しかし哀れは身に知らぬ念仏嫌えな南郷力丸。



<掛詞>

☆「磯馴の松」:浜辺などによく見られる、潮風にあたって低く傾いてしまっている松
       力丸の生い立ちがよくない環境でグレてしまった状況を連想させる

☆「船盗人」の仕事場が川→「白川夜船」よく眠っている様を表すことば→
       船に乗った人がぐっすり眠ってる間に悪事を働く情景を連想させる

☆「重き」罪科を受けて「石」→「虎ヶ石」→地名「大磯」をかけている
 ※虎ヶ石:神奈川県大磯にある。曽我十郎の恋人の「大磯の虎」が
  嘆き悲しんで泣いているうち固まり、石になってしまったという由来がある


☆「鴫立沢」:「大磯」にある渓流
      この言葉から、この地で詠まれた西行法師の句、
      「心なき身にも哀れは知られけり鴫立沢の秋の夕暮れ」
      を連想させる。

これをうけて、
「西行法師様はそういったかもしれないけど、
オレ様(力丸)は哀れなんざ知らねえよ」
=「念仏嫌い」という言葉が引き出されている



 「鎌倉が舞台だから、鎌倉の地名がふんだんに盛り込まれてるんでしょ?
 髪を島田に由比ガ浜とか。」
くらいしか分かってなかった私は、これを聞いて衝撃を受けました。

掛詞が全部分かったら全然面白さが違うじゃないか~!

今の私は、キレイ、たのしい、筋立てがおもしろい、役者がかっこいい!
という感覚で歌舞伎を見ていて、それらもすごく楽しんでいます。

今回この説明を聞いて、また新たな楽しさを知りました。
深遠なる歌舞伎の世界の楽しさを、覗かせていただけた気持ちです。

以前より、複数の「この道の先輩」達から異口同音に言われていたことだけど
歌舞伎は本当にいろんな角度から楽しめるのをこの日実感しました。

もっともっと勉強したら、もっともっと楽しくなる!
いろんな楽しさを知りたい、いろんなページを覗いてみたい!と思いました。


第一回目歌舞伎講座は、話すほうも夢中、聞くほうも夢中。
揚げたてトンカツと瑞々しいキャベツもやっつけなきゃいけないし.....
と、大忙しでした。


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御名残三月大歌舞伎 第二部

2010年03月27日 | 歌舞伎
待望の!待って待って待った
三月第二部、見てきました。
この三週間というもの
何度もうっかり幕見で見てしまいそうになる自分を抑えつつ…
よく我慢した!偉いぞ自分!

お芝居を見て心に残ったことを書きます。


筆法伝授

梅玉さんの武部源蔵。
妻戸浪を伴って花道から登場するときの
水無瀬の案内に従い、丞相の部屋に進むときは
暗転して場面転換するのではなくて、
回り舞台で移動中の表情をずっと捉えることができるので
高まって行く緊張感が伝わってきました。
平伏する姿がとてもきれいでした。



仁左衛門さんの菅丞相は超然としていて、
美しく、後光が見えるかと思うくらいでした。
東蔵さんの希世が源蔵の邪魔をしているときにも
菅丞相が気になってついつい見てしまいました。
東蔵さん好きなのに…



気になるキャラクターだったのは戸浪です。
私はどうしても女性に感情移入して観てしまうよう。

園生の前との間にある信頼関係、ひいては菅丞相への忠誠心…
特に、「おなじとがでもこなたは幸せ…」といって悔し泣きする場面や、
希世を机に縛り付けるときなども、「妻よ」と声かけられると即加勢しちゃう。
しまいには懐剣で立ち回りしてしまう!(相手は脇差持ったお侍さんですよ!)

情に厚くて、涙もろくて、勇猛果敢。
魅力的なヒロインだと思いました。


弁天娘女男白浪
菊五郎さん….弁天小僧だってバレてからの開き直りや
吉右衛門さんの四十八(南郷力丸)との息のあった掛け合い…
見ていて気持ちよかった。
今まで見た菊五郎さんのお芝居は、
忠臣蔵の勘平も義経千本桜の狐忠信いずれも良かったけど
見るたびに違う魅力発見です。

勢揃いの場では吉右衛門さんをひたすらガン見です。
とにかくかっこいいのひとこと。
写真買いに走ったけど、売り切れでした(TT)

しかし、筆法伝授で直垂が落ちるのとか、
「弁天娘~」でお浪のつまみ簪が落ちるのとか、
よくタイミングとれるな~。
なにか仕掛けをしてあるのだろうか。
そして、弁天小僧がキセルをくるくるくるくる回すの。すげー!
などなど細かいところばかり気になってしまった。


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たはむれに....

2010年03月23日 | 歌舞伎
尾上菊之助さんが色っぽいという話を以前Blogで書きましたが
それは歌舞伎を見るようになるずっとずっと前から思っていたことで。

たとえば、何年か前にOAしていた、
お姉さまの寺島しのぶさんと共演したカレーのCM。
寺島しのぶさんとともに、色っぽすぎて....

カレーでいいんですか?
子供もおとなも皆大好きな、日本のおうちのカレーで。
おとな専用の食べ物じゃなくって?
と思ったりして。

2006年リメイク版のほうの「犬神家の一族」では
お母様の富司純子さんと母子役で共演されていました。
戦後の混乱期、戦地から引き上げてくる軍人さんを待つ
いわゆる「岸壁の母」を富司さん、その息子を菊之助さんが演じていました。

ちなみに、私は、富司さんの出演作はあまり見たことがなかったのですが
「犬神家~」と同じく2006年に公開された「フラガール」を見て、
啖呵の切り方&きっぷのよさに瞠目して以来のファンであります。

話を戻すと...
劇中でも実の母子役の2人が再会し、事件の真相が分かるシーン、
菊之助さん、ただ居るだけで色っぽいのです。
筋とは関係なく、なにやらイケナイ雰囲気がムンムンでした。

生まれもって備わっている色気が
バンバン出ていて抑えきれなくなっている!
と思いながら見てました。

「犬神家の一族」では、犬神家の家宝である「斧琴菊」に
なぞらえて殺人が起きていきます。
斧琴菊ときたら尾上菊五郎の役者紋様なので、
菊之助さんが悲劇の主人公である「スケキヨさん」役を演じたのかしら。

でも、私のなかのイメージでは海老蔵さんがスケキヨ役者的のような気がする...

と思って他の役も歌舞伎役者で、勝手にキャスティングしてみました。
その役者さんのイメージが役にあっている、ということではなくて
この人ならどうゆう風に演じるのか見てみたい!と思った役者さん、ということです。


★目の見えないお琴の師匠=芝翫
見えてないといいながら、本当は全部見えてるのでは?と
思わせる演技を見せてほしい

★スケタケ(スケキヨの従兄弟で菊人形化)=松緑
押しが強い性格の登場人物。登場場面は少ないけれど、
強い印象を残す演技ができそう

★スケトモ(スケキヨの従兄弟でボートでヒロイン珠世を浚おうとする)=七之助
きれいな顔してずるい男、でも詰めが甘い!
みたいな感じでお願いします

★金田一耕介=勘太郎
ひょうひょうと演じてほしい

★下男の猿蔵=幸四郎
The 野生!

★犬神佐兵衛=吉右衛門
06年度版映画ではあまり詳しく描かれていないけど、
とても複雑な背景を背負っていた登場人物。
その心の中の闇を演じきってくれそうだから。

富司純子さんの松子夫人('06年版)&坂口良子さんの旅館女中('76年版)は
据え置きで。

すべて戯れなる妄想のアウトプットでありますので、
なにぶんご容赦を賜りたく。


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御名残三月大歌舞伎 第一部

2010年03月19日 | 歌舞伎
今月は来週の第二部のチケット取ってるのですが、
時間ができたので、

(というより待ちきれなくなって、というのが正しいw)

4月のチケット引取りついでに、
第一部「楼門五三桐」と「女暫」を幕見してきました。

帰り道はスキップになりそうなほど
楽しい演目でした。


「楼門五三桐」は幕があくと、一面桜の書割に、浅葱幕。



いきなり話がそれますが、ワタシ、浅葱幕が好きです。
これから始まるぞーみたいに気持ちが高まるというか...

というより....
うーん、うまくいえないですけど...

「これは無の空間ですよ」というお約束。
それを受け入れることによって歌舞伎の世界に
生かせてもらえるというか...
私もお芝居のうちに入れてもらえるというか。

実際は、見てるだけなんですけどね。
とにかくあの幕を見ていると、
不思議な高揚感、歌舞伎座の舞台と全席とが
一緒になるような、一体感、のようなものを
感じます。



さて、浅葱幕が落ちると、さらに華やかな世界。
桜が散る中に、「でっけえ」石川五右衛門がいました。
「万万両」という、「あの」セリフを聞いたときに
「あ、あのセリフ!言った!」と思ってまた感動。

あのー、セリフだから言うの当たり前なんですが(^^;)
とセルフつっこみを入れたいくらい。
でも「あの」お芝居を自分が見てる!というのを実感して、
一人興奮してました。

近くに外人さんご一行さんがいたのですが、
山門がせり上がるときに、
「Wow!」というびっくり声が上がりました。


先入観なしにフレッシュな感覚で見るというのは
ほんとに一回だけしかないので、
良かったね!って言ってあげたくなりました。
「そうなのよ、すごいでしょ?歌舞伎ってかっこいいでしょ?」
って、話しかけそうになりました。
実際はそんな暇ないですが。

菊五郎さんの真柴久吉は気品たっぷりでした。
手裏剣を柄杓で受けるところは、瞬間よく見えなくて、
「え?すごい」と隣の外人さんご一行と同じ反応しちゃいましたよ(汗)

天地の見得は、私のいる幕見からだと五右衛門の表情は
見えなくて残念...


「女暫」も文句なしに楽しいお芝居でした。
玉三郎さんの巴御前の表情がりりしくも
女の子ががんばって
「ワタシ、つおいんだぞ~」といってるような
可愛らしさを感じました。

いつも思うのですが、菊之助さんは色っぽいですよね。
ただ座ってるだけでも漂う色気。
見習いたい....


舞台の上は極彩色の異空間です。
そして、まー、衣装がすごい。
本当に豪華な衣装が勢ぞろい!

登場人物の人数も多いですが、
それぞれの衣装が素敵でオペラグラスでガン見です。
菊之助さんの女鯰若菜、錦之介さんの衣装も気になりますが、
なんといっても巴御前!

襦袢は紅白市松。紅白の境目は金色です。金駒刺繍かしら?
紅白襦袢の上に、片肌脱ぎで
向鶴菱(若緑?のようなさわやかな色でした)の着物。
飛び柄で梅(よく見えなかったので....桜かも?)が
染め抜いてありました。
梅の色は鴇色のような優しい女性らしい色。

さわやかさできりっとした中にも可愛らしい女性の
エッセンスが感じられて素敵でした。


今日見た二つのお芝居ともに
歌舞伎ってきれいだな♪
歌舞伎って楽しいな♪
と満喫できる演目でした。

理屈抜きに楽しめる演目だと思うので
歌舞伎を今まで見たことない友達と
一緒に来れば良かった!と思った次第でございます。

そして...来週の第二部~。
早く見たいです。

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