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Swallowtail

着物のこと。歌舞伎のこと。
私のもとにやってきた小さな命のこと。
新米ママが綴る日々の徒然☆

情熱の光 -渡辺保さんの「私の歌舞伎座ものがたり」を読んでー

2010年03月16日 | 歌舞伎
2月の終わりのある日、実家の父からこの本が郵送されてきました。

200頁ほどの新書だけど、
書かれている役者さんのことなど
別書やネットで調べながら読み進めたので、
私の中で「やっと読み終えた!」という
清清しい読了感があります。

歌舞伎座の前身である改良座のことなどにも触れられていますが、
昭和26年の歌舞伎座再興以降の観劇の記録を中心に書かれています。

とにかく、役者の声の調子や型に細かく言及されていて、
その精緻な観察には舌を巻かざるを得ませんでした。


本文の中にもありますが、渡辺氏は観劇の際に
役者の動きなどを記録するノートをとっています。

氏が雑誌「演劇界」で連載している「私の歌舞伎遍歴」の中で、
尊敬する劇評家の著書の中で紹介されていた方法に倣い
中学二年生の頃に観劇しながらノートをとり始めた、
という経緯が書かれていました。


暗い劇場内で、芝居を見ながらノートを取るのは最初は要領を得ず、
5回通ってひとつの演目をやっと記録できたとあり、
私は、少年が膝の上にノートを広げて、
食い入るように舞台を見つめていた姿を想像しました。


その少年の内側には、燃え盛るような情熱の火があったのだろう、
そして、そのときの情熱を忘れずに
60年以上歌舞伎とともに歩まれた方なのだろうと思いました。



私も思わず、自分の初めての観劇のときのことを思い出しました。

歌舞伎座から、熱に浮かされたようにぽーっとなった状態で
家に帰り着いたこと。
電車の中でも筋書きを取り出して読んだり、
チケットの半券を眺めたり。


私の中に、小さい小さい情熱の火が点ったのは、つい最近のこと。
私なりの歌舞伎座ものがたりは始まったばかりです。



渡辺保氏のような明るい火をともすことは
誰にでもできることではないけど。
それぞれの違った火が光っているのだろうと思います。
私の中にも、歌舞伎座に集まるそれぞれの方の中にも。


ところで。


この本が送られてくるに先駆けて、
父から短いメールを送ってきていました。
渡辺保さんがどんなお仕事をされてきたかという紹介と
短い文章で簡潔に書かれた感想。


そして、次のような言葉で締めくくられていました。



「歌舞伎座がなくなるので、お別れの思いで書いた本ですから、
だれかさんの心境に通じるところもあるでしょう。 

では。 おやじ 」


だれかさん、というのは私だけですか?おやじさん。

と問いかけたくなりました。


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[吉右衛門] 六月博多座大歌舞伎 

2010年03月07日 | 歌舞伎
今日は着付学校の勉強会&試験。
心に残ったこと・気づきなど書きとめておきたいことが
あるので、別途Blogに書きたいと思っています。


今日はうれしいニュースが!


吉右衛門さんの4月以降の出演予定の情報があまりなくて、
寂しい....と思っていたのです....

が!

六月の博多大歌舞伎に出演予定です♪

共演は坂田藤十郎さん。演目は選定中とのこと。

自分は博多に見に行けるかどうか、はまた別のモンダイだけど、
好きな役者さんが活躍するのはうれしいです。

Sourceは歌舞伎モバイル。
「ご贔屓登録」で知りました。
この機能、いままで待ち受けダウンロードにしか
使ってなかったのだけど情報早くてイイ!
もっとチェックしよう。
歌舞伎モバイルの紹介ページ(歌舞伎美人内/PCサイト)はコチラ


ところで、

歌舞伎を見ない友達に「歌舞伎好きなんだ~」って話すと、
海老蔵さんとか染五郎さんのファンだと思われる私。
お二人とも若くてかっこいいし、華がありますもんね。
歌舞伎知らない人でも皆が知ってるし。

で、実際どうなのかというと。

好きな役者さんはいっぱいいるのだけど
私が歌舞伎モバイルで「ご贔屓登録」してる
役者さんは....

吉右衛門さん
富十郎さん
東蔵さん
高麗蔵さん

渋いね~!って言われます



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明日のはなまるマーケット

2010年03月01日 | 歌舞伎
今朝、はなまるマーケット見てたら、

「明日のゲストは市川染五郎さん
歌舞伎の大技も披露します!」
って言ってたので
即、録画予約しました。

歌舞伎の大技ってなんだろう~?
楽しみ~。

歌舞伎好きになってから、
歌舞伎の情報が自然と入ってきたり
事前に知らなくても、役者さんがテレビに出てるのを
偶然目にすることが増えました。

これって、以前も同じように情報は入ってきてたけど
見落としてただけなんだろうな~。


こうゆうのパラダイムの転換っていうのでしょうか。


見方を変えると、世界が変わる。
3Dメガネかけると立体映像になる映画「アバター」みたいに、
「歌舞伎メガネ」かけると歌舞伎の情報が目に付くようになる。

そうそう、メガネといえば。
いとうせいこうさんが 
(あっ、代名詞化...w失礼しました)
「美しいキモノ」で「東おとこのきものみち」という
ゲストと対談形式の記事の連載をされています。

最新号の春号ゲストは中村勘太郎さん。
東西のきものの着方の違いをテーマに、
伝統芸能での着付について話していらっしゃいて
興味深く読みました。

勘太郎さんが、対談の最後のほうで、
「ここから先は仁左衛門のおじさんに聞いていただいたほうが...」
と話しているので、次号はもしや仁左衛門さんが登場するのかな?

季刊なので次号の発売はまだまだ先ですが、楽しみです。


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二月大歌舞伎昼の部 一幕見

2010年02月28日 | 歌舞伎
明後日から3月公演が始まるので遅いっちゃ遅いのですが

実は私にとって、

初めての幕見体験!
そして...
初めて一人での観劇!
だったのです。私にとって、大切な経験になったので遅ればせながら日記に残します。

演目は「ぢいさんばあさん」

ほんとうは、友人と二人で見に行く予定だったのです。
高校生の頃に歌舞伎にハマった、という友人は、私にとっては大先輩。
いつもいろいろ教えてもらっています。
ところが、当日の朝、その友人から風邪をひいてしまったから今回はキャンセル!と連絡があり。
でもすっかり観劇モードな私は、「初幕見&初ピン観劇」にちょっとドキドキしながら歌舞伎座に向いました。

着付けのお稽古が終わって、急いで駆けつけた歌舞伎座には次の演目の幕見待ちの行列ができていました。
私が到着したのは2時少し前。2時半の開幕には十分に間に合うわ~!なんて思っていた私。甘かった...
誘導係りの方が、「すでに満員ですので、今から並ばれてもご覧になれない可能性がありま~す」と言っている...

げっ!そうなの?幕見ってそんなに前から並ぶものなの?
知らなかった~!知らなかった~!
しかも周りの人たち、みんな夜の部に並んでる!
うそーん、うそーん!
どうする私?!

と思っていたのですが、最後の最後、「あと一人!」って言われて、
なんとか立ち見で見ることができました!


お芝居は、幕が開いて仁左衛門さん&玉三郎さんが揃った瞬間
麗しい~!これが孝玉コンビなのね~!と
お二人が揃ったお芝居を見るのがはじめてだった私は
その美しさに驚愕でした。

衣装なんですが、伊織は若竹色の着流し。るんは菫色に花の丸の飛び小紋の着付けです。
春の季節、二人の若々しさと、子供も生まれて始まったばかりの親子三人の生活の新鮮さとにぴったりで、
思わず見入ってしまいました。
後で出てくる甥夫婦(橋之助さん&孝太郎さん)は紋付で、伊織が帰ってくる特別な日のお迎えだからなのかな?

そして、二人が再会する日。
るんがお輿に乗って登場したので、
伊織が不在の間、どんな生活していたんだろう?と不思議に思いました。
それは、すぐ後にるんと伊織のラブラブトークから分かって納得!

るんが小上がりから部屋に入るときに後ろ姿が見えたのですが、
銀髪を結い上げたその後姿から
37年間、丁寧に生きてきたその生活が見えるようでした。

新婚2年目で愛するダンナ様が他藩お預けになり、そのうえ我が子も亡くして
どんなにつらい思いをしたでしょう。
でも、やさぐれたり、楽なほうに流れずに、毎日地道に、誠実に生きてきた。
その結果が終生二人扶持!

るん、かっこいい~!!!!

女の心意気に泣けました。
まだ妻として新米の私は、学ばなきゃいけないな~!と思いました。

幕見も大変気に入りました!
4階からでも十分見れるし、立ち見で人いっぱいの自分のいる世界と
舞台の上の世界とのギャップも良くて。
そしてすぐ近くに大向こうの方々が....臨場感~!

3月は第二部を見に行く予定ですが、幕見もしたい♪



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