ウィーンわが夢の街

ウィーンに魅せられてはや30年、ウィーンとその周辺のこと、あれこれを気ままに綴ってまいります

オーストリア国鉄格安切符最新事情

2012-09-10 18:52:30 | ウィーン
8月10日、金曜日

前日に続いてこの日もバーデンの Sommerarena でオペレッタ公演観劇。
演目は日本人にも馴染みのカールマーンの 《Gräfin Mariza》。

チケットは日本からネット予約してあり、すでに前日ライムントの 《Der Bauer als Millionär》( これはオペレッタというよりは歌がおりまれたライムントの芝居で、全編ウィーンの言葉で進行していくため、わたしたちには理解するのはとても難しい作品でした ) を観劇するために訪れたときに今回オーストリア滞在中にこの劇場で観劇予定のもうあとひと公演の出し物を含め、すべて入手済みになっていました。

Sommerarena での公演は一部のマチネをのぞきすべて19時半の開演。

チケットは予約してあっても、手に入れるためには開演の一時間前までに窓口に出向かなくてはなりません。そのため前日はウィーンから早めにバーデン入りして3公演分のチケットを受け取っておきました。

そんなわけで二日目のこの日は、チケットを持っていたので開演時間ぎりぎりに出かけても問題ありません。

8月8日に成田を発ち、ウィーンに到着して以来、天気は絶好調。むしろ日本以上に気温が高いくらい、日差しもきつい日々が続いていました。
せっかくのいい天気、こんなときはやはり山に行きたくなります。

ヨハンとロザーリウム、わたしたち二人のお気に入りのラックス、本当は翌11日が土曜日でバーデンのオペレッタ観劇の予定もなく全日あけてありましたから、11日に出かける予定にしてありましたが、

10日はいずれにしてもバーデンに出かける予定だし、それも19時半までにつけばよいので、急きょ、予定を変えて、午前、ウィーンからラックスに直行、これまたわたしたちには定番のお気に入りの山小屋 Ottohaus までハイキングして、そこでお昼をしながら、のんびり、まったりして、帰りの電車をバーデンで途中下車して、オペレッタを観て、ウィーンに戻れば完璧じゃん。翌日はまた別のことに全日振り向けられるし。・・・このようにヨハンとロザーリウムは考えた次第です。

問題は鉄道のきっぷ。

発地となるウィーンは問題ありません。帰りの方です。近距離区間なので、もちろん前日は行きも帰りも自動券売機できっぷを買って乗りました。

ヨハンの勘違いなのかなあ。

自動券売機でも以前は往復できっぷを買えたように思います。今回、タッチパネルにあるいろいろな選択ボタンに「往復」という項目が見当たりません(でした)。←ヨハンの勘違いか?

でも、そうそうに後ろに人は並ぶし。

ちなみに、なぜか自動券売機がほかにもあるのに、ヨハンが操作しているとすぐに後ろに人が並ぶ気がします。
「ほかにもあいている機械があるだろうに、うしろに並ぶなよ!」 とヨハンの心の声。

大昔、やはりウィーンの南駅で、当時はまだ公衆電話の時代、ヨハンが電話していると、ほかにも電話器はあるのに、うしろに人に並ばれ、早く代われとばかりに舌打ちされた記憶がトラウマのように残っているのでございます。

パリでも自動券売機できっぷを買っていると、ほかにいくらでもあいている券売機があるのに後ろに人に並ばれたことがありました。
きちんと使える機械、電話かどうかよくわからないのがかの地の実情なので、誰かが実際に使っているものの後ろに並べば、使えることが確実だから、というのが目下ヨハン、ロザーリウムが出している善意の推測です( それにしては後ろで舌打ちするのは心なき仕業かな )。

往復できっぷを手に入れておきたい理由は、帰りのきっぷの心配です。

地方に行くと夜遅くになった時の駅では無人になるのがほとんど。帰りのきっぷは否も応もなく、券売機で買うしかありません。
いつ頃からかオーストリアのこうした無人駅にも券売機が完備されました。それ以前は窓口が閉まれば、きっぷを買わずに乗っても乗客のせいではないので、車内で車掌さんから普通にきっぷを買えました。
ところがあるとき、よく乗る区間なので、車内で車掌さんから買ったきっぷの値段が少し高いと感じた時があって、あとで同じ区間の使用済みきっぷの値段と比べてみて、無券乗車の車内精算は高くつくことを知ったのです(乗車駅に券売機が完備されて以降のことだと思います)。

なんだかけちくさいお話に聞こえて面目ありません。金額のことより、ごまかす気がない乗客としてはなんとなく「罰金」を課された感じは心持がよくなくなること、と、もうひとつ、行きと違って、帰りは、駅に着いたときに直ぐにも電車の到着が迫っていたりすることがあり、そんなときは、やはりきっぷを持っているにこしたことはないからです。

バーデンの駅には有人の窓口がありますが、さすがにオペレッタの終了するような午後10時半を過ぎた時間まではあいていません。それでも、上りのウィーンに向かう電車の本数もこの時間帯は少なくなり、たいていは30分以上駅で電車を待たなくてはなりませんので、券売機できっぷを買う時間的ゆとりはおつりがくるほどあるのでございます。前日の9日はそのようにしてバーデンの券売機で帰りのきっぷを買ってウィーンに戻りました。

ラックスにでかけることにした10日は、帰りの最寄りの駅は Payerbach=Reichenau 駅です。ここも無人駅ではないし、このあとバーデンで下車してオペレッタ観劇しようという予定なので、時間的にも窓口が閉まるような時間にはならないだろうと思いましたが、

8日にウィーンに到着して以来、ヨハンたちは再三再四、鉄道の駅で、あるいは地下鉄の駅で、ふたつの路線が夏の線路補修で不通、代行バスを利用しなさいとのアナウンスを耳にしていました。
ひとつは、地下鉄の1号線、Schwedenplatz-Reumannplatz 間。そしてもう一つは国鉄 ÖBB の Gloggnitz-Payerbach=Reichenau 間です(こちらはドル箱の特急だけは補修中であっても直通で走らせています)。

と、いろんなことがぐるぐると朝あたまをかけめぐり、パイエルバハまで出かけるには、いずれにしても南駅がなくなってしまった今、特急の発駅になっている Meidling まで行って、時間と相談しながら都合のいい列車に乗ることにしよう、これが第1の結論、そして、どうせその駅から乗るのであれば、大きな駅で窓口もあるので、その後1日きっぷ購入の面倒から解放される往復券を買おう、これが第2の結論でした。

マイトリングの窓口にて


ヨハン 「今日これからパイエルバハに出かけて、帰りはバーデンでいったん下車して、またその後バーデンから乗車してウィーンに戻りたいと思っています。二人分の往復切符が欲しいのですが、ウィーンからパイエルバハまでの往復切符は途中下車してもその後使えますか?」

窓口 「出来ますよ」


シャカシャカシャカ (窓口の人がコンピューターに入力して、きっぷがプリントアウトされてくる音)

良かった~♪ これできっぷの心配はなくなった。

さてと、次は、
この時間に乗ることのできる電車。何番ホームかな?



今回のお話のメインはここからスタートです
せっかく特急の発駅マイトリンクまで来ているのだし、特急があればそれに乗ろうか。

今までラックスやゼメリング、シュネーベルクに出かけるときには、ゼメリングに宿を取ったり、パイエルバハに宿をとったことも、また、バーデンに宿をとり行動の拠点にしたこともありました。
でも、いくたの経験から、ウィーンから直接出かけても、朝少し早目の特急に乗れば、現地に泊まっているときとほとんど時間的に目的地の山に着くのに変わりがないことが分かってきました。( ゼメリングは特急の停車駅ではありませんが、午前中たしか一本だけ特急が停まります )

特急よりかなり早い時間に出る急行 ( Regionalzug というのは、S-Bahn が本当に各駅停車なのに対して、特急よりは停車駅は多いけれど、急行なみに駅を飛ばしていきます ) でも、結局 Wiener Neustadt 駅であとから来る特急を待ち合わせることになります。
逆に言えば、あとから出る特急はその急行にノイシュタット駅で追いつき、乗り換えが可能なのです。そのことに気がついてからというものは、ヨハンたちは荷物を持って移動しなくても済むし、ウィーンに宿をとったまま、南駅から ( まだ南駅が現存していた数年前までの話ですが ) 特急に乗り、ノイシュタットで、シュネーベルクに行くにしても、ゼメリングに行くにしても、あるいはまたラックスに行くときでも、急行に乗り換え、山に行くようになったのです。当時、と言ってもまだほんの二、三年前の話です。その頃の特急にはヨハンたちと同じように天気の良い日には登山をしようという人が結構乗っていました。みなさん一駅特急に乗り、次のノイシュタットで急行に乗り換えたのです。

で、この日も、すぐに出る特急があることが分かりました。

ただ、きっぷです。きっぷ。

オーストリア ( スイスも!! ) では、特急だからといって特別な料金は発生しません。乗って行く区間が同じなのに、各駅停車と特急で値段が違う方がおかしい。以前ウィーンからリーリエンフェルトに行くときに、オーストリアに乗り入れているドイツの ICE にだって普通乗車券だけで途中の乗り換え駅まで乗ったもんだし。

でも、今回手にしているこのきっぷ

さっき窓口で買ったときに、「ずいぶん安いなあ」とヨハンは感じていました。「これは何かあるかもしれない」

ちなみに、そのときの感覚は直感で、それを確かめるための比べる手立てがありませんでしたが、今ネットでウィーン-パイエルバハ間のきっぷの値段を確かめてみると、片道一人2等で、15.10オイロです。
ヨハンが手にしていたきっぷは、二人分の往復きっぷで、32オイロ
単純に普通に買う時の半額の値段です
けっしてヨハンが窓口のおねえさんに格安のきっぷを下さいと頼んで買ったものではありません。

告げたこちらの希望は、往復券で途中下車が可能であること、それだけでした。
このヨハンたちがもらったきっぷ、タイトルが書かれています。

Einfach-Raus-Ticket



拡大



オーストリアの鉄道は JR ほど完全民営化はされていないので呼称もいまだに ÖBB のままです。ヨハンは国鉄と呼びましたが正式にはオーストリア連邦鉄道。でも、今は事業として民営化並みの努力が求められているのか、さまざまな企業努力をしているようです。ホームページを見れば、実に各種の格安きっぷを出しており、なにがどうなのか、ちょっと目には把握できないほど複雑怪奇です。

現地に住んで生活している人にとっては大切な情報かもしれませんけど、一時的に旅行者として訪れる者にとっては、それらを詳しく事前に調べてきっぷを買うなんてことは、無駄と言ってしまえば、無駄な労力と思われます。時間の方が貴重だからです。

で、手にしたこのきっぷ。 Einfach-Raus-Ticket

普通これまでの常識からすると、ドイツ語できっぷを買う時に „einfach“ と言えば、「片道」という意味でした。
ここではその意味でないことは間違いありません。こっちの希望をしっかり伝えた上で買っているわけですから。
次の „raus“ 、どこかに「出ていく」という意味です。
よく見ると、このきっぷ、目的地が書いてありません。いやそれどころか発駅も書いてないわい ( 印字されているのは発券された駅名です )。
„einfach raus“ とは要するに、このきっぷで、気軽に好きな駅から、希望の目的地に自由にお出かけなさい、というコンセプトらしいと思われます。

書かれている条件を訳すと

「買った日、月曜から金曜までの間は朝9時以降の乗車と条件がつき、土日については午前0時から有効で、きっぷが失効するのは、曜日に関係なく翌日の午前3時、国鉄全線と Raaberbahn について有効」


そのときヨハンは Raaberbahn に関しては、おぼろに、確かノイシュタットからハンガリーのショプロンに行ったときに乗り換えた鉄道のことだったと記憶していました ( あらためてホームページで確かめると、かなりハンガリーの広範囲に路線が展開しています )。

ウ~む、たしかにこれが本当なら実に格安切符だ。

翌日の午前3時にウィーンに戻ってきていればいいわけだから、二人の大人がわずか32オイロでオーストリアのかなり端っこまで乗っていけるぞ! と思ったものです。 ( ただ午前3時まで走っている電車があればの話だけど )

特急が待つホームに向かいつつ、ヨハンはなんどもこのきっぷに書かれた条件を読みました。R- und REX-Züge bzw S-Bahn という条件のところです。

「ひょっとして特急は制限されているのかもしれない」

大体こういう勘が働くときには、悪い方に結論を持っていく方が無難です。

ホームに行くまでのみじかな時間と、ホームに着いてすでに発車を待っている特急を目にして、なお、あたりに通常はいるその列車の車掌さんの姿を探しつつ、「このきっぷで特急に乗れるのかなあ」と心配になりました。
「でもなあ、オーストリアじゃあ、ドイツで Zuschlag と言われるような特別料金はこれまでなかったわけだし」
心の中で繰り返していました。「 R と S が特急でないことははっきりしています。でも REX は地方を走っている立派な「特急」なわけだし。」

大体こういう勘が働くときには、悪い方に結論を持っていっておいた方が無難です。

車掌さんの姿は見当たりませんでしたが、わたしたちのように登山用ストックを持った、さも登山をよくしていそうなおじさんの姿に目がとまりました。

「この人に聞いてみよう。よく登山している人なら、このきっぷのことも知っているだろう」


ヨハン 「窓口でこのきっぷを買いましたが、これでノイシュタットまで特急に乗ってかまいませんか?」

おじさん 「ああ、大丈夫だよ」


ヨハンの迷いはそのおじさんの一言でとりあえず消えてしまったのです。

でも、いやな勘が働くときには、やはり、悪い方に結論を持っていく方が無難でした。

しかし、特急に乗らないで、急行にすると目的地に着く時間にはかなりの差ができます。
結局、欲目が判断を曇らせたとしか言いようはありません。

あわれ、ヨハンとロザーリウムは、特急に乗りこみました。

ちなみにまた脱線すると、Railjet と呼ばれるオーストリアの最新特急、快適この上なく、ヨハンは3年前ザルツブルクからウィーンに帰るときに乗りました。当時最新だったと思います。今年はウィーンからグラーツ、フィラハ方面に向かうほぼ全ての列車もこの railjet に変わっていました。車内はもちろん空調されています。3年前は一等車だったせいもあるし、乗ると新聞は無料で配られるし、確か何かスナックのようなものも貰った記憶があります。

いつもだったらノイシュタットまでは立っていかなければならないこの時間帯の特急にしては、座席には余裕があり、乗り換え駅のヴィーナー・ノイシュタットまでノンストップ、一駅だけの乗車でしたが、ゆったり腰をおろし、やれやれ、空調の利いた涼しい車内で、一息ついて、検札に備えて、きっぷをあらためて眺めていました。

そのとき、わたしたちの後ろの座席にすわっていた私たちよりお若いご夫婦連れの奥さんの方が、ヨハンに声をかけてきました。


奥さん 「もしもし、あなたが持っていらっしゃるきっぷではこの特急には乗ることができませんよ。」


よく後ろの座席からヨハンの持っているきっぷに書かれた文字が読めたものだと今でも感心します。


奥さん 「以前わたしたちもそのきっぷを買って ( 買わされて、と言ったのかもしれません )、電車に乗ったら、検札で不正乗車を指摘され、その場で、別途正規のきっぷを買わされました」


こうなって初めて欲望で少し曇っていたヨハンの目がすーーーっと蔽いが取れるように、いっきに晴れていきました。「やっぱし!!」

ちょうどそのとき、車内販売のお兄さんが車内を歩いていましたので、とりあえず彼に声をかけてみました。


お兄さん 「ああ、これではこの特急には乗れませんよ。車掌に話してあげるから待っていてください」


こう言う時、話してなんとかなるものなのか、というと、実はたいていの場合は「話してもルールはルール、なんともならない」世界です。


戻って来た車内販売のお兄さん 「おかしいなあ、いつも座っている車掌席に車掌がいない」


こう言うケースでは
相手から不正乗車を先に指摘されたら、先ず100%言い逃れはききません。わずかな希望の可能性として、こちらから先に事情を話すこと。それに唯一の見込みが存在します。

そこでヨハンは一等車両と二等車両の連結部分に設けられた車掌席にこちらから出向き、railjet が猛スピードで次の停車駅にどんどん近付くなか、いつもは麗々しく座っているはずの車掌さんが戻ってくるのを待ちました。

しばらくしてようやく車掌さんが戻ってきました。


ヨハン 「かくかくしかじかで、マイトリング駅の窓口でこのきっぷを買わされた ( つたないドイツ語なので「買った」と言ったに違いありませんが、気持ちは「買わされた」なのです ) こと、パイエルバッハに行くつもりであること。駅で人に確かめたら「乗れるよ」と言われたので、間違ってこの特急に乗ってしまったこと。後ろの席の人からこれには乗れないことを指摘され今はじめて気がついたこと。もともと次のノイシュタットで乗り換えのために降りるつもであること」を説明しました。

車掌さん 「本当は別途にきっぷを買わなくてはいけないケースだけど、今回は見逃してやろう」 なんて上から目線の言葉ではありませんでしたが、とにもかくにも車掌さんは見逃してくれました。


許していただけました~♪。

後ろの御夫婦がヨハンのきっぷに気がついてくれたおかげでした。

でも、オーストリア人 ( と、かってにヨハンは思っているだけですが、ひょっとしてドイツ人夫婦だったかもしれません ) で、そうそうきっぷを買い間違えることはないだろうと思われるような人たちでさえ、このきっぷで苦い思いをしたと言うのですから、分かりにくいきっぷであったことはまちがいありません。
今の ÖBB の格安きっぷの複雑なシステムは、よくよく窓口で確かめないといけないぞ、と思い、今回このことを記事にしました。



railjet はダイヤなどには略称として rj と記されます。
他方、R は Regionalzug の略ですから、rj の r とは関係のない略号です。

そんなことは今から思えば分かっているし、なんであのとき目が曇っちゃったのかなあ。言い訳すれば REX だな。Regionalexpress だし。これで「特急」もいいかもしれない、と思ってしまったわけです。

最後に、ÖBB の名誉のために申し添えておくと、
格安きっぷを種類多く出しているのは、なんとか人々にガソリンを使う車を止めさせ、鉄道にお客を呼び込もうという考えからでてきたものです。


☆ ☆ ☆


昨日 (9月8日) の毎日新聞夕刊のコラム記事にウィーン交通機関の年間定期券のことが出ていました。

コンセプトはガソリンを使う車をやめて、公共交通を利用しましょう、ということでしたが、1年使える定期券が、そのためにもウィーンではとても割安に設定されているとして、その値段が紹介されていました。

1年間で 365 ユーロ

また、それに対して無券乗車には 100 ユーロの罰金が科せられる、という内容でした。

1日1ユーロということですね。ほぼ1日100円でウィーン市内の公共交通は乗り放題。

これさえ持っていれば、日本のように、都営だ、営団だ、JRだ、やれ小田急だって、いちいちきっぷをそのつど買わされなくても済むんです!!!

エコロジーとは国民の意識の問題です。

おかけで、オーストリアの電車は大昔ヨハンが一年いたときとくらべ、みんながよく利用するようになりました。

ヨハンもさきほど、ネットで検索してみました

いろいろみなさんがブログでウィーンの年間定期のことも書いていらっしゃるのが分かりました。

そして最終的にウィーン交通局のHPで確認しました。

現在、年間定期は(支払方法や、シニアなどにより、金額が異なりますが)、普通のケースとして、ゾーン100(郊外を含まない市内全域、全交通機関)で、365ユーロと確認しました。


ちなみに、昨年記事をアップしていらっしゃった方は年間定期が 449ユーロで、これは使用開始日から一年間有効と書いていらっしゃいました。

Wiener Linien のホームページで現在の状況を確認すると
値段が今書きましたように、とても大幅に値下げされていることのほかに

月初めからの使用で、1年後の月末までの有効

と書いてあります

値下げととともにこの点は変更になったのかも知れません。

これは、写真を添付されますから、他人が使うことはできません

ちなみに、月定期券の方は、今確認してみると、
45ユーロで、月初めの開始で月末(+続く2日目の24:00までと書いてありました)までの有効、写真は添付されず、誰が使ってもかまいません

夏や、年末、春に長期に休みをとる人、とくに外国からの留学生などには、微妙なところですが、年間8か月しかウィーンにいなければ Monatskarte、年間9カ月をこえれば Jahreskarte ということでしょうか。

ヨハンたちはせいぜい週単位の訪問ですから、いつも 8-Tagekarte を買っています。 
今、このタイトルは 8-Tage-Klimakarte となっています。Klimakarte というのは、車をやめてクリーンな公共交通を利用しましょうということです。
Wochenkarte が月曜使用開始で日曜まで、にたいして、この8-Tagekarte は利用する日の乗車前にパンチして使います。
どこかウィーンを離れても、戻ってきたときにまた残りの券を使うことができますし、ふたりで使用するときは、2日分をパンチして乗ればいいので、便利です。

で、前年使い残しても、今年も残りを使うことができます。有効期限は書いてありません。

空港からバスでウィーンに入る時に、ここ何年かはヨハンたちは Schottentor の Regina に泊まっています。朝、外で食事ができるし、何しろ部屋が広いのでお気に入りにしているのです。ただ、空港バスだと少しトラムに乗り換えないといけません。そのため着いたその日からウィーンの切符を持っていた方が、スムースに移動出来るので、あえて使い切らずに帰ってきます。

今回も日程から考えて、新しい 8-Tagekarte を買っておいた方がよい、とロザーリウムは考え、Tabak-Trafik で新しいのを買いました。

前回 ( 今年の春の残りだったかもしれません ) の券は 28.80 ユーロでした。
今回買ったものは 33.80 ユーロです。
この券に関しては、買う度に値上がりしているような気がします。

ロザーリウムが Tabak-Trafik のおじさんに「この券は有効期限はないの? 来年でも使えるの?」
と確認の意味で尋ねたら、そのおやじ、何と答えたと思いますか?

「今の政府が続いていたらね」

だってさ。

外国人観光客相手だろうが、もちろん簡単な内容ですが、政治ジョークを飛ばす彼ら

ユーロ危機がずいぶん騒がれた今年ですが、ウィーンの人は何も心配していませんよ

そのためにワインがあるわけじゃないですか

世の中 ケ・セ・ラ・セ・ラ


☆ ☆ ☆



ところでこの記事を書いたあとで、 今回の旅行で集めてきた資料のなかから、 Einfach-Raus-Ticket についての詳しい案内パンフレットが出てまいりました。マイトリング駅で切符を買ったときに一緒にもらった記憶はなかったので、ロザーリウムに確認すると、特急をW・ノイシュタット駅で下車した際、乗り継ぎの急行まで時間があったし、その列車はグログニツから先代行バスになるらしいので、確認のためにふたりは日本で言うグリーンの窓口に出かけました。そのとき棚にいろいろおいてあったパンフレットからロザーリウムがもらってきたものだと分かりました。



今、ざっと目を通してみて、これはもう一度このきっぷについて書かないと、とんでもない誤解をみなさまに生み出しかねないと心配になりましたので続きを書きます。

料金
これは定額で32オイロです

前に書きましたように、わたしたちが マイトリング駅の出札窓口で述べた希望はたまたまこのきっぷに要する条件を全てみたすことになったので、窓口のお姉さんがこれを売ってくれたのだとわかりました。

その条件の第1番に挙げてあるのは、人数です。
わたしたちは、ヨハンとロザーリウムの二人でウィーン、パイエルバハを往復するという条件でした。
ヨハンはこのきっぷの料金はその人数(2人)と関係しているものと思い込んでいました。3人だったらまた別の料金のきっぷになったのだろうと思っていたのです。

ところが今パンフレットを読んで、本当に仰天しました。

〇 2人~5人までのグループで旅行すること (年齢は関係ありません)

このきっぷは私たちのように2人で乗っても、家族、あるいは友達同士の5人で乗っても料金定額で32オイロです。

またまたケチくさいお話で面目ありませんが、あの日5人のグループでパイエルバッハを往復してもやはり32オイロだったことになります。

おどろけ~♪

正規にきっぷを買っていれば5人で10.5×2×5で105オイロするところが32オイロで済んでしまうということになるわけです。ただしもちろんグループ券ですから、つねに一緒に乗車することが必要です。


乗れる列車
これはヨハンの前回の記事のメインでしたから、再度強調しておけば、特急の類、ダイヤで rj、IC、EC と記されたものには使えません。たまに E というのもあります。これも利用不可の列車だということになります。
使えるのは、R か、S か、REX かです。

自転車を持ち込む人たちの場合は別種のきっぷになり、39オイロとなります。
他の条件は全く同じです

ÖBB によるこのきっぷの利用モデルケース
以下、ウィーン発着の時刻とともに各地への旅行モデルが何ページにもわたって示されています。

特典
ウィーン西駅発のケースでは、Melk で船に乗って対岸の Krems にわたる人気のコースが取り上げられています。




そして、
「この Einfach-Raus-Ticket を乗船券売り場で提示すれば、各自が15パーセントの料金割引を受けられます」と記されています。

パンフレットには、このほか割引特典が受けられるさまざまな Museum が挙げてあります。

ヨハンがこのパンフレットで仰天したのは
前回の記事に書いたラックスに関してもモデルケースとして取り上げられていて、こう書いてあるのです

「Einfach-Raus-Ticket を使って 8時30分、9時30分、10時30分、11時30分にパイエルバハ駅に到着する列車を利用した場合はこのきっぷを提示するとラックス・ロープウェイの谷側駅まで無料のタクシー・シャトルサービスが受けられます」 ( もちろん帰りも同じです )
ちなみにパイエルバハ駅からロープウェイ駅までのバス便は本数が限られていてヨハンたちはいつも列車との接続に苦労します。今年のことで書いておきますと、バス料金は片道二人で3.8オイロでした。往復で7.8オイロしたことになります。
また、ロープウェイそのものも ( 必ず往復チケットを利用することが条件ですが )、窓口で Einfach-Raus-Ticket を提示すれば、20パーセントの割引が受けられます。
ちなみにヨハンたちが今回ロープウェイ往復で支払った2人分の往復料金は40.8オイロでした。
2割引だと32.64オイロになったというです

夢のようなきっぷじゃありませんか

パンフレットの表紙に
Wien, Niederösterreich, Burgenland と記されていますから、書いてない地域では使えないものと理解します。ウィーンを起点としたオーストリア国内、ウィーン市内、ニーダーエスタライヒ州内、ブルゲンラント州内の鉄道路線で有効ということです。

2012年の7月2日がこのきっぷが販売開始となった日のようです

めまぐるしくいろいろなことが変わりますから、来年の夏にもまだこのきっぷが利用可能となっているかどうか分かりません。
今年、これからウィーンに、特にご家族でお出かけになられるご予定の方はぜひ参考にしてください

パンフレットをあらめて参考にした結果、ヨハンはこのきっぷの命名をこのように改めます

「ウィーン周辺ゆったり旅、国鉄一日フリー・グループ乗車券」

ロザーリウムに聞いたら、JRの「青春18キップ」と似ているようです。日本のことを参考にしたのかもしれませんね。


ヨハン ( 2012/08/28、29 と 09/09 の記事をまとめました)


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1 コメント

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ありがとう (Go)
2015-09-12 15:05:29
Muenchen HbfからTraisenに行くのになんとか安く出来ないかなとEinfach-Raus Ticketにたどり着いたのですが、危うくRJで使うところでした。参考になりました。ありがとう。
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