整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

スマホのカメラ

2017-08-25 13:08:26 | 効率アップ
コーヒータイム(余談)

ガラケーの頃から、携帯電話にはカメラが
付いていましたが、最近のスマホのカメラは、
非常に綺麗に写ります。

パッと見た目、コンパクトタイプのデジカメと
遜色ないようにさえ見えます。

これではコンパクトデジカメの出番が無くなるのは
当たり前ですね。わざわざ荷物を増やしてまで、
コンパクトデジカメを持ち歩く必要性が
感じられないからです。

タブレットだと、撮った写真をそのまま
7インチや10インチの画面で表示できます。
人に見せると、綺麗だと感心されます。

しかし、よく考えると、コンパクトタイプの
デジカメを例に取っても、あれだけの大きさのレンズと
センサーを持ったデジカメが、スマホやタブレットの
小さなカメラユニットに全て収まっているというのは、
不思議だと思いませんか?

充分な光を通し、それを充分な大きさを持った
センサー(CCDやCMOS)で受け止めて、
はじめて綺麗な写真を産み出せるはずです。

取り込む光が足りないので、小さなレンズを通しては、
そもそも情報量が足りません。

小さなセンサーで受け止めると、画面も小さくなりますので、
引き延ばす必要がありますが、その時にノイズが乗ったり、
細部が潰れてしまったりします。

昔、今のスマホやタブレットに搭載されていたくらいの
大きさのデジカメも有りましたが、撮影した写真を
パソコンの画面上で見ると、ノイズだらけで
それは酷いものでした。

光学的には、スマホのカメラとコンパクトデジカメの差は
歴然としています。では何故綺麗に写るのでしょうか?

これは画像処理エンジンの力が大きく影響しています。
それらしく見せる技術が大幅に向上したのです。

情報が足りない場合は、隣接する部分の画像情報を参考に、
補間処理を施すのです。ノイズが乗っていれば、
それを消し、やはり補間処理で塗り潰します。

単純に塗り潰すだけではなく、色調が徐々に変化して
いる部分であれば、グラデーションを効かせ、
補間処理した部分には、隣接する部分との中間の濃度を
配置し、階調を再現します。

処理速度も速くなっていますから、
これらの補正処理を、メモリカードに
書き込む僅かな時間内でやってしまいます。

補正した写真であっても、人間の目は、そこまでの差を
見分ける事は難しいです。見た瞬間、綺麗だな、
と感じるレベルに仕上がっています。

更に、鮮やかな色をした被写体だと、彩度を上げた方が
より綺麗に見えるため、自動的にそういう処理を施す
機能もあるようです。下手をすると、現物よりも鮮やか
だったりします。

人は、現物よりも悪く見える写真には眉をひそめますが、
良く見える写真には文句を言いません。自動補正された
画像であっても、です。

しかし、よくよく観察すると、アラが見えて来ます。
階調が不自然だったり、細かいパーツの部分の詳細が
分からなかったり、少しノイズが残っていたりします。

場合によっては、僅かですがゆがみのようなものが
見受けられる事もあります。

しかし、撮影そのものが目的ではなく撮られた写真は、
そこまでしげしげと見られませんので、これはこれで
良いという考え方もあります。

参考までに、補正の限界が現れやすいシチュエーションを
幾つか挙げます。

曇天で桜の写真を撮ろうとすると、スマホのカメラでは
よく写りません。桜は高い位置に花があるため、
嫌でも花と空が一緒に画面に入って来ます。

花を明るくしようとすると、空も明るくしなければ
なりませんが、空が真っ白になってしまいます。

真っ白な空は不自然過ぎますので、明るさを抑えざるを
得ません。すると、肝心の花が暗くなります。

桜のような淡い色の花は、曇天の空の色と同化しやすく、
補正を難しくしています。

試しに、目線より低い場所にある桜の花を
スマホのカメラで撮ると、曇天でも綺麗に写ります。

また、洞窟の中など、光の絶対量が足りない場所でも、
スマホのカメラではよく写りません。

関東地方が猛暑に見舞われていた頃、涼を取る意味もあって、
栃木県の大谷石採掘場跡(中は涼しい)に行ったのですが、
その中は、スマホのカメラではダメでしたね。

地下ですので、全体的に暗く、所々に照明が置いてあるので、
明るい部分と暗い部分の差が激し過ぎるのです。

また、地下水の影響からか、中はかなり湿った感じがし、
壁面が濡れている所も有るのですが、それが写りません。

外から光が漏れている所では、中の水蒸気が光に照らされて
白い霧のようになって見え、幻想的な光景でしたが、
これもスマホのカメラでは全く話になりません。
光が漏れている所は単純に白く、周りの穴は単純に黒く
写ります。

実際に行った人が記念に撮る分には良いですが、
行っていない人にスマホの写真を見せようとすると、
現場の雰囲気とかなり違う事に戸惑うはずです。

なので、写真を撮るのが目的の人は、一眼レフタイプの
デジカメを持ち歩くのです。最近は女性でも
首にぶら下げているのをよく見掛けます。

しかし、コンパクトタイプのデジカメでも、
曇天の桜や洞窟の中では、設定次第で
それなりの性能を発揮しますので、
眠っているコンパクトデジカメが有れば、
そんな時に使ってあげて下さい。