『Welcomeのぶ・ろ・ぐ』A recluse in Manila

隠遁オヤジは今日もまた桜散る散る日本と陽はまた昇るマニラにて世の無常を嘆きつつ、後は野となれ山となれ。

日本人永遠なれ

2014年04月29日 | Philippines(生活全般、その他不動産等)
『致知』より

「一隅を照らすものでありたい」
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 外国船の船乗りだった夫と結婚したのは20歳の時でした。
 私が身重になったのを機に主人は陸に上がり、
 将来は自分で商売をしたいと考え、まずは勉強のために金沢の「芝寿し」に入社。
 3か月だけの勉強だったはずが、梶谷社長(現・会長)に目を
 かけていただき、期間満了と同時に工場長に抜擢されました。
 入社からすでに10年の月日が流れようとしていました。
 
 そんな時でした。31歳の私は、突然原因不明の病から寝たきりに
 なってしまったのです。
 当時の医学では原因も治療法も分からず、治る見込みはないと宣告されました。
 ただ横たわるだけの妻に対し、責めたり、 愚痴をこぼしたくなったことも あったでしょう。
 しかし主人は、毎朝「お母さん、きょうもいい顔してるな。行ってくるよ。
 何かあったら工場に電話くれたらすぐ来るからね」
 と言ってくれるのです。
 私は主人の優しさに誓いました。
「このまま寝たきりで人生終わったらあかん。
 絶対よくなって、この人の役に立てる自分にならなあかん……!」
・  ・  ・  ・  ・  ・
 3年にも及ぶ闘病生活を経て、何とか不自由なく生活ができるように
 なった頃、大阪で豆富屋を営むおば夫婦から連絡を受けました。
 体を壊したので私たちに後を継がないかと言うのです。
 主人は一言、
「……やってみたいな」
 と言いました。
 もともと自分で商売がしたいと考えていた人です。
 芝寿しで学んだ商売の思想を今度は自分の手で試したいと思ったのでしょう。
 もちろん周囲は反対しました。
 特に私の肉親は、奇跡的に命が助かったのにどうしてわざわざ苦労をしに大阪に行くのか、
 と縋るように引き止めました。
 しかし、やっと私が主人を助け、役に立てる出番がきたのです。
 おば夫婦の店は堺の市場の一角にありました。
 狭くて暗いその場所に八百屋さんから譲り受けた古いショーケース1つを置き、 
 私たちは出発したのです。
・  ・  ・  ・  ・  ・ 
 ある日、大阪に出た愛弟子がどんなところで働いているか見てみたいと、
 突然梶谷社長が訪ねていらしたことがありました。
 一通り仕事場と住まいをご覧になってお帰りになられましたが、その後すぐに
 「橋本太七君の創業を祝して」 と題した手紙をいただきました。
「『挑戦と創造』で『安心堂』を大阪で『一番の豆富店』にしてください。  
 一番とは『一番美味しい豆富を造る店』ということです。
 決して一番儲ける店ということではありません。
(中略)
 原価率だの、利益率だのという賢い豆富屋になるな。
 只、美味しい豆富を造ることに専心する、馬鹿のような商人であってほしい。
(中略)
 立派な工場や広い住まいは求めなくとも、お客様に喜ばれる豆富を造って居れば、
 必ずお客が与えてくれるものだ(略)」
 
 私たち夫婦は手を取り合って涙を流し、
「美味しい豆富をつくることが、社長への何よりのご恩返しだね」
 と誓いました。
 
 以来、この手紙が
「安心堂白雪姫」の宝となり、
 原点となって、お客様に美味しいと喜んでいただくことだけを胸に
 豆富づくりに励んでまいりました。
 
 私たちがつくるのは、1丁数百円の豆富です。
 それこそ、小さくはかない仕事かもしれません。
 しかし大阪の片隅で私たち夫婦が祈りを込めてつくった豆富は、
 必ずお客様の心に伝わると信じ、これからも懸命に商売をさせていただきます。」
………………………………………………
「一隅を照らすものでありたい」
 橋本由起子         
(安心堂白雪姫)                              
『致知』2006年12月号
 特集「自らに勝つ者は強し」より (引用ここまで)


いい話じゃないですか。
「相手にも喜んでもらいたい。これならどこに出しても恥ずかしくない。これなら人様からお金を頂戴してもお天道様は怒らねえってくらいのものをお出しする。出来が悪けりゃ、人様から金をもらうわけにゃいかねぇ」
これが日本人の職人気質です。この精神が、技の職人を産み、建築、車、建設、芸術などの世界で、「日本人ここにあり!」と西欧をして驚かしめたのです。
「極東の果てに大日本あり、身は小なれども精神性は誠に大なり」
「モノは金(儲け)のためならず。人のため(人の役に立つため)なり」

思うに、日本という国は(良くも悪くも)職人気質の国です。利益だけを求める精神だけではとうていなしえないものを国民は有しています。
アメ公や中国や韓国どもとは根っこから違うのです。根っこが違うから、咲く花も違う。
アメ公がこれまでに規制撤廃、ああしろこうしろって日本を恫喝しまくっても、日本人はその中でできる限りの努力と工夫をして、これでどうだ!ってモノを作り上げてきました。
こういう職人気質の国、国民を、絶対に滅ぼしてはいけないのです。

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