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「【立川志らくの粋々独演会】「最高峰」が見せる進化した落語」:イザ!

2012-12-12 10:23:15 | 日記

□スクリーンで観る高座
シネマ落語&ドキュメンタリー「映画
立川談志」
私の師匠談志が亡くなって1年が過ぎた。
死後1年経ってもこれだけ騒がれる落語家を私は知らない。
どうでぃ、と威張っている師匠の顔が浮かぶ。
ただやけに「良い人」になってしまった感もある。
それに対しては師匠は照れているであろう。
■イリュージョン
さて、自分の師匠ではあるが近代落語の最高峰である立川談志の落語が映画になった。
「やかん」と「芝浜」の二席をビッグスクリーンで見ていただこうというわけだ。
談志の落語の映像、音源は山ほど出ている。
だがそれはファンのためのもの。
談志の死をきっかけに談志の落語を聴いてみようという人からするとどこから聴いたらいいかわからない。
そういった人からするとベストの落語である。
談志の落語は晩年はピカソであった。
落語はイリュージョンだと提唱し上手さから離れていった。
だから落語に形を求める保守的なファンはその芸を理解できず離れていった。
私からすればそういった人こそ落語を滅ぼす、つまり伝統芸能として博物館行きに拍車をかける元凶だと思っている。
それはさておき、落語になじみのない若いファンはこのピカソのイリュージョン落語に飛びついた。
その代表落語が「やかん」。
イリュージョン落語であり、談志哲学、談志フレーズが詰まった傑作だ。
そして今や談志落語の代名詞になった「芝浜」。
これは人情噺。
しかし従来の美談であったこの人情噺を談志は壮絶な落語に進化させた。
美談ではなく、これこそが人間だと「芝浜」を進化させた。
長年、談志はこの噺を色々な形で演出し直して年末に披露をしてきたが、晩年、演出を放棄した。
全編アドリブでやるようになったのだ。
その日の気分にまかせてぶっつけ本番でやるのだから時としてひどい出来のこともあった。


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