いつのまにか、多臓器不全
6月24日(水):転院?
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[妻の記録]
朝。
眠っていた。人工呼吸器の設定が低めにしてあるので、ほとんど自発呼吸になっている。以前のように、二酸化炭素が溜まってきてボンヤリしている状態になっているのではないかと心配したが、行くとぱっちり目を開けた。
眠れなかったらしい。
やっと先ほどから眠気がやってきたようだが、
「しんどかったの?」
ときくと、
「おなかが痛かった」
と言う。
便秘なのだ。ただでさえ、便を出すのに時間がかかるのだから、寝たきりではしかたがない気もする。とにかく、呼吸器のせいではなさそうだ。呼吸もしんどいようだが、体調にひびくほど呼吸器の設定が厳しい感じはしない。
本人にとっての現在での最大の課題は「便」だと思う。気分が悪いようなので、おなかをさすっていると、少し便意を催してきたようなので、看護師さんを呼ぶ。差し込み式の便器で少しできたようだ。
尿は相変わらずたくさん出ていた。「薄い」そうだが、色を見ているとそんな感じはあまりしない。
膝をまげて保持する練習をしたいというので、そのように手伝った。どうやらそれは排便をうながせると本人が思った運動のようだった。自分なりのやり方がいろいろあるものだと感心した。
めがねについて、どれがベッド上で見えやすいかためすために、いままで作った分をすべて持って行った。遠近両用ではあるが、一番最近作ったものなので見えやすいと言うので、それを置いてきた。
冷えたタオルを額に乗せた。本日は透析。昼間担当の看護師さんはPさん。
昼。
本日透析日。夕べ眠れなかったためか、かわいいお顔をして眠っていた。邪魔をしないように、静かにベッドの傍らで顔を眺めていた。
透析が終わってしばらくして目を覚ました。体を拭いて、着替えをして、手浴をお願いした。ナースコールを握っている手から、ぽろぽろと山のようにアカが出て、キリがない。
だいぶ体が動くようになり、ベッド上で足をたてて保持しながら、おなかに力を入れて少し腰を浮かせる、ということを盛んにやっていた。きもちいいらしい。
病室に入る前に、どこかに呼ばれていて移動中のO医師と話をした。
夜。
座位をとっていた。字を書きたいという。手元が遠いので、自分の書いている字が見えない。読み取れないというと、見せろ、という。顔に近付けると、自分の字を見て笑った。
「サッキ、ウンコ」
それはわかる。
「ケツノカワガヨワイ・・・」
って何のことかわからない。
「ウォシュレット」
と何の関係か、わからない・・・。
う~んと唸っていたが、「もういい」そうだ。手の力もだいぶついてきた。
暑いのか、氷に浸したタオルをほしがった。
Tは今日学校で起こった野球部の喧嘩の話をし、化学のテストの点が97点だったことを自慢していた。
「点滴はのどが渇く」らしく、点適が終わったかどうかしきりに気にするが、それは勝手な妄想だと思う。。
[主治医O先生の話]
今の治療は透析だけになったので、そろそろ転院を考えている。
当院の腎臓内科のほうに移せたらいいのだが、向こうでは(人工呼吸器の患者は受け入れにくいため)二の足を踏んでいる。こればかりはこちらではどうしようもなく、以前のK病院に戻ってもらうことになるかもしれない。
尿量は、点滴で入れている量-200ccくらいで、量的には正常。
心臓は現在不整脈も全くなくなり、当初は軽度の慢性心不全に移行する可能性が高いと思っていたが、それもなくなり、心機能はほぼもとどおり回復し、心臓リハビリの必要もなくなった。
すいかさんが、普段から動悸があったりしたことを考えると、外来で検査などの必要はあるかもしれないが、入院ということは不要である。
今出ている微熱は呼吸器が取れてから自分で肺の痰を出しきったら治ると思うが、それでも治らなければ、別の病気を外来で診る必要はあると思う。炎症反応は現在3程度(ほとんどない)。
呼吸も自発呼吸でほとんどできているので、そのうち呼吸器は離脱できるだろう。
[すいかの弟Jのメール]
転院の可能性があると聞きました。転院といっても、人工呼吸器が外れるまでは、以前のK病院に行くことはないでしょうね。
先生に相談して出来るだけここにおいてもらうようお願いしてみましょう。あそこの病院で死にかけたのだから、辛い思い出もよみがえるだろうし、精神的な苦痛が大きいと思います。
その事情を話せば、医師らも、K病院に戻ることは避けたいとお願いしても理解してくれると思います。
今週、土曜日の昼、O先生はいらっしゃるか確認出来ますか?
もし話しが出来るのであれば自分も行きます。Jより
[すいかの記録]
朝、リハビリの先生が足の運動をしてくれる。その後、「しばらくして戻ってくるので、横向きの体位を保持するように」と言われたのでそれに従うが、なかなか戻ってこない。
昼頃ふわりと現れたが、きっと忘れていたに違いない。ただこのとき、このような姿勢を取るのは圧迫されている真ん中の肺を開くためであり、肺に残っている痰を集めて取るためであるというような説明してくれた。これは自分の感覚と一致していたので大いに納得したのであった。
6月24日(水):転院?
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[妻の記録]
朝。
眠っていた。人工呼吸器の設定が低めにしてあるので、ほとんど自発呼吸になっている。以前のように、二酸化炭素が溜まってきてボンヤリしている状態になっているのではないかと心配したが、行くとぱっちり目を開けた。
眠れなかったらしい。
やっと先ほどから眠気がやってきたようだが、
「しんどかったの?」
ときくと、
「おなかが痛かった」
と言う。
便秘なのだ。ただでさえ、便を出すのに時間がかかるのだから、寝たきりではしかたがない気もする。とにかく、呼吸器のせいではなさそうだ。呼吸もしんどいようだが、体調にひびくほど呼吸器の設定が厳しい感じはしない。
本人にとっての現在での最大の課題は「便」だと思う。気分が悪いようなので、おなかをさすっていると、少し便意を催してきたようなので、看護師さんを呼ぶ。差し込み式の便器で少しできたようだ。
尿は相変わらずたくさん出ていた。「薄い」そうだが、色を見ているとそんな感じはあまりしない。
膝をまげて保持する練習をしたいというので、そのように手伝った。どうやらそれは排便をうながせると本人が思った運動のようだった。自分なりのやり方がいろいろあるものだと感心した。
めがねについて、どれがベッド上で見えやすいかためすために、いままで作った分をすべて持って行った。遠近両用ではあるが、一番最近作ったものなので見えやすいと言うので、それを置いてきた。
冷えたタオルを額に乗せた。本日は透析。昼間担当の看護師さんはPさん。
昼。
本日透析日。夕べ眠れなかったためか、かわいいお顔をして眠っていた。邪魔をしないように、静かにベッドの傍らで顔を眺めていた。
透析が終わってしばらくして目を覚ました。体を拭いて、着替えをして、手浴をお願いした。ナースコールを握っている手から、ぽろぽろと山のようにアカが出て、キリがない。
だいぶ体が動くようになり、ベッド上で足をたてて保持しながら、おなかに力を入れて少し腰を浮かせる、ということを盛んにやっていた。きもちいいらしい。
病室に入る前に、どこかに呼ばれていて移動中のO医師と話をした。
夜。
座位をとっていた。字を書きたいという。手元が遠いので、自分の書いている字が見えない。読み取れないというと、見せろ、という。顔に近付けると、自分の字を見て笑った。
「サッキ、ウンコ」
それはわかる。
「ケツノカワガヨワイ・・・」
って何のことかわからない。
「ウォシュレット」
と何の関係か、わからない・・・。
う~んと唸っていたが、「もういい」そうだ。手の力もだいぶついてきた。
暑いのか、氷に浸したタオルをほしがった。
Tは今日学校で起こった野球部の喧嘩の話をし、化学のテストの点が97点だったことを自慢していた。
「点滴はのどが渇く」らしく、点適が終わったかどうかしきりに気にするが、それは勝手な妄想だと思う。。
[主治医O先生の話]
今の治療は透析だけになったので、そろそろ転院を考えている。
当院の腎臓内科のほうに移せたらいいのだが、向こうでは(人工呼吸器の患者は受け入れにくいため)二の足を踏んでいる。こればかりはこちらではどうしようもなく、以前のK病院に戻ってもらうことになるかもしれない。
尿量は、点滴で入れている量-200ccくらいで、量的には正常。
心臓は現在不整脈も全くなくなり、当初は軽度の慢性心不全に移行する可能性が高いと思っていたが、それもなくなり、心機能はほぼもとどおり回復し、心臓リハビリの必要もなくなった。
すいかさんが、普段から動悸があったりしたことを考えると、外来で検査などの必要はあるかもしれないが、入院ということは不要である。
今出ている微熱は呼吸器が取れてから自分で肺の痰を出しきったら治ると思うが、それでも治らなければ、別の病気を外来で診る必要はあると思う。炎症反応は現在3程度(ほとんどない)。
呼吸も自発呼吸でほとんどできているので、そのうち呼吸器は離脱できるだろう。
[すいかの弟Jのメール]
転院の可能性があると聞きました。転院といっても、人工呼吸器が外れるまでは、以前のK病院に行くことはないでしょうね。
先生に相談して出来るだけここにおいてもらうようお願いしてみましょう。あそこの病院で死にかけたのだから、辛い思い出もよみがえるだろうし、精神的な苦痛が大きいと思います。
その事情を話せば、医師らも、K病院に戻ることは避けたいとお願いしても理解してくれると思います。
今週、土曜日の昼、O先生はいらっしゃるか確認出来ますか?
もし話しが出来るのであれば自分も行きます。Jより
[すいかの記録]
朝、リハビリの先生が足の運動をしてくれる。その後、「しばらくして戻ってくるので、横向きの体位を保持するように」と言われたのでそれに従うが、なかなか戻ってこない。
昼頃ふわりと現れたが、きっと忘れていたに違いない。ただこのとき、このような姿勢を取るのは圧迫されている真ん中の肺を開くためであり、肺に残っている痰を集めて取るためであるというような説明してくれた。これは自分の感覚と一致していたので大いに納得したのであった。