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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

他人になることで見つからない自分を埋めた若き日のデヴィッド・ボウイを描く『スターダスト』

2021年10月31日 14時56分19秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:174/229
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ヒューマンドラマ
音楽
洋楽
デヴィッド・ボウイ

【元になった出来事や原作・過去作など】
・音楽
 デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』(1972)

【あらすじ】
1971年、『世界を売った男』をリリースした24歳のデヴィッド(ジョニー・フリン)は、
イギリスからアメリカヘ渡り、
マーキュリー・レコードのパブリシスト、
ロン・オバーマン(マーク・マロン)と共に、
初の全米プロモーションツアーに挑む。

しかし、この旅で自分がまったく世間に知られていないこと、
そして時代がまだ自分に追いついていないことを知る。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、
アンディ・ウォーホルとの出会いやファクトリーなど、
アメリカは彼を刺激した。

兄の病気もデヴィッドを悩ませていた。
いくつもの殻を破り、
やがて彼は世界屈指のカルチャー・ アイコンとしての地位を確立する最初の一歩を踏み出す。
《デヴィッド・ボウイ》になる前のデヴィッドの姿。

本作は、後にデヴィッド・ボウイの最も有名な別人格
“ジギー・スターダスト”を生み出すきっかけとなった瞬間の舞台裏、
キャリアのターニングポイント、
それに関わった人たち、
そして彼の内面と心の葛藤、
時代の最先端を見つめる彼の変化を描く。

【感想】
洋楽は聴かないけど、
その名前だけは知っているデヴィッド・ボウイ。
僕の中では『戦場のメリークリスマス』に出ている人のイメージしかないのだけど(笑)

それにしても、この『スターダスト』。
思い返せば、SOPHIAの『黒いブーツ ~oh my friend~』(1998)の
歌詞にあることを思い出す。
「カバンを安全ピンで留めて MAKE UP FACE
 伸びきったTAPE "ZIGGY STARDUST"」と。

デヴィッド・ボウイのファンでもない限りは、
あんまり響かないかもなあという印象。
『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)や
『ロケットマン』(2019)のように、
歌を聴かせる作りではないから。
あくまでも、別人格である
ジギー・スターダストが生まれるまでを追った人間ドラマ。

今となっては伝説的な扱いのデヴィッド・ボウイも、
『世界を売った男』(1971)の評判はよくなく、
彼の音楽を理解してくれる人はいなかった。

そんな中、彼の才能を信じ、
いっしょにどさ回りをしてくれたロンの存在は大きい。
彼がデヴィッドをいろんなところに連れて行き、
関係者を紹介してくれたから。
とはいえ、デヴィッド・ボウイはその独特の世界観から、
相手に迎合するような態度を取らなかったため、
いつも人を不快にさせて、
そのたびにロンが苦労するというパターンではあったけど(笑)

それでも、ロンは見捨てなかったけどね、デヴィッドを。
このことから、“1人の熱狂”からすべては始まるんだなと思わせる。
もちろん、最初からデカい規模で受け入れられるなら、
それに越したことはないけど。
まずは1人でも自分の才能を信じてくれる人を
見つけることが大事なのかも。

あと、“その人にあったやり方”があるというのも伝わってくる。
結局、デヴィッドがこなしてきたインタビューが活きたかどうかは定かではない。
「デヴィッド、キミは何者だ?」という質問に答えが出せず、
悶々としていたときに、
ロンから「なら他人になればいいじゃないか!」
と言われたことがきっかけで生まれたジギー・スターダスト。
そこからデヴィッド・ボウイの名は一気に広まることになる。
何がきっかけでヒットに繋がるかはわからないね。
これはもうマーケティングの観点から生まれたものではなく、
デヴィッド・ボウイという類稀なる存在だからこそ成せる業。
再現性はないけれど、夢がある。

どうせなら、ヒットしていく過程も観たかったなあ。
「他人になる」と決めた後のシーンが、
もう売れっ子になったところだったし。
それもラスト20分。
長い前フリだった(笑)

この手の映画としては、
歌も少なく、
淡々と進んではいるけど、
世界的スターの苦悩と革命が知れる点では、
有意義な作品だった。

映画『スターダスト』公式サイト

音楽史に名を刻む偉大なアイコン、誰もが知るデヴィッド・ボウイの、誰も知らない若き日の“ジギー・スターダスト”誕生の物語。10月8日(金)より...

映画『スターダスト』公式サイト

 


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