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創業者の人柄と手腕に惹かれる『メイキング・オブ・モータウン』

2020年10月03日 13時02分56秒 | 映画


『メイキング・オブ・モータウン』

【基本情報】
 原題:Hitsville: The Making of Motown
製作年:2019年
製作国:アメリカ・イギリス合作
 配給:ショウゲート

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/140
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

【あらすじ】
ビートルズやローリング・ストーンズが憧れ、
日本を含む世界の音楽に影響を与え続けているモータウン。

創設者はベリー・ゴーディ・Jr.。
1959年、家族から借りた800ドルを資金にタムラ・レーベルをスタートさせ、
モータウンの歴史は幕を開けた。

その黄金期を彩ったのは、
スティーヴィー・ワンダーやジャクソン5などのスターたち。

本作は、映画ビジネスに参入すべくLAに本社を移すまでの歴史や
名曲誕生秘話を追っていくドキュメンタリー。

【感想】
これは面白い。
音楽(特に洋楽)やエンタメ系の仕事をしている人、
組織づくりをしている人なんかは興味深く観れる映画だろう。

僕が聴く音楽は90年代J-POPばかりで、
モータウンが大ヒットを連発していた頃の曲なんてほとんど知らない。
劇中56曲の音楽があったけど、知っていたのは2曲のみ。

だから、僕は音楽云々というより、
ヒットを連発していた背景には何があったのかを知りたくて観た。

複数要素はあるものの、やっぱり創業者のベリーの存在が一番大きい。
世の中、才能あるアーティストはたくさんいるけれど、
彼ほどのリーダーはいないとスモーキー・ロビンソンに言わしめるほど。

ベリー一族は曽祖父のときから起業家精神を叩き込まれていたせいか、
本人は幼い頃から"目端が利く"と自覚していたそう。

彼はモータウンを創業した後、かつて自動車工場で働いた経験を元に
「生産ライン」というものを策定。

つまり、アーティストの発掘・契約からレコード発売に至るまで、
ただの部品だった機械が徐々に自動車に変わっていくように、
ひとりの人間をアーティストとして作り上げる仕組みを作り上げた。

できたばかりのモータウンはアメリカのミシガン州デトロイトにある一軒家を拠点としており、
そこには実に多くの才能あふれる若者が出入りしていたよう。
まさに、日本でいう"トキワ荘"みたいな感じ。

誰から指示されることでもなく、すべて自給自足で自由にのびのびと好きなようにできたのが、
(ヒットを出せる)魔法が生まれる理由だったとか。

僕が一番驚いたのが、マナー講師にアーティストの養成を行わせていたこと。
それは、フォークやナイフの使い方ではなく、
自尊心を高めて堂々とした人間でいられるようにするため。
アーティストの中には貧困層出身の人も少なくないので、
セレブとコミュニケーションが取れるようにまでするところの徹底ぶりに脱帽。

もちろん、すべてが順風満帆というわけではなく、
ツアー時の激しい黒人差別もあったし、
人は自動車ではないから意見の食い違いでモータウンを去る人もいた。

でも、それらを乗り越えられたのは、
やはりベリーの人柄や手腕ではないだろうか。

彼は黒人だろうが白人だろうが音楽には関係ないと常に言っていた。
だから、黒人・白人問わず雇用していたし、
能力さえあれば女性でもどんどん幹部になれたそう。
それを当時から行っていたのはかなり革新的なのでは。

また、彼はいつだって「次の段階」を考えていた。
現状に甘んじることなく、革新がなければ停滞と同じだと捉えていたようで、
その結果、映画にも積極的に関わっていった。

ベリーのように音楽(事業)を愛し、人を愛する人の元には、
たくさんの才能が集まるんだね。
こういう人の下で働けるとは幸せなことだと思う。

ちなみに、いろんなアーティストが出てくる中で、
幼き日のスティーヴィー・ワンダーとマイケル・ジャクソンは
格が違うなと素人ながらもわかる。

「メイキング・オブ・モータウン」公式サイト

「メイキング・オブ・モータウン」公式サイト

 


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