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父親の愛か、それともひとりよがりかを考える『旅立つ息子へ』

2021年03月30日 18時00分04秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:31/60
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
自閉症スペクトラム
父と息子の逃避行

【あらすじ】
愛する息子ウリ(ノアム・インベル)のために人生を捧げてきた父アハロン(シャイ・アヴィヴィ)は、
田舎町で2人だけの世界を楽しんできた。

しかし、別居中の妻タマラ(スマダル・ボルフマン)は
自閉症スペクトラムを抱える息子の将来を心配し、
全寮制の支援施設への入所を決める。
定収入のないアハロンは養育不適合と判断され、
裁判所の決定に従うしかなかった。

入所の日、ウリは大好きな父との別れにパニックを起こしてしまう。
アハロンは決意した。
「息子は自分が守る―」

こうして2人の無謀な逃避行が始まった。

【感想】
親の息子に対する愛が伝わってくる映画ですなー。
ものすごく感動作になりそうな予感はしたけれど、
個人的にはあと一歩というところだったけど。

ウリの“今”を見るか、
“未来”も見据えるかってところで、
両親の意見の食い違いが生じるんだよね。

父親は、今のウリを大事にしたい。
施設なんてあてにならないし、
ウリも自分といたがってるんだから、
俺がずっと面倒を見るんだと譲らない。

母親は、そんな夫の身に何かあったら、
誰がウリについてやれるんだろうと、
ウリにとって一番いい施設を探してあげるんだ。

この映画は、父親の視点に立ってるから、
母親が悪者のように見えてしまいそうだけれど、
僕からしたら、
父親がやや意地になってるところはあるかなーと。

ウリが父親にばかりなつくのは、
単に彼がこれまでずっと側にいたから。
グラフィックデザインに才能があり、
世界的に有名な広告代理店BBDOで働いていたけど、
それも辞めて息子に付きっきり。
母親とも距離を置かせた。

よくある「俺しかあいつをわかってやれねえ」みたいな。
まあ、そういうのって大体「そんなことはない」んだけどね。
本人がひとりそう思い込んでるだけで。

でも、父親も気づくんだよ。
遊園地のライブ会場で踊ってるウリを見てね。
「もしかしたら、彼を縛りつけているのではなかろうか」って。
こんな楽しそうにはしゃぐ息子を初めて見たと言わんばかりの表情を浮かべるから。

その後、ウリは母親が見つけた施設に入ることにはなるんだけど、
とある事件がきっかけで出ることになる。
ここがなー、その事件ってのが事後報告でチャンチャン
ってなってたのが惜しいかなって。

ここはきちんと映像で見せて欲しかったよ。
その伏線となるシーンが前に出ちゃってるから、
あからさまな回収に見えてしまうのを避けたのかもしれないけど、
ここは一番感動するところだったから、
画で観たかった。

ラストも賛否両論ありそう。
なぜ、あれだけ父親にべったりだったウリが、
急に別の施設になじんでいるのか。
本当に突然すぎるから不思議に思う人もいるだろう。

僕は、多分、あの芸術ワークショップが関係してるんじゃないかなーと思ってる。
デザインが得意な父親を感じさせてくれるから、
父親が側にいなくても寂しくならないのかなって。

そういうちょっと気になる点があって、
いまひとつ感動超大作とまでは感じられなかったけど、
そのウリを演じたノアム・インベルの演技は凄まじかった。
よくあそこまで自閉症の役を演じきれるなと。
それがこの映画の一番の見どころかな。

映画『旅立つ息子へ』公式サイト

世界中がこの美しい親子愛に大粒の涙!!息子にすべてを捧げてきた父。独り立ちのときは、突然訪れた別れとはじまりを紡ぐ、実話に基づく感動作。3月...

映画『旅立つ息子へ』公式サイト

 


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