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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

"さようなら"がない『ノマドランド』

2021年03月27日 17時20分42秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:26/55
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ロードムービー
ドキュメンタリー風
ノンフィクションベース
ノマド
キャンピングカー

【あらすじ】
企業の破綻と共に、
長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーン(フランシス・マクドーマンド)は、
キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、
〈現代のノマド=遊牧民〉として、
季節労働の現場を渡り歩く。

その日その日を懸命に乗り越えながら、
往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、
誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。

【感想】
広大な土地を行き交うロードムービー。
何も知らずに観に行くと、
自由気ままな生活のようにも思えるが、
現実はそうではない。

これは『ノマド: 漂流する高齢労働者たち』 という
ノンフィクション本を映画化したもの。
2000年代後半から2010年代初頭に起きた
グレート・リセッション(世界的な経済衰退)を原因に、
生活が苦しくなり、
職を求めて各地を転々とせざるを得なくなった人たちの話だ。

ファーンたちはキャンピングカーに乗って、
様々な場所に出向き、
安い賃金で過酷な肉体労働に従事しており、
もはやドキュメンタリーに近い内容と言える。

しかし、その不安定な状況を嘆く様子はなく、
新しい出会いや助け合いをある意味楽しんでいるようにも見られ、
彼女らのたくましさを感じられる作品だった。

いわゆる「ノマド」のような生き方を目の当たりして、
作中のファーンたちは生活のためにそうせざるを得ない状況ではあるのだけど、
リモートワークが当たり前となってきた今の時代、
モノや場所にこだわらないのであれば、
こういう生き方もアリなのかなと思わせる。

出演している人たちも、
現実にノマドとして生活している人が多いのも特徴。
アメリカにはまさにこういう人たちがいるから共感されやすいだろうけど、
日本だとどうだろうね。
海を越えた地での話だと、
現地の人よりは現実感薄いかもしれない。

あと、この映画、リアルな描写も印象的で。
フランシス・マクドーマンドが野ションしたり、
簡易トイレで用を足したり、
素っ裸で川で泳ぐ姿など、
露なシーンを惜しげなく映し出しているところにリアリティを感じるし、
そこまでやる彼女のスタンスにも驚かされた。
邦画でここまでやってる映画、観たことないかも。

そんな彼女だけど、
ずっと観ていると大竹しのぶに見えてくるんだよね。
髪型のせいだと思うけど(笑)

現代のノマドの現実を知りたい方はぜひ。
彼らには「さようならがない」ってのもいい。
別れるときは「またどこかで」。
だから、死んだ人ともまたどこかで会えるっていう考え。

広大な土地を感じるために、
映画館で観ることをオススメします。

ノマドランド|映画|サーチライト・ピクチャーズ

2021年3月26日公開『ノマドランド』公式サイト。(原題:Nomadland)21世紀の路上のサバイバーたちを描く、ロードムービー。映画作...

サーチライト・ピクチャーズ 公式

 


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