「午前十時の映画祭9」にて。
1960年の日本映画。
とても『カメ止め』チックな映画だった(理由は後述)。
瀬戸内海の宿禰島という周囲500mほどの小さな島で暮らす家族4人の物語。
電気・ガス・水道はなく、
ひたすら船で本島に行き、水を汲み、
戻って農作物を育てるという、
ただそれだけの映画。
『サバイバルファミリー』よりもサバイバルしてた。
しかし、これはもはや映画ではなく、ドキュメンタリーである。
役者が農民を演じるというより、農民の生活記録そのまんま。
セリフは皆無。
なぜその島で暮らしているのかもわからない(笑)
これは作られた背景が面白い。
当時、経営危機にあった近代映画協会の
解散記念作品として作られたのだけど、
キャスト4人・スタッフ11人で撮影期間が1ヶ月、
製作費も500万円という低予算ってことで、
まさに『カメ止め』感ある作品なのだ。
モスクワ国際映画祭グランプリを始め、
いくつもの国際映画祭で賞を獲り、
興行的にも成功したため、近代映画協会は解散しなかったそう。
ウィキペディアを見ると、
「限られた観客を相手に、
極端に低い製作費で優れた作品を撮ることが可能であることを示し、
大会社の資本制約から離れる事で
自由な映画表現と制作ができる事を証明した」
とあるけど、
これ今『カメ止め』で同じようなこと言われてるやん、と(笑)
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