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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

農業から音楽業界へ転向してその名を轟かせた『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』

2022年02月27日 18時25分56秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:9/34
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★☆

【ジャンル】
ドキュメンタリー
音楽

【原作・過去作、元になった出来事】
・施設(音楽スタジオ)
 ロックフィールド

【あらすじ】
今から50年以上前。
ウェールズの片田舎で音楽好きの兄弟
キングズリーとチャールズが家業の酪農場を引き継ぐ。

当時、エルヴィス・プレスリーに夢中だった2人は、
農場の仕事の傍ら、
屋根裏に録音機材を持ち込み、
大胆にもレコーディングスタジオを作ってしまう。
当初は友人らと使用する目的だったが、
空き部屋を宿泊施設に改修したことで、
兄弟は無意識に“世界初”の宿泊可能な滞在型音楽スタジオ、
ロックフィールドを設立。

図らずもまたたく間に情報が広がり、
バンドマンが録音したい場所として国際的な注目を集め出し……。

【感想】
洋楽好きにはたまらないドキュメンタリー映画かと。
僕はほとんど聴かないけど、
それでも名前を知ってるぐらいの
大物ミュージシャンたちが勢揃いし、
代表曲のオンパレードだったから。
こういう“才能が集まる場”を提供できるのは、
とても素晴らしいことだと思う。

◆農業からまさかの音楽スタジオへ

ロックフィールド設立者の
ウォード兄弟は農家の家系。
両親は継がせる気満々だったけど、
本人たちにはその気なし。
10代でエルヴィス・プレスリーに影響を受けて、
音楽の道を志すも、
EMIに持ち込んだ歌は採用されず。

それでも、家に録音機材を持ち込めば
何かできるだろうとして始まったのが
ロックフィールドだ。

◆世界初の滞在型音楽スタジオ

当初は遊びのつもりだったけど、
空き部屋を塾初施設に改装し、
機材も本格的なものにすることで、
滞在型の音楽スタジオへと変貌。
業界内は狭いからかはわからないけど、
噂が噂を呼び、
そこを使いたいというアーティストが
後を絶たなかったそう。

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)
を観たことある人は覚えているだろうか。
同曲を録音するとき、
クイーンのメンバーは田舎のスタジオに籠もっていたと思うけど、
あそこがロックフィールド。

他にも、ブラックサバス、ザ・ストーン・ローゼズ、
オアシス、コールドプレイなど、
今となっては名だたるアーティストが利用した。

◆クリエイティブに最高の場

コールドプレイのクリス・マーティンは、
「音楽のホグワーツ魔法学校」と形容していた。
都会から200km以上離れた田舎。
まわりは牛や豚などの家畜ばかり。
「こんなところで録音できるの?」と。

でも、どこまでも続く緑の平原ではっちゃけ、
イカダに乗って遊び、
ドラッグにまみれながら音楽を作る。
24時間メンバーといっしょだから、
創作やアイディアの流れを止めることなく、
いい意味で囚人になれる。
まあ、同じ場に同じ人とずっといる分、
感情がぶつかり合うこともしばしばあったようだけど。

◆時代の流れには逆らえず

70年代までは次から次へと利用者がいたため、
スタジオも潤い、
運営していたウォード一家もかなり裕福な生活ができたとか。

ただ、80年代になり、
テクノロジーが進化してくると、
コンピューターで音楽が作れるようになり、
スタジオの利用も減り、
家計は苦しくなったようだ。

◆アナログのよさ

それを救ったのがザ・ストーン・ローゼズ。
数週間の契約だったのが、
14ヶ月も滞在したそう(笑)
90年代に入り、
利用者もまた増えはしたものの、
現在ではスタジオと並行して貸別荘も営んでいる。

今はコンピューターひとつで音楽が作れるから、
廃業に追い込まれている音楽スタジオも多い。
レコード会社も毛の生えたての若造に、
高級スタジオを貸して様子を見るなんてこともしない。

でも、昔ここを使ったアーティストを筆頭に、
生でヴァイブスを感じたい人には需要がある。
結果として売れる音楽を生み出すことは大事だけど、
成功するかどうかの前に、
その音楽を作り出す過程も大事にしたいのだ。
「情緒と感情と共に魔法も込めたい」
と言ったアーティストの言葉は共感できる。

◆そんなわけで

基本的には、
アーティストたちのここでの思い出話がメインなので、
彼らを知らない人にはハマりづらいかもしれないけど、
数々の名曲が生まれた
この“偉大なるモノ作りの場”を知れたのはよかった。