明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

今夜はレアル・マドリーについて語り明かそう(4)マドリーCL優勝の幸せ!

2022-05-30 20:23:39 | スポーツ・ゴルフ

レアル・マドリーがリヴァプールに勝って、CL14度目の優勝を飾った。試合は殆どの時間、リヴァプールの猛攻を受けて防戦一方だったが、後半、一瞬の隙を突き、バルベルデの矢のようなパスをヴィニシウスが押し込んで、スタンドのマドリニスタを歓喜させた!(イエイッ!)。そのまま試合の終了まで耐え続けたマドリーのサッカーは、間違いなく「世界最高峰の美しきサッカー」である!。今回のCLで何回となく見てきたレアル・マドリーの「伝家の宝刀」が、又もや炸裂したのを見た瞬間に私は確信した。・・・これはもはや「芸術」以外の何者でもない!

1、絶対的守護神、クルトワ!
今回に限らず、マドリーの戦術は基本「鉄壁の守りからのカウンター」である。それもこれもクルトワという「世界一のゴールキーパー」がいるから可能な戦術なのだ。今回の決勝で彼は9回もセーブを記録していて、そのうちの3本は「神技」とも言えるスーパーセーブであった。何れもクルトワがいなかったら、リヴァプールの得点になっていても全然おかしくなかったシュートである。ディフェンス陣も幾度となく身を挺してシュートブロックに体を投げ出し、クルトワを助けたのは流石である。とにかく、あの怒涛のリヴァプールの攻撃を零点に押さえ切った「鉄壁のガード」は、見ていても最高にカチカチの「安心・安全」のディフェンス陣であった。クルトワ最高!

2、悪の枢軸、ミリトンとカゼミーロ
「悪」とは言ってもこの場合「マフィア」のような悪辣・陰惨なものではなく、一種「悪ガキ」的な闘争心の表れたものなので、これを見に行くのもまたサッカーファンにとっては「マドリーの魅力」の一つである。準決勝のマンチェスター・シティ戦では「死闘」とも言うべきギリギリの試合の中、この二人も持っている力の「限界」まで戦って、ボロボロになるまで走り回っていた。対戦相手にとっては狡賢くて油断のならない悪人だが、根は心優しい「頼れる兄貴」なのである。何より優勝が決まった後の「カゼミーロの笑顔」が良かった。カゼミーロ、最高!

3、影の主役、カルバハルとフェデ・バルベルデ
マドリーには多士済々の選手がいる。中でもカルバハルとフェデ・バルベルデの二人は、その無尽蔵のエネルギーでアップダウンを繰り返し、攻撃はもとより守備でも大いに貢献していた。シティ戦での「カルバハル → ロドリゴ」の決勝ヘッドといい、今回決勝点となった「バルベルデ → ヴィニシウス」のステルス・ゴールといい、何れもキーパーは「呆然と見送る」ことしか出来ない「完璧」なものである。特に今回のベルベルデがヴィニシウスへ送ったパスは、誰もがベンゼマへ送った「ラストパス」だと思っていた筈。それほど「予想外のパス」だったと思う。このような、意表をついた「一瞬の隙を突く必殺技」を持っているマドリーだからこそ、決まった時の感動は「何倍にもなって」返ってくるのだ。まさに芸術、まさに「時が止まった」美しい瞬間である。フェデ、最高!

4、ベンゼマと思ったらヴィニシウスだった、
今回マドリーが決勝まで進んでこれたのは、クルトワや他の選手の献身的な努力もあったが、間違いなくエース・ベンゼマの「類まれな決定力」である。パリ・サンジェルマン戦で見せたキーパーから奪った抜け目ないゴールに始まり、幾度となくマドリーを奇蹟の勝利に導いたのは他ならぬ「ベンゼマのゴール」だった。そのベンゼマが、マンチェスター・シティ戦では中々ゴールを決められず、「不完全燃焼」で終わったように私には見えた。ベンゼマも万能ではない。いよいよ決勝という今回のリヴァプール戦でも、ベンゼマは前半に何回かあったシュートチャンスを「尽く」外しているのだ。明らかに調子の波は下がっていた。

しかし、いくら調子を落としてるとは言え、相手があのベンゼマである。ディフェンダーは万全の警戒を取らざるを得ない。フェデ・バルベルデが外からグラウンダーのパスを送った時、中に切れ込むベンゼマを「ケア」しようと、リヴァプールのディフェンス陣5人が全員で彼を取り囲みに掛かったのは、「当然の対応」の筈だったと言える。だがフェデ・バルベルデはそれを逆手に取って、ディフェンスの反対側に入っているヴィニシウスを狙って「ドンピシャ」の高速パスを送ったのである(私にはそう見えた)。ディフェンダーに囲まれているベンゼマに出すと見せてディフェンスの守りの「外にいる」ヴィニシウスに出す、という判断だ。但し、反対側にいるヴィニシウスにパスするのは、途中で待ち構えるディフェンダーにカットされる危険性も十分にある。ここは運を天に任せた賭けである。だがバルベルデの高速パスは見事にディフェンダーの密集する中を通過して、飛び込んで来たヴィニシウスの前に、如何にも「流し込んでください」という風に飛び出してきた。後は「チョコン」と合わせるだけである!。これは、絶対的エース・ベンゼマを囮にしたゆえの、リヴァプールのディフェンダーの「メンタルまで考えた」完璧なフェイントと言える。マドリーの攻撃陣、最高!

5、最後は真面目に努力したものが勝つ!
結局は「団結・献身・果敢」のマドリーが優勝した。パリ・サンジェルマンやチェルシーそしてマンチェスター・シティと、タレント揃いの強豪を次々と撃破し、最後にリヴァプールという「最強最大の難敵」に決勝で対峙したマドリー。戦前の予想通り「ボカスカと良いように打ちまくられるシュート」を必死に耐え続け、たった一度切りの「千載一遇のチャンス」にバルベルデ → ヴィニシウスという「相手の意表を突く裏口」から押し込んで、値千金の貴重なゴールをもぎ取ったのである。この奇跡の1点を、押し潰されそうなプレッシャーの中、しぶとく守り切って優勝した。日本には「肉を切らせて骨を断つ」という言葉があるが、まさにマドリーの満身創痍とも言える「捨身の戦法」が、リヴァプールの夢を辛くも打ち砕いたのである。

今回の決勝に限らず過去の強敵との試合でも、マドリーはまず徹底的に守備を固めた上で、攻める時は「FW2、3人だけ」で上手く連携して点を取っている。シティにしてもリヴァプールにしても卓越した技術を持った選手たちが、華麗なパスワークから相手のディフェンスを崩して出来た「ほころび」を突いてゴールを決めるという、「戦略で圧倒」して勝つスタイルのチームだ。ところがマドリーは、記憶に残っているもので言うと、全てが「完璧にディフェンスが機能している中」で、一瞬の空白を逃さず一撃で仕留めるという、ディフェンダーにすれば「何がどうなっているんだ?」と呆気に取られている間に、まさに暗闇に紛れた忍びの者のように「一気に懐に飛び込んで、喉を掻き切る」のである。

その極秘の技を試合中に指示しコントロールしているのが、今年の「バロンドール」間違い無しと言われている「マエストロ・ベンゼマ」なのだ(パチパチパチパチ、拍手!)。そしてモドリッチ・クロース・カゼミーロという世界屈指のMFに支えられて、ヴィニシウスやバルベルデやロドリゴにアセンシオ、はたまたダニー・セヴァージェスといった「黒子」が縦横無尽に走り回って、たった一度の「ディフェンスの空隙」を狙っている。まさに「楠木正成・真田幸村」の西洋版かと思わせるような「知恵で相手を翻弄」する戦いぶりである。私はこの「アート・オブ・ゴール」を楽しむために、シティ戦とリヴァプール戦を録画して「永久保存」した。パリ・サンジェルマン戦とチェルシー戦も、もし再放送があれば録っておきたい。

結局、今回のマドリーの勝利は誰が凄いとかいうのではなく、チーム全員が、自分たちの戦い方を信じて「最後まで力を出し切った」結果だろうと思う。だからチーム全員の「真面目な努力」の勝利である。

私は趣味でゴルフをやっているが、ゴルフもやっぱり地道な努力が報われるスポーツだ。週に2回、練習場であれこれ考えながら「こうしたら、あーしたら」と色々工夫しながらやっているのが楽しい。勿論、スポーツである以上は「運動能力や体力やスキル」の差は歴然と存在する。しかしそんな中で、我々アマチュアが見て参考に出来るのは、やはり「マドリーの戦い方」ではないだろうか。来季はメンバーがどうなるか未定だが、多少の選手の入れ替わりがあるとしても、この「マドリーらしさ」を失わずにいてくれる限り、私は応援し続けようと思う。まあ、ムバッペは「来ない」と決まったので、それなりの布陣で組み立てるしかないだろう。勿論、エムバペのような「たった一人でゴールを決められる」選手がいれば、楽である。しかしマドリーが今度またパリ・サンジェルマンと対決する機会があるとしたら、アンチェロッティは必ずや「エムバペ封じ」の秘策を考え出して、マドリーに勝利をもたらしてくれると私は信じている。マドリーよ永遠なれ!、だ。

さて今度、会社に寄るついてでに「上野のアメ横」にでも行ってマドリー関連のジャケットやグッズでも買ってこようかな、・・・いっぱしのマドリニスタを気取って・・・。


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