実は、今回の農水省のやり口に、私は個人的に大きな衝撃を受けた。柄にもなくオロオロと混乱した。
「食の安全」とは関係がないのに、「食の安全の確保を最優先する観点から、関係企業等の名称を公表する」(大臣談話)という言い方は、許されない。
批判を逃れ、「情報公開」という大義名分を守るために、被害者である零細業者の名前まで公表した。私は、「ああ、農水省は、業者を見捨てたのだ」と思った。
罪のない人たちを、こんなに簡単に見捨てるような国に、私たちは生きている。そのことがショックだった。
私はこれまで、市民向けの講演で、「中央省庁はBSE問題以降、大きく変わってきた。批判するだけでなく、その点もきちんと見てあげましょう。信頼しましょう」と言ってきた。
マスメディアは、批判をする。批判をするのが自分たちの仕事だと思っている。日本という国には、行政、役人が血のにじむような努力をしていることを評価して褒めてあげるシステムがない。でも、だれかが認めてあげないと、役人だって「頑張ろう」という気にならないでは?
そんなことを、新聞記者時代からずっと思ってきた。批判する時は批判するけれど、褒める時は中央省庁や自治体でも、自信を持って思いっきり褒めることができる。そんな力のあるライターになりたいと思って、やってきた。
重箱の隅をつつくような批判記事を書いて「市民派」のつもりでいる新聞記者やライターなんて、ごまんといる。報道はそんなものだ、という思い込みも世間にはある。
そんな安全圏での仕事はしない。そう決めて、努力してきたつもりだ。
だから、「食品安全行政は、最近よく頑張っている。だから、国をまず信頼しましょうよ。信頼感を役人たちに伝えて、さらに頑張ってもらいましょうよ」とも言ってきたのだ。
今回、「そんな私って、なんなのよっ」と正直に言って思いました。
農水省をもう信頼できない。役所があれでは、メディアがどんなにリスクについて理解できなくてでたらめを報じても、文句は言えない。
空しい。オロオロ。やっぱり私は「甘ちゃん」だったのかなあ、と思い、意気消沈した。
で、表面は取り繕って「元気な松永さん」でいるわけだが、やっぱり親しい人たちには気付かれていたらしい。言葉をかけてもらったり、メールをいただいたりした。ありがとうございます。嬉しかった。
今回は、徹底批判するべき時なのだろう。科学的根拠のある批判をしたい。そして、改善されたら、その時は認める。褒める。
結局は、その繰り返しをするしかないのだと思う。
「食の安全」とは関係がないのに、「食の安全の確保を最優先する観点から、関係企業等の名称を公表する」(大臣談話)という言い方は、許されない。
批判を逃れ、「情報公開」という大義名分を守るために、被害者である零細業者の名前まで公表した。私は、「ああ、農水省は、業者を見捨てたのだ」と思った。
罪のない人たちを、こんなに簡単に見捨てるような国に、私たちは生きている。そのことがショックだった。
私はこれまで、市民向けの講演で、「中央省庁はBSE問題以降、大きく変わってきた。批判するだけでなく、その点もきちんと見てあげましょう。信頼しましょう」と言ってきた。
マスメディアは、批判をする。批判をするのが自分たちの仕事だと思っている。日本という国には、行政、役人が血のにじむような努力をしていることを評価して褒めてあげるシステムがない。でも、だれかが認めてあげないと、役人だって「頑張ろう」という気にならないでは?
そんなことを、新聞記者時代からずっと思ってきた。批判する時は批判するけれど、褒める時は中央省庁や自治体でも、自信を持って思いっきり褒めることができる。そんな力のあるライターになりたいと思って、やってきた。
重箱の隅をつつくような批判記事を書いて「市民派」のつもりでいる新聞記者やライターなんて、ごまんといる。報道はそんなものだ、という思い込みも世間にはある。
そんな安全圏での仕事はしない。そう決めて、努力してきたつもりだ。
だから、「食品安全行政は、最近よく頑張っている。だから、国をまず信頼しましょうよ。信頼感を役人たちに伝えて、さらに頑張ってもらいましょうよ」とも言ってきたのだ。
今回、「そんな私って、なんなのよっ」と正直に言って思いました。
農水省をもう信頼できない。役所があれでは、メディアがどんなにリスクについて理解できなくてでたらめを報じても、文句は言えない。
空しい。オロオロ。やっぱり私は「甘ちゃん」だったのかなあ、と思い、意気消沈した。
で、表面は取り繕って「元気な松永さん」でいるわけだが、やっぱり親しい人たちには気付かれていたらしい。言葉をかけてもらったり、メールをいただいたりした。ありがとうございます。嬉しかった。
今回は、徹底批判するべき時なのだろう。科学的根拠のある批判をしたい。そして、改善されたら、その時は認める。褒める。
結局は、その繰り返しをするしかないのだと思う。