松永和紀blog

科学情報の提供、時々私事

大本営発表

2008-09-25 04:51:10 | Weblog
 日経BPのFood Scienceというサイトで4年半連載してきたコラムが今週、最終回となった。
 いろいろと思うところがあり、卒業することにした。支えてくださった皆さんにお礼申し上げたい。ありがとうございます。

 最後は私にとって非常に残念なことなのだが、農水省批判となった。
 事故米穀の関連業者を、「食の安全の確保を最優先する観点から」(大臣談話)、了解を得ることなく公表し始めたことに、私はずっとこだわっている。

 直接の担当者の話を私はまだ、聞けていない。だが、周辺の人たちは今回のリスト公表について「政治家からの圧力に違いない」と言う。つまり、「職員は、リスト公表が問題だと思っているが、抗えない」という解釈だ。
 
 本当は、リスト公表を受けて報道してしまったマスメディアの批判もしたかった。が、コラムとして散漫になってしまうので、やめた。

 今、マスメディアがやっていることは、大本営発表の垂れ流しと同じだ。
 リスト公表によって風評被害が起きている、と今頃テレビや新聞が報じているけれど、16日のリスト公表時点で、「この公表には問題があるから、うちは個別の業者名は報じない」という判断があってもよかったはずだ。
 自分たちは思考停止状態で、そのまんま掲載したりニュースとして流しておいて、「農水省に批判が集まっている」と平然と報じる感覚が、私には理解できない。
 一般の人たちも、もっとメディアに怒ってよいのではないでしょうか?