としちゃん&VTR250

のんびり、ドキドキ、ブランク10年のリターンライダーの日記

萩・津和野旅行 2000年

2018-10-22 18:00:00 | 旅行
萩・津和野旅行の日記

2000年 12月 萩・津和野旅行の日記

12月01日 金曜日 晴れ

全日空18時15分羽田発20時山口宇部着に乗る。
羽田空港のロビーで隣に座ったカップルの男性の方が「あれ?この航空券には、ミシン目が入ってないね。これで切れるのかなあ。」と言う。私は、つい笑ってしまう。なんだか可愛い ♪
飛んでいる飛行機の窓から三日月が見える。機上で月を見るのは初めて♪嬉しくなる。

山口宇部空港からはバスで小郡へ。駅前のビジネスホテルに泊まる。
夜に居酒屋「陽菜」で呑んでいる梅ちゃんから電話が入る。ご機嫌な様子。私はホテルの自動販売機で買ったビールを気持ち良く飲む。

12月02日 土曜日 晴れ

6時58分に目覚まし時計よりも早く目が覚める。旅行中は早起きになる私である。朝焼けが美しい。

8時25分小郡発の山口線(ディーゼル車)で山口駅へ。小郡駅の店には美味しそうな朝ご飯がいっぱい。急ぐのでそれを横目に見ながら通り過ぎる。

山口駅からタクシーで瑠璃光寺へ。タクシーの中で、おなかが、ぐうと何回も鳴る。瑠璃光寺では、五重塔、鏡を持つ可愛らしい閻魔大王、大きな木魚、巨大なりん、うぐいす張りの石畳、毛利家の墓などを見る。そして極楽への切符、五重塔の絵葉書を買う。
同じ木なのに黄色と赤色の葉をつけたもみじが面白い。

それから隣に 有る洞春寺へ行く。ここには養護施設が有って、お坊さん先生に「いやじゃ~」とおじさん声で甘える坊主頭の小学生位の男の子が居た。何度も「いやじゃ~」と言うので笑ってしまった。
見学の帰りは県庁前から山口駅までバスに乗る。

銀杏並木の商店街は開店前の店が多く寂しい。
新幹線の止まる小郡駅前の賑やかさに比べて山口駅は小さくて賑わいも無い。
「山口市は活気の無い町だなあ。」と思うが、この印象は2日後に修正されることになる。

駅の傍では食べ物屋を見つけられず、自動販売機(ホット・キッチン)のたこ焼きを食べる。意外に美味しい。

山口11時38分発の山口線(1両)で津和野へ向かう。途中の地福(じふく)駅で、後ろから来る特急と対抗する汽車の通過待ちのため19分も停車し、びっくりする。

汽車の中で山口駅で買ったふぐ蒲鉾を食べる。山口線は山の中を走る。津和野もそうだが、どこのでも明るい茶色の屋根の家を沢山見る。ちょっと不自然な色である。

津和野駅前で借りたレンタサイクルで津和野町の散策をすることにする。汽車の窓からでもひときわ目立っていた太鼓谷稲荷神社へは麓に自転車をとめて石段を上る。朱色が派手で趣きが無いので私は嫌いだ。

津和野城跡へは急な上り坂を少し自転車で頑張って上り、パーキングからはシングルリフトで上る。そこから少し歩くと城跡に着く。今は石垣だけが残っている。城跡からは津和野川に沿う細長い町の様子がよく分かる。

山を降りる途中に大きなどんぐりの木を見つけて、どんぐりを沢山拾う。まつぼっくりは二つだけにする。
パーキングの自動販売機にポッカの「おみくじら」というジュースが有り、面白いので買って飲む。「今日はぐっすりおやすみくじら。」と有り、いつも夜更かしの私は、なるほど、と頷く。

山を下りてから、森鴎外記念館(旧宅)、津和野で楽しみにしていた鯉が泳ぐ堀が有り、白壁が美しい殿町通り、葛飾北斎美術館を見る。

通りの短い間に3つの蔵元(古橋酒造、橋本本店、華泉酒造)を見つけて蔵元巡りを始める。それぞれの店で小さいサイズの酒を買う。試飲した中では、華泉の甘口の生酒がとても気に入るが、4合瓶以上のサイズしか無いので買うのは諦める。

レンタサイクルを返却して、ホテルに入る。駅から徒歩圏内だが目の前という程近くは無いので、夕食はホテルで取ることにする。なぜかステーキセット。

和食にしなかったのでホテルの部屋で寝る前に今日買ったお酒を呑む。おつまみは、ホテルの売店で見つけた一見お菓子のような漬物。甘くて美味しい。静かな津和野の夜である。そして静かに眠る。
の、はずだったが、夜中(いつもなら起きている時間)に友達から電話がかかって来て起こされる。(笑)おかげで明日行く萩のガイドブックを熟読することになり、ためになる。(ほんと)

12月3日 日曜日 午前中は雨、萩の観光時より晴れ♪

 6時過ぎに目が覚めたので7時からのバイキングの朝食に1番乗りする。しっかり食べて津和野駅前を8時5分に出るバスに乗る。津和野駅前から防長バスで萩市へ向かう。約2時間の乗車時間の内、最初の1時間は貸し切り状態。徳佐りんご園付近では赤い実がいっぱいで枝が重そうな木を沢山見る。収穫が終わって実の無い木も有る。

バスの最前列から昨日汽車で通った「地福」の町の標識を見る。途中の町で数人がバスに乗り、全部で6人位の乗客を乗せてバスは萩市内に入る。

運転手さんと乗客のおばさんの話を聞くと、平日は萩の病院へバスで通う人が居るので、もっと賑やからしい。国道9号線と県道11、13号線を通るのだが、山の中には道路の端を示すポールが立っていて、この辺りは雪が積もることが分かる。萩に着くと私を含め全員が萩バスセンターで降りる。

午前中から降り始めた雨が本降りになったが、今日の宿泊場所がバスセンターの目の前なのでさっと道路を渡る。しかし荷物を預けてコーヒー1杯飲んで外へ出ると雨は上がっていた。

萩バスセンターで1回100円(東回りバスを「松陰先生」、西回りバスを「晋作くん」と言う。)の市内循環バス(まあ~るバス)の2日券(700円)を買って萩市内の散策に出掛ける。まず歩いて山口県立萩美術館へ。

途中に今は小学校になっている明倫館跡を見る。木造の大きな建物で、校庭ではサッカーの試合が行われていて賑やかである。

萩美術館では特別展(京都の三千院より)が開催されている。ここでは栞と東海道53次のトランプを買う。

美術館から「晋作くん」バスに乗って萩城跡(指月公園)へ。萩城跡は石垣が残っている。全部見ようか、どうしようか、と迷ってガイドブックを広げていたら、250ccのスクーターに乗る神主さんが「どこへ行くの?」と話し掛けて来た。「分からないことは何でもお話しますよ。」というお言葉に甘えて萩のことを色々教えて貰う。

萩城は昔は島だったこと、地名はその土地の特徴を表していること、昔の町の大きさなど。よく泥棒の被害に遭うという自動販売機で30円のおみくじを買い(こちらではおみくじは30円のものが多い)城跡を出て萩焼き資料館へ入る。これを最初に今回の旅行では多くの萩焼きを見ることになる。

旧厚狭毛利家萩屋敷長屋(畳の敷き方が今と違って単純に並べられている)を見学してから近くの「花の江」で昼食を取る。
「萩三昧御膳」に夏みかんのムースを頼む。ふぐのフライや夏みかんの干菓子などが印象に残る。ムースは紫色の萩焼きの器に入っていて持ち帰ることが出来る。

この店では萩焼きの展示販売も有り、三輪休雪の茶碗を見る。白くてごつごつした感じである。私は萩焼きの耳掻きと2300円の茶碗を買う。

次は晋作くんバスに乗って熊谷美術館へ。ここは旧毛利藩御用商人熊谷家住宅である。目的は日本最古のピアノ(シーボルトのピアノ)を見ること。ピアノにはピアノ専用収納箱が有り、引き出しが付いていて可愛らしい。ペダルは1本で鍵盤数は少ないが、現在のピアノと基本的には同じ構造の様だ。

ここは茶道具なども充実していて素晴らしい。了入の黒楽茶碗も沢山見ることが出来る。ひとつひとつの形が違うものだ。こんなに素晴らしい所なのに他の観光客に一人も会わないのは寂しい気持ちがする。

ここからは松陰先生バスに乗って松陰神社へ。吉田松陰歴史館で蝋人形による松陰の一生を勉強する。松陰って狐顔だということがよく分かる。
それから松下村塾へ。これはテレビで見ていたイメージ通りだが、てっきり小高い丘に有ると思っていたのは間違いだった。神社にお参りして甘酒を飲んで、松陰先生バスに乗ってバスセンターへ帰る。

一旦ホテルに入るが、すぐにガイドブックを片手に町へ出る。「百萬石」という老舗の日本料理店を探すが閉まっているので 来る途中に見た新しそうな綺麗なビアレストランに入る。

メニューは和洋中すべて揃っていて、私はビールにサラダや揚げ物を頼む。ふぐのフライやこふぐの唐揚が安くて美味しい。ふぐ自身の味はあっさりしていて、他の白身魚と似ている。

帰りにコンビニでホタテマヨネーズのおにぎり、アイスクリーム、飲み物を買い、ホテルの部屋でのんびり食べる。そしてお風呂に入って今日こそぐっすり眠る。(笑)

12月4日 月曜日 早朝は雨、その後晴れる♪

 目が覚めると雨が降っているのでショックだったが、暫くすると雨は止んで空が明るくなる。それで予定通り8時5分発のバスで越ヶ浜へ。越ヶ浜のバス停から虎が崎まではバスが無いので遊歩道を歩いて行く。

遊歩道に入る前に近くで工事をしている人から親切に「遠いから止めた方がいいよ。1キロも歩くよ。」と言われるが、「1キロならちょっとだな。」と思い、お礼を言って先に進む。所々海を見ながらの快適な道で、行きはのんびり30分かけて歩くが、急いだ帰りは20分位でバス停に着くことが出来た。遊歩道では大きなまつぼっくりを拾う。

虎が崎には、椿の群生林が有る。まだ花が咲くには早いので一部の木に咲いているだけで殆どの木は硬いつぼみが付いている状態だ。2月中旬から始まる椿祭りの頃には、満開の椿が見られるのだろう。

灯台を見て、虎が崎から火山の噴火で出来たと言う点在する小島を見る。そしてつばきの館で遅めの朝食(刺身定食)を食べる。本来は食堂は10時半からの営業なのを、10時にご飯が炊けたからと、すぐに出して貰う。

釣り人や3人のダイバーを見る。この海ではどんな魚が見られるのだろうか。
車の通る道は遊歩道よりも1キロ長く、きつい坂も有ると聞いて帰りも遊歩道を歩いて帰ることにする。バス停に着く前に明神池に寄って風穴を見る。

行きには閉まっていた店ももう開いていて、生のイカ干しが美味しそうだ。擦れ違う人はコートを 着て「寒いわねえ。」と話しているが、早足で歩いて来た私は暑くて堪らない。晴れていることもあって、バスに乗るとすぐに皮の上着を脱いで扇子を出して扇いだ。本当に暑かった。

バスを吉賀大眉(よしがたいび)記念館の前(泉流山前)で降りる。ここでは「暁雲シリーズ」で有名な吉賀大眉の窯や焼き物が沢山見られる。暁の淡い赤色が美しい。

ここで初めて藤原啓の作品を見る。レンガ色のぐいのみで私の好みだ。萩焼きに使われる土も展示されている。種類が多い上に、これらの土を混ぜて使う場合も多いということだから、一口に萩焼きと言っても相当数の種類の色が出ることが理解出来る。

入り口に有る店で茶碗を見て値段の違う理由を教えて貰う。違う種類の土を混ぜると手間がかかるので高くなるそうだ。ここでは淡いピンク色の茶碗を買う。やはり高いものは買えなくて3千円のもの。

そこを出てバス1区間分歩いて松陰先生バスに乗り松陰神社のバス停で降りる。そして小高い丘に有る松陰生誕地、吉田松陰や高杉晋作らの墓、東光寺まで歩く。

山口県のガードレールは黄色(夏みかん色)なのだが、ここ萩では景観を大切にする意味で焦げ茶色のガードレールが使われている。そして松陰生誕地の近くには大きな銀杏の木が有って銀杏の落ち葉の真黄色の絨毯の上を歩くのがとても嬉しい。
松陰の墓はこじんまりした墓で高杉晋作の墓がひとつだけ1段高い所に有るのが面白い。

東光寺は大きな寺でずらっと並んだ石灯籠の有る風景には感動する。お盆の頃にはすべての石灯籠に灯が灯されるそうで、1度見てみたいものだと思う。

帰り道に多くの団体が入って来るのに出会う。ガイドさんが鬼瓦を紹介している所だった。寺を出て夏みかんのソフトクリームを食べる。手に持っただけで夏みかんの甘い香りがプーンと漂いびっくりする。旭川空港で食べたラベンダーソフトに続いてまた食べたいソフトになった。

松影神社のバス停までは近道の川沿いの道を歩く。丁度良い時間のバスには間に合わないのでのんびり歩いていたのだが、バスは少し遅れていたらしく来るのが見えたので走ったら、私を待っていてくれた。30分得をした。循環バスは車体が真っ赤なので分かり易くて良い。

バスセンターから晋作くんバスに乗り換えて城下町で降りて、ギャラリー(茶碗など)や沢山の旧宅、町並みを見る。
ギャラリーでは三輪休雪の茶碗などを見る。ここで、東光寺で会った団体に2回も会う。向こうもこちらを覚えている様だ。若者の多い団体だ。

「椿庵」という店でとても可愛らしいちょうちょのコーヒーカップを見る。結婚祝いに贈りたいなあと思うが、近くに結婚する人が居ないので買うのは止める。店主の女の人の話では、萩には100の窯元が有り、この店では35の窯元の作品を入れているとのこと。綺麗なものが沢山有る。

12月は休館中の茶碗博物館の近代的な建物や車宿の前で無人の人力車を見て、バスセンターまで歩いて帰る。バスセンターの売店で小さい萩のお菓子などを買う。

萩バスセンターから小郡駅へ15時54分発のJRバスで移動。バスは山口市内を通るので思いがけなくまた山口駅へ行くことになる。

平日の夕方のせいか、土曜日の午前中に来た時とは全然違っていて、人通りも多く賑やかだ。JR山口線では田舎の風景しか見られないのだが、バスだと街中を通るので、寂しい町だと感じた山口市内や、鄙びた温泉だと思っていた湯田温泉が、実は結構都会であることに気が付く。

速いけれども安全運転の運転手さんの運転で、ほぼ定刻17時17分に小郡駅に到着する。午後6時32分発の山口宇部空港行きのバスの券を買ってから駅に有る「郷里(ふるさと)」という店で夕食を取る。夕定食が800円で湯豆腐や刺身など盛り沢山で嬉しい。

空港行きのバスは空港まで来た時と同じく日の落ちた自動車専用道路を走る。今回の旅行中、渋滞には1度もあわなかった。

空港では買いそびれていたくり抜いた夏みかんの中に羊羹を詰めた菓子を買う。
この空港を再び利用することが有るのだろうか、としみじみと思いながら機上の人になる。

羽田に着くとすぐにバスに乗り横浜駅へ。
みなとみらいの夜景は今日も美しい。帰宅して買って来た茶碗が割れていないことを確かめて安心してベッドに入る。有意義でとても楽しい旅行になった。