●技法俳句049・配合04・安住敦
○「てんと虫一兵われの死なざりし」(安住敦01)
季語(てんと虫・夏)
【鑑賞】:「八月十五日終戦」の前書きのある句です。一兵卒として出征し、よくも無事に帰還できたなあ、という感慨を天道虫を題材にして詠んでいます。
○安住敦(あずみあつし)(1907~1988)
好きな一句「鳥帰るいづこの空もさびしからむに」02
季語(鳥帰る・春)
【Profile】:東京港区生まれ。立教中学卒後、逓信官吏練習所を経て逓信省へ。後、日本移動演劇連盟に転じ、1949年官業労働研究所に入り、理事に就任して1968年辞任。逓信省のころ、→富安風生が局長であったことが機縁で句作を始め、→日野草城の新興俳句運動に惹かれ「旗艦」に参加。官憲弾圧により改題した「琥珀」を経て、「多麻」を発刊。1946年、→久保田万太郎を擁して「春燈」を創刊し、編集経営にあたる。1963年、万太郎没後、同誌主宰となる。1971年、「午前午後」他 で第6回蛇笏賞受賞。
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安住敦掲載句
2011/10/06 03らんぷ売るひとつらんぷを霧にともし(霧・秋)〈方法・同質回帰〉
2014/04/13 04啄木忌いくたび職を替へてもや(啄木忌・春)〈次元・何度も(時間)〉
2015/07/23 05恋文のごとく書き溜め牡丹の句(牡丹・夏)〈方法・直喩(ごとく)〉
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