イギリスで英語教育法の授業を受けていたときに、教育実習で「ロンドンの大火」のところの授業を受け持つことになりました。 イギリス人なら誰でも学校で習ったことがある歴史上の大事件ですが、私はその授業のために図書館にこもって一夜漬けの勉強をしました。
「1666年(日本は江戸時代初期)9月2日の午前1時過ぎに、パン屋さんのかまどから出火して4日間にわたって燃え続け、ロンドン市内の家屋のおよそ85%(1万3200戸)が焼失したと言われています。 この事件で特筆すべきは、その時まで大流行していたペストがこの大火事で菌が死滅して大流行に歯止めがかかったということでした。」
この時は偶然の「大火」のおかげで、ペスト菌を撲滅できたわけですが、今回のコロナウイルスに対しては、世界中でSocial Distancing を守ろう!ということが言われています。
では、この言葉 Social Distancing とはどういう意味でしょうか?
まず、social (社会的)を使った英語の言葉では、social language があります。
<社会的言語>とは、人々が社会で暮らすときに共通して使われる言葉という意味です。
例えば、あいさつ。 Good morning. Hello. Hi. Good bye!
How are you? (ご機嫌いかが?)
Happy birthday! Happy New Year! Merry Christmas!
(お誕生日おめでとう。 あけましておめでとう。など)
他には: Sorry. Excuse me! I beg your pardon. (すみません・・・)
など、 また日本語では「いただきます」「ごちそうさま」など。
次に distancing とは。
言語的には、いわゆる「遠回しに」という意味で、 丁寧に言うときに使います。
Are you free this afternoon? (午後おひま?)というのを少し遠回しに:
I wondered if you were free this afternoon. (もしかして午後おひまかな?なんて・・・。)という具合です。
物理的には:距離を保つと言うことですね。
ですので、 「社会で暮らす人々の出会いの距離を少し広げて距離を保つ」と言った意味ですね。
同じ授業で、教官が、「赤信号で渡ったら、ドイツでは犯罪者だよ」(You are a criminal.) とわざわざ言っていたのが印象に残っています。
確かに日本やドイツと違って、イギリスや米国、また、もちろん!ラテンの国々では、 車が来ない時に、赤信号で待つ人はまずいません!どんどん渡ります!
日本は、諸外国が課している罰金など無くても人々はよく規則を守ります。
Social Distancing をできるだけ守って、大火で焼き尽くしたのとは違う方法でウィルスをやっつけるのを、海外の皆さんに見せたいものです。
散歩をしていたら、silver lining を雲の切れ目に見つけました。
がんばろー!