本当は楽しい英文法(オックスフォード1人暮らし日記)

中世の建物と若い学生の街-オックスフォードでクラッシックギターと向きあう第二の人生
今度は英文法をご一緒に!

本当は楽しい英文法 near (nearest) to

2019-08-30 16:34:34 | Weblog

 今年の夏には、浅間山が噴火して友人たちから「大丈夫?」のお問い合わせをいただきましたが、地元の人たちは「何も騒ぐことはない、たまにはガス抜きも必要。」と、いたって平静でした。 浅間を見上げるゴルフコースもいつもと変わらずみなさまプレーしておられましました。

我が別荘地は近いといっても浅間山火口からは8km 離れていますから。

さて、私の本を読んだマニラ在の息子から、次の質問が:

Please sit down on the chair nearest the door. は nearest to the door じゃないの? と。

お答えは、「to を使う、使わないは→どちらもあり」です。 ただ、

物理的に「場所が近い」という時にはtoは使わないことが多く、

She lives  near the golf course. (彼女はゴルフ場の近くに住んでいます。)

抽象的な意味で近いという時には to が使われることが多いようです。

I came very near to hitting his ball.

もう少しで彼のボールを打ってしまうところでした。

小学生の時アメリカ、アトランタでゴルフをプロについて習っていたので、彼は今も休日はゴルフが多いようです。

日本人ゴルファーたちが使う「和製ゴルフ英語」?にはかなり抵抗があるようです。

『「ニヤピン」と日本人ゴルファーが言うたびにフィリッピン人のキャディさんが、「Nearest to the pin. ですよね。」と言うんだよ。』と笑っていました。 

和製ゴルフ英語の有名なのには「天ぷら」がありますよね。 高く上がっってしまったボールのことをfly ball といいますが、L とR の区別がない日本人には、fly fry=「フライ」で「天ぷら」

「あの〜「天ぷら」はそもそも deep fry っていうんですけと。」 なんていちいち引っかからず、プレーに専念いたしましょう!


本当は楽しい英文法 「数の意識」

2019-08-10 17:08:55 | Weblog

都会のアスファルト道と違って、ワンコにはここの「お散歩」は楽しいことがいっぱいです。 穴に鼻を突っ込んだり、浅間山嶺の涌き水を飲んだり、夏草をかき分けて・・・。

さて、今日のお題は grass「草」は数えられる名詞か?です。

「夏草や 兵どもが 夢のあと」 はGoogleで調べると:

「武士道」の新渡戸稲造による、以下のような英語の句碑が毛越寺にあるそうです。

The summer grass, 'Tis all that's left, Of ancient warriors' dream.  

日本文化研究者のドナルド・キーンさんもこの句を以下のようして訳しているそうです。

The Summer grasses, Of brave soldier's dreams, The aftermath.  

私の持っているイギリスの文法書によると、grass (草)は「英語では数えられない名詞だが、そのほかの言語では数えられる名詞」である語として分類されています。


新渡戸さんは、英語に訳すのだからと正確にgrassとされ、ドナルド・キーンさんは、日本語的な気持ちを表そうとgrassesにされたのでしょうか?

私たち日本人にとって英語の可算、不可算名詞は分かりにくいものです。

普通「彼女は髪が長い」は She has long hair. とhair(髪)は数えられませんが、サザエさんの波平さんの場合はどうでしょう??? He has a long hair.  ???

「漫画 サザエさんの波平さん」の画像検索結果

英語の数えられない(不可算)名詞には、原材料であったり(鉄など)、液体であったり(水など)、抽象語(運など)であったり、私たちにも「数えられないだろう」と想像がつくものもあります。 他には覚えておくといいのが、沢山の集まりのもの、例えばこの「草」とか「髪」とか「米」「砂糖」「塩」などが不可算名詞です。

でも理屈通りでないのもいっぱいあります。 私の本にも書いたけど、travel は数えられないけどjourney は数えられるとか??? どっちも私たちには「旅行」なのにね。 詳しくは本を見て下さい。

では 

 


本当は楽しい英文法 「本の帯 たった二つのことに気をつければ・・・」

2019-08-08 12:41:47 | Weblog

7月半ばに我が本が出版の運びとなり、謹呈本を送ったり、何やかやで遅れた北軽井沢別荘への出発でしたが、7月末日ついに猛暑の東京を離れました。 やはりここは涼しい!

本を出版していろいろ学びました。 中身はもちろん自分が書いた通りなのですが、本の題名(タイトル)とか、帯に書かれる、いわゆるキャッチフレーズは「著者」の手を少し離れたところで決まってゆきました。 

出版社にとって本は「商品」ですから、何と言っても売れなければお話になりません。 そのためには、まず少しでも多くの人の目に止まり、関心を引かねばなりません。 名もない「新人」の本ですから。

もちろん著者としても、自分の考えを知ってもらいたくて書いたものですから、できれば多くの人に読んでもらい、考えを伝えたいものです。

「世界で一番」なんて、世界中の文法書を読んだわけでも無いし、とも思いましたが。

「世界で一番」を「いちばん」とひらがなにして柔らかくして・・・などなど。

(本屋さんの棚に並んだ私の本)

帯のキャッチフレーズは、<たった2つのことに気をつければ、英語は面白いほど使えるようになる!>に決まりました。プロが考えてのことだから従います。「はじめに」の中身も帯の言葉に合わせて少し書き足したりしました。 出版社の編集や営業の方が私の本を読んで「たった2つのこと」が大切と思われたのは、「数の意識」と「冠詞の大切さ」だそうです。 

「大切なこと」はもちろん他にもたくさんありますが、確かに「冠詞」は日本語にないので、 無頓着に使われているのを見ますね。

たとえば、これはここの近くのホテルの温泉浴場への入り口の表示です。

日本語には冠詞は無いので、「扉」には何もつきません。

でも英語のdoor にはこれが必要なのです。「必ず閉めてください。」と言っているのですから、そこらへんのどのドアでもいい、というわけではなく、この「お願い」が貼ってあるドアのことでしょうね。 それならば、ドアは特定されるわけですから the door あるいは this doorでしょう。

この「お願い」を書いた人はどんな気持ちで a door としたのでしょう? 我が編集者が注目した、「冠詞の大切さ」に気をつける、とはこのことなんですね! 「とりあえず a か the をつけておこう、英語らしくなるから・・・」ではまずいのです。

我が著書の説明では:

話し手と聞き手の間で、聞き手がそれを特定できないときは、単数ならaがつき、

両者の間でそれが何かを特定できる場合はtheがつくと考えるとわかりやすいことが多い、

と書いています。

この写真の場合は、必ず閉めて欲しいドアとは、「お願いが貼られたドア」と特定できるのでtheがつく、あるいは「このドア」と指定してthisがつくと考えられます。

でも、わたしなら、「必ず閉めて欲しい」のだから、Be sure to close the door. とするか、

Please do not leave the door open. (扉を開けたままにしないでください。) と書きますね。 「扉を閉めて」と頼むというより、「開けっぱなしにしないでね」と言いたいようですから。

もう一つの「数の意識」については次回に