本当は楽しい英文法(オックスフォード1人暮らし日記)

中世の建物と若い学生の街-オックスフォードでクラッシックギターと向きあう第二の人生
今度は英文法をご一緒に!

花比べ

2012-04-20 11:05:10 | Weblog

  

春が遅かったので、 梅と桜が重なって咲いてくれましたね。

昨日まで3泊4日の北陸旅行に主人と行って来ました。 日本国内を旅行した事は、 海外から一時帰国したおりに、ちょっと旅行する程度で、 九州への新婚旅行以来あんまり記憶にありません。 今回は兼六園、山代温泉、 東尋坊、 永平寺とまわりました。

残念ながらパソコンの調子がまた悪くなって、 たくさん写して来た写真がアップ出来ません。 と言う訳で、 いろいろ楽しい出会いもあった旅の報告はこの次にして、 あんまりご無沙汰して忘れられるのを恐れてお花のおハナシを・・・。

ジャカランダ

 

最初の駐在地ブラジルのサンパウロに入ったのは4月で、ちょうど雨期が終わり、日本とは逆さまの季節でこれから冬に向かう秋でした。 大きな木に華やかに咲く紫の花はジャカランダだと教えられました。 ギターの材料になる木ですが、 最近では輸出も禁じられていて入手は難しいと聞きました。 美しい花でしたが、 ラテン系の華やかさの反面、 なかなか散らないので、 儚さは皆無でした。

マロニエ

次に住んだフランス、パリではマロニエの花が初夏を彩りました。 赤いのと白いのがありました。

秋になると、 いがに入ったマロニエの実が落ちてきました。 パリのマロニエは背が高く、 まともに頭に当たると痛そうだと、子供のお散歩の時は乳母車にカバーをしました。 落葉も、 木の高さがあるので、 無数の大きな黄色い葉が、長い時間をかけてひらひらと舞い落ちてきて、 こう言うのを見て音楽家は雄大で豊かな交響曲を書いたのではないかしら?と思ったりしました。 後で、日本にも似た葉っぱの木があって、 それをトチノキと言うのだと知りました。 でも、高さがまったく違います。

その次に住んだのは、米国、ロスアンジェルスの高級住宅地でした。 どの邸宅にも、ヒスパニア系の移民たちの庭師が雇われていて、前庭はそれぞれ美しく手入れされていて、 バラやいろんな花々が咲いていました。 しかし、 その花を愛でて家の前の路を歩く人は皆無。 太陽の光にあふれ、 花にあふれた街の風景に人間が居ない不思議な光景でした。 車社会とはなんと非人間的な事か!

ハナミズキ

 

南部のアトランタに住んでみると、同じ車社会のアメリカでも、コミュニティの中では、人も子供もある程度は歩くし、 南部の人たちは人懐っこくて、 住めば都。 ロスから移り住んだのはやはり春先で、 「森の中に夢のように白く浮かぶあの花はなに?」と訊くと「ドッグウッド」との事でした。 それがハナミズキとの初めての出会いでした。 帰国しても懐かしく、 今、庭には赤と白のハナミズキを植えています。 今年もそろそろ花が付きはじめています。

次はインドネシアのジャカルタ。 ここは家族は同行せず、 時々主人の仕事に同行する時や、息子たちも連れて遊びに行きました。 もちろん、発展途上国の人々の貧富の差は激しく、 富裕層の住むあたりや、我々が泊まったバリ島のホテルなどには、蘭の花が咲き乱れて、 ブーゲンビリアがあふれ、花の香りがむせ返るようでした。 池には蓮の花が浮いていました。   

でも・・・四季がない、 常夏の国には花はいつでも咲いていて、 いくら華やかでも日本人の心の琴線には触れる事がない気がします。

そして最後のイギリス。

ここでは代表する花と言うより、 熱帯地方とは逆に、 長く寒い、殺伐とした冬が、 復活祭を境に春へと変わり,それこそ、 再び命が復活するがごとく、 一気に花が咲きほこり、鳥がさえずり、春の喜びが爆発します。 今まで住んだ外国の中では、 最も自然や花や動物を愛する人々は、このような環境から生まれたのでしょうか?

そんなイギリスの人は、「桜前線」 や「紅葉狩り」と言う言葉を持つ日本人の自然との関わりを、 とても親近感を持って見ているようで、 テレビで紹介しているのを見ました。

そして、 やはり、日本の花はなんと言っても桜の花です。 北陸の満開の桜に酔ってきました。 花の命の短さ、 散り際の美しさ、 やっぱり我らの精神のバックボーンはさくらですよね。