ヴィード アンティークブログ

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古時計、直しました(その1)

2011年06月30日 | アンティーク

以前、古時計の修理をお願いしに行ったことはお伝えしたのですが、

その古時計が、ヴィード古江店に戻ってきました!

一つずつ、紹介しますね。

まず、こちらの時計です。

こちらは、イギリスの時計で、1930年に作られたものです。

1930年のイギリスといえば、「ロンドン海軍軍縮会議の開催」があります。

きな臭い時代ですね……。

 

そんな時代ですが、この時計は、どうやら教会で使われていたようです。

毎朝、鐘を鳴らす修道士がこの時計で目を覚まし、鐘をついていました。

薄暗い、軍靴の足音が聞こえてくる時代。ロンドンでは潜水艦の保有量について話し合っていたその時、同じ国の教会では、毎日同じ時間に同じ時計で目を覚まし、同じように鐘を鳴らす修道士がいたのですね……。

そう思ってみると、この時計は、シンプルで、いかにも質実剛健な印象があります。

使われている木材はオークです。

 

時計をもう少し詳しく見てみましょう。

蓋を開けたところです。

振り子時計です。カチカチと規則正しい音がしています。

左奥にあるのが、目覚ましのベルです。このベルを叩くことで、音が鳴ります。

ローマ数字の文字盤です。

実用目的に作られたからでしょう、時間がとても分かりやすくできています。

ねじまき時計で、右のカギ穴にカギを差し込み、ねじを巻きます。

左のカギ穴は、ベルのためのネジです。

ちなみに、当時のカギもきちんと残っています。

 

修理にあたって、機械部分のクリーニングと油注し、文字盤の調整、時間合わせの調整などを行い、ほぼ正確に動くようになったのですが、ひとつ、どうしても直らないところがありました。

これは、向かって左横面の一部です。

ふたつ穴があいて、片方からは突起が出ていますが、これは、目覚ましのベルを止めるための装置です。

ここが壊れていて、一度ベルが鳴ると、止めることができないのです。

なので、音が鳴らないようにするしかありません。残念……。

でも、これ以外は問題がないので、リビング等に置くには、時間も正確だし、雰囲気のあるステキなインテリアになります。

 

戦前のイギリスの教会で、毎朝律儀に修道士を起こしていたこの時計が刻む時の音、じっと聞いていると、心が静かに落ち着くような気がします。

 

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7月の定休日は、12日(火)と19日(火)です。

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