以前、古時計の修理をお願いしに行ったことはお伝えしたのですが、
その古時計が、ヴィード古江店に戻ってきました!
一つずつ、紹介しますね。
まず、こちらの時計です。
こちらは、イギリスの時計で、1930年に作られたものです。
1930年のイギリスといえば、「ロンドン海軍軍縮会議の開催」があります。
きな臭い時代ですね……。
そんな時代ですが、この時計は、どうやら教会で使われていたようです。
毎朝、鐘を鳴らす修道士がこの時計で目を覚まし、鐘をついていました。
薄暗い、軍靴の足音が聞こえてくる時代。ロンドンでは潜水艦の保有量について話し合っていたその時、同じ国の教会では、毎日同じ時間に同じ時計で目を覚まし、同じように鐘を鳴らす修道士がいたのですね……。
そう思ってみると、この時計は、シンプルで、いかにも質実剛健な印象があります。
使われている木材はオークです。
時計をもう少し詳しく見てみましょう。
蓋を開けたところです。
振り子時計です。カチカチと規則正しい音がしています。
左奥にあるのが、目覚ましのベルです。このベルを叩くことで、音が鳴ります。
ローマ数字の文字盤です。
実用目的に作られたからでしょう、時間がとても分かりやすくできています。
ねじまき時計で、右のカギ穴にカギを差し込み、ねじを巻きます。
左のカギ穴は、ベルのためのネジです。
ちなみに、当時のカギもきちんと残っています。
修理にあたって、機械部分のクリーニングと油注し、文字盤の調整、時間合わせの調整などを行い、ほぼ正確に動くようになったのですが、ひとつ、どうしても直らないところがありました。
これは、向かって左横面の一部です。
ふたつ穴があいて、片方からは突起が出ていますが、これは、目覚ましのベルを止めるための装置です。
ここが壊れていて、一度ベルが鳴ると、止めることができないのです。
なので、音が鳴らないようにするしかありません。残念……。
でも、これ以外は問題がないので、リビング等に置くには、時間も正確だし、雰囲気のあるステキなインテリアになります。
戦前のイギリスの教会で、毎朝律儀に修道士を起こしていたこの時計が刻む時の音、じっと聞いていると、心が静かに落ち着くような気がします。
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7月の定休日は、12日(火)と19日(火)です。
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