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民法改正のスケジュールと司法書士試験への影響

2015-10-04 | 法律の情報
民法の債権法の改正については、今年の通常国会で成立しなかったのはご存知の通りです。
安保関連法案でもめにもめていましたからね。

では、次の臨時国会かといえば
こちらも成立は厳しいようです。
今度は労働関係の法律が優先事項のようです。

順調にいって、次の通常国会でしょう。

しかも、施行まで約3年あけていますので、
司法書士の試験に直接影響するのはだいぶ先の話です。

しかし、司法書士試験に間接的な影響はすでに出始めています。

最近の公開講座・出張講義のネタを少し紹介しましょう。
夏から公開講座などで使っていたネタの1つですが、
しばらくそのような機会はなさそうなので、ブログで公開です。

司法書士試験では、改正されそうになると、改正前にお土産的に出題してしまうという傾向があります。
ですから、債権法改正で「制度変更される論点が危ない」のです。
しかし、債権法の改正は、多岐にわたっているので、意味がないとも思う方もいるかもしれませんが、そんなことはないのです。
改正案を読めばわかりますが、債権法の改正は多岐にわたるとはいっても、重要な制度変更は実はそんなに多くはなく、
そこが狙われるだろうと思うのです。

なぜかあまり指摘されないようですが、
事実、今年の試験でも結構な影響がありました。

たとえば、
不動産登記記述で、
「電子記録債権が根抵当権の債権の範囲に含まれるか」
という問題。

実は、今回の債権法改正で電子記録債権が債権の範囲に含まれるという改正がされるのです。
登記実務を事後追認するような改正です。

こんな経過から、
この論点については、僕は「今年出題されるかも」と試験前に講義で言っていました。
ただ、僕自身、あまり本気ではなかったので、今年向けの講義ではなく、しかも講義前の雑談で言っただけですから、全然威張れるものではありませんが。

受験予備校は、「なんでこんな問題が出たのか」という論調ですが、明らかに民法改正の影響だと僕は個人的には思っています。
っていうか、どう考えても、改正されるから出したとしか思えないってくらいピンポイントだとおもいませんか。
今回の改正で、物権の範囲で重要な変更点はこれくらいですから。

あとは、選択債権。

選択債権の最大の目玉といえば、
「選択権を有しない当事者の過失による不能は特定しない」って論点ですよね。

実は、あの条文、今回の改正で削除されます。
これは今のうちに出題しないわけにはいかないでしょ。

じゃあ、いつだすか、今でしょ!って当然なります。
で、実際、出題されたというわけです。
要綱仮案をみたときに、「これは出題可能性は高まった」と思っていました。

今年の本試験への影響は
商事時効とか、あげればまだまだあります。


ということで、民法改正についても
対岸の火事というわけではないのです。

受験生としては、
民法改正を勉強する必要はまだありませんが、
今述べたような形で改正論点を意識して学習することはプラスになるかと思います。

使える情報は使ってしまう。
そして、
合格してしまうということが重要ですね。

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