歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

鋼の再アニメ化を、とても素直になんか喜べない、あなたへ。

2008年08月27日 | ◆アニメのこと
愛したものを踏みにじられる気持ち。
わかります。

「じゃあ、アニ鋼は『なかったこと』にされるの?なんて酷い!原作至上主義?なにそれ、私はアニメだから好きになったのに!」

「原作とアニメは別物だから、耐えられたのに。 原作準拠とか言って勝手なもの作られて、それが本当の鋼だってことにされたら、私もう、どうしていいかわかんないよ・・・」


わかります、ですって歌猫さん。何言ってんの?こんなに浮かれててさ?

うん。私は、再アニメ化、嬉しい。
でも、喜べない人の気持ち、わかる。

それでね。
喜べないあなた。
きっと、あなたは、最後まで。再アニメが始まって、終わるまで、その後も、きっとずっと、素直に喜べないと思う。

ネットで賞賛する記事を読むと、意味も無く悔しくて、それからなんでこの人アレが好きなの?と真実不思議に思ったり。
ネットで貶す記事を読むと、やっぱりそうだよね!とか思うけど、その暗い喜びに浸る自分が本当に嫌になったり。
自分の中にこんなに攻撃的な気持ちがあったなんて、と、力なく笑ったり。

だったら見なければいいじゃない、と思っても。
その作品が好きだから、どうしたって目が行ってしまう。ネットにも雑誌にも話題があふれ、それを避けようと思ったら目的地にも辿り着けない。

もう、私は見ません。
もう、私は語りません。
そう宣言して、そしてその通りにできるなら、どんなにか楽だろう!

悲しくて憎くて苦しくて、振り回されてる自分がばかばかしくて情け無くて。
好きになりたい、と思う。一緒に喜べたらいいのに、と思う。
でも、できない。

あなたは、これからずっと、苦しいと思う。

それはね。
もう、仕方が無いの。
悲しいけど。
優しい誰かが、アレはあれで良いじゃない、って言ってくれても。
あなたの気持ちは、あなたのものだから。


だから、私が言えるのは、その苦しさを、少しだけ和らげる方法。

私の場合は。
作り手の思いを読むことで、少し、和らぎました。
売り手、ではなく、作り手、です。
元アニメーターさんからの評価とか。
アニメとは別のクリエイター関連の、どうしようもなくても、あがく、現場の仕事人の話とか。
友人の、とても冷静な指摘。「踏み台に利用するのはいい。それで高みに行けるなら」「優れた人はどんなダメな仕事からでも学ぶことができる。逆もまた然り」
よしながふみ「あの人とここだけのおしゃべり」に収録の、よしながさんと羽海野さんの対談も。私の場合は。

それから、部分を見ること。
全部を認めることは、とてもできない。でも、真っ黒に塗りつぶさないで、どこかひとつ、ふたつ、色のあるところを、見つけること。そこだけなら許せるところ。

そうやって、少しだけ、和らげることができました。


作品は、商品。
売れてナンボ、知られてナンボ。
でも、やっぱり作品は作品で。ワタシの中に残るのは、商品ではなくて、作品なんです。

ごめんね。こんなことしか言えなくて。

もし、再アニメが作品として優れていたなら。
そこだけなら許せるところ、が、3つか4つに増えるかもしれない。許せる、だけじゃなく、そこだけなら楽しめる、まで解きほぐせるかもしれない。
そうなることを祈って。

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2 コメント

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うまくいえませんが。 (1819)
2008-08-29 01:27:39
いつも拝見していますが、コメントは久しぶりな気がします。
自意識過剰かとも思ったのですが、この記事は私に語って下さっているように感じました。
歌猫様のお言葉にはリアルな強さと優しさがありますね。
語る対象が不特定多数であったとしても私の心にも響きましたよ!
なんだか今回の再アニメ化がものすごく頭にきて、自分の所で過激な記事を書いてしまいましたが、視野が狭かったかもしれません。
でも、頭で理解はできても心は本当に自由になりませんね。
いつか再アニメを見る気になるかどうかは正直まだ自分でもわかりません。
ただ確かなのは、今私が原作鋼をとても好きだということと鋼が盛り下がったらやはり悲しいということです。
矛盾しているようですが、自分が見たくないにしろアニメの不評も聞きたくないのです。
原作に火の粉がかかることが嫌なだけかもしれませんが(苦笑)。
「雑談~」のコメントの中で他の方々のお気持ちも拝見できてよかったです。
(第一期アニメファンの方の今のお気持ちとかってガチガチの原作ファンの私とはまた別の切なさがあるんじゃないかと漠然と思っていたので。)

うまくいえませんが、歌猫様ありがとうございます。
乱筆乱文失礼しました。









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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2008-08-29 06:58:55
1819様こんにちは!
はい、そうです。1819様の記事読んで、コメしたいけどうまくできなくて、記事になりました・・・。
届いて、その上コメまでくださって、嬉しいです。ありがとv
>頭で理解はできても心は本当に自由になりませんね
うん。そうなの。
>自分が見たくないにしろアニメの不評も聞きたくない
うん。
好きすぎると、ほんとに、苦しいよね。なーんでたかがマンガでこんなぐるぐるしちゃうんだろーって思うよね。やだなあオタだなあ、とか自分をさ・・・(苦笑)
ぜひ、「あの人とここだけの」読んでみて?本のメインはBLだけどそこは飛ばして、海野さんとの対談を。BLお嫌いなら白泉社メロディ07年4月号に掲載の再録だから、そっちでも。
あと、私はアニメ化時に原作に会ったからアニメ苦しく無いんだけど、でもやっぱ思うことはあって、すごく昔のだけど05年2月5日の記事も、もしまだでしたら読んでみてください。トップ記事からお勧め記事「アニメと原作」でリンク張ってるやつです。
そしてね。大丈夫だから、絶対。原作、力あるから。連載3年目であれほどの嵐を乗り越えて、糧にさえしたんだもん。今、再アニメ化で、それでどうになるなんてこと、無いから!
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