歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

鋼の錬金術師FA 最終回感想

2010年07月16日 | ◆アニメのこと
FA最終回

ああ。もう、Gyaoも終わってしまうんだなあ・・・。
と、いう訳で、原作最終回感想その2をまだ書いてないんだけども(黒マリモのこととか・・・)、先にFAの感想を。

まずね。一番良かったのは、エドウィン☆駅で大・告・白!の場面!!!!
もうもう、何度も何度も見ちゃう。だって、かっわいいんだものっ!!!!
原作より少し優柔不断なエド。上の空の返事とか、汽車が来ておびえて(笑)いるとことか、最初っからもー、ニヤニヤですよ!
これ、その手前にすっごい前向きなアルの場面があるから余計に、あれ?って思わせるんだよね!ここでコクる場面が来るって知らないアニメ視聴者さんも注意を引くこの演出!あーもー上手いなあ!!
そんでさ。「ぜんぶあげるわよ」がすっごい、さらっと、思わずって感じに言うのがまた。
い い ん だ よ なあああーvvv
そんで、8.5?そんくらいなら、ってやるウィンが、原作だと照れてるかわいい女の子だけど、FAはツンデレちゃんなのよね!この微妙にしてはっきりした差のつけ方!!!
ぎゃははは!って笑うエドのかわいさ。ウィンをみつめる横顔の男らしさ。行って来る、とウィンを抱きしめる後姿。うん、行ってらっしゃい、の思いがけず明るい声。
つまんないじゃない?のウィンの、輝くような笑顔!!
この場面、もう、いっちばん好きーーーー!!!


それから、上手い!!の場面は、グラマンの場面。
ここはねえ。うまいねえ!
グラマンの台詞の間がね。「この上なく」ここで切って「不真面目ですよ」 この演出!!
セリムの足音がちゃんと手前に入ってるのとか、この場面は間の置き方、ツナギ、すっごい好みだった!!!
そんで、グラマンの納谷六朗さんの声が、ほんっと良くてね。人間くささ、食えなさ、軽さ。

何と言っても、「ホムンクルスと人間・・・」の台詞をナレーション的に入れて、そして「いくつになってもワクワクするねえ」でグラマン自身の台詞に落とす、この演出がすばらしい。
キャラの声で、ナレーション的に(外の視線で)「物語の真実」を語り、それをキャラ自身の言葉に落とす(内に入れる)ことで、視聴者自身に染み込ませる。
ここは、水島劇場版の最後の方のラングの台詞、夢だからこそ映画を作り続ける・・・の、あの上手さ、深さに匹敵する演出でした。
んで、ここがしつこいと最後のエドの声によるナレーション=物語の真実、が霞んでしまうから、あくまでもさり気なく軽く。
あー。好きだー!この職人技が、老人と老人の会話で表されるとこが、好きだー!
ベテラン声優さんの競演は、FAの宝のひとつですよねえ・・・!


最初のほうに戻るけど。
ロイたちんとこに、ブリッグズのモブに食われて影が薄くなってしまった東方司令部の面々を集めてくれたとこ。FAの優しさを感じてすごい好き!ファンへの、キャラへの優しさ。
原作では事件直後の混乱ん中でのこの場面。アニメは1週間置くから作品内の時間も数日あとにして、だからもうロイの態度はこうだろう、周りの部下はこうだろう、そういう計算とともに。
荒川弘の原作を、否定の上書きするんじゃなくて、あっちはあの時だったからあれ、こっちはこの時だからこれ、と、そうやって分けてくれる、そういうね、大野木さんの粋な優しさ、頭の良さが、私は大好き!
FAは、例えば原作で触れるブリッグズ兵と中央兵の諍いを、描かない。真理に「持って行かれた」ロイの視覚をマルコーが治療できるような言い方をする。
見る人によっては「ヌルい」。そういうところが確かにあるんだけども、私はその、FAの甘さがね。7割がた自覚的に、「わかって」やってるとこが、すごい好きなんだー。
だから。FAの最後んとこ、大総統?になったロイの後ろにいるモブが軍服ではなく、ネクタイを締めた人たちなのは、絶対に意図的だ。ロイの部下達ももう軍服ではない。ロイは民主制を敷き、シビリアンコントロールの中で、すでに頂点ではない地位たる大総統となった、のかもしれない。

けど、決定的なミスが。
「二毛作じゃなくて二期作ね」
ち・が・う。二毛作は別の作物。二期作は同じ作物。麦と綿花がそれぞれ年に二回収穫できるなら「痩せた土地」じゃーないだろが!
ここは
「二期作で」
「二期作じゃなく、二毛作ね。主な作物は」
「麦と綿花だ」
ってすべきだろ?
そんで、鋼FAは水島版の二期じゃねーよ、別の作品だぜ?って、さりげに主張する、そうゆーネタが仕込めたとこなのに、ああっ、もったいねー!!

アルの場面。
エドにまだ直らないの?って、原作でも案外キツイ台詞wとか思ってたらアニメでは更に強調されてたwww いいなあ強気なアル。でも優しいアル。
グレイシアさんとこ以降のアルが美麗だ!大人っぽい顎のライン、でも目は大きくてかわいくて、ああ、アルってかわいいよねえ。かわいいかわいい、かわいいなあvvvv
そんで、ザンパノとジェルソんとこの場面のリキ入り方に笑った! 野生の感が!の大仰な亀田原画も笑うけど(ギャグにリキ入れる!これもまたFAらしさ!)その手前のレストランの、光のつけかたとかそのあたりが、凝った絵づくりで。
いや、斜め上から光が射す演出とかはむしろグラマンの藤棚の下とかそっちに使えよ。なんだよこの無駄なリキの入り方!(笑)だがそこがイイ!! 
グレイシアさんのキッシュのぜんっぜん美味しくなさそーな絵から、この「なんだかわからんが美味そう」へ、料理の絵も成長したねえ~(笑)

そうそう、今回、作画監督が6人なのよ!!6人って何事?もう総力戦どころじゃねー!(笑)お前ら何でもいいからみんなやれ!みたいな?ものすごい数を作画さんにばら撒いて、ものすごいスピードで回収したんだろうなあ!
見返すと、パートパートでやっぱり絵の上手下手があるじゃない?病院シーンとか手が顔に対して小さい感じの素人っぽい絵が混ざってるし、だいたいハボの入院ときの病室デザインがあるだろうのにあの貧乏くさいパイプベッドは何さ(笑)。でも個々のアップ絵はしっかり締めてて、ロイの表情とかすごい良くて、ああここは作監さんが直したな、ってわかる。
その作監さんがまたそれぞれ特徴あるでしょ?エドとアルが帰ってくるとこの痩せたアルの、私の好みじゃない角ばった顎のラインはあの人だよねえとか、唇にハイライトを入れて少し大人っぽい絵はあの人。作監さんの名前まではぱっと出てこないけれども、そうそう、この絵あった。この絵柄あったよ、って絵を見るだけでもFAを振り返る、そういう楽しみがあった!!
入江監督が原画したとこってどこなんだろ?知りたいなあv
あと、最後のエドの家族写真。あれ、ヒューズが見せた、グレイシアが指立ててちょっとおちょけてる写真、あれ描いた人と同じだよね!?指立ててヘンなポーズ(笑)してるのも、パニーニャの生き生きした目の表情も、おんなじ。
家族写真、というキーワードで重なる絵柄。きっと私たち視聴者が気付く以上に、様々なキーワードでつながる、過去の思い出の場面と重なる絵を、それぞれのスタッフがそれぞれの思い入れをこめて、死に物狂いなスケジュールん中、ナチュラルハイで描いていたんだろうなあ・・・!ああ、楽しそう!

最後の場面。
汽車、青空、太陽。と、鋼の「原点」な景色を映して。
そこにNICOだよ!これはびっくりした!気持ちのいいびっくりだった!!
私、原作エンディングのあとはずーっとしょこたんリピートだったの。遠い空、切ない気持ち。ホーエンハイムが死ぬって思ってなかったのに、彼の最期と原作エンドは同時だったから、その切なさに、ずっとエドが見上げる空あるいはアルが見上げる空、その向こうのもう会えぬ父、そういうイメージ繰り返してた。
でも。
そうだ!FAは立ち止まらない。立ち止まらないんだ!
真っ白な景色の。
まだ見ぬ世界へ。
なんてぴったり!なんてふさわしい歌詞!!
そして、しみじみと思った。FAスタッフは。ボンズのスタッフは、例えば歌手の格、といったものをさっぱりと捨てて、ただ、最も合う楽曲に、曲さえも自分たちの世界に取り込み描いてしまう。過去や周囲の様々な圧力にずっと耐えてきたからこそ、64話目というソニーとの契約話数を超えた(たぶん)1話分の自由裁量を手に入れ、そしてそこに、ケミじゃなくてNICOを持ってくるんだ。
なんて、爽やかな。

FAは優しくて強かな子だった。原作母の威光に霞む、水島版の凡庸な弟として歩みだしたFA。でも彼は誰よりも頑固者で、そして自分自身を信じてた。
だから自分の道をみつけ、彼だけの輝きを手に入れた!
ああよかった!本当に良かった!!!

鋼FA。大好きです。こんなにも強く育ってくれて、鋼の錬金術師の世界を広げてくれて、ほんとうにほんとうに、うれしい。入江さんにとっても、スタッフの皆さんにとっても、鋼はきっとこれからの人生の糧になる。ただ見てる私にさえ糧なんだもの、作った皆様にはいかほどの価値となることか。
スタッフの皆様、長い間、お疲れ様でした!そして心から、ありがとうございました!!!!


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5 コメント

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Unknown (きりしま)
2010-07-16 16:43:42
歌猫様はNICOのOPが好きだと記事に書いておられましたね。ひょっとしたら鋼大好き歌猫様への特別サーヴィスかもですよ?(笑)
私もあの選曲は素晴らしいっと思いました。
歌詞も曲調も最後にふさわしいものでしたよ。
爽やかで前向きで青春で、兄さんとアルの人生はこれからだ!みたいな。
…でもちょっとだけ寂しくて切なさを含んで、ね。(本編終了の締めの曲なので「ほなさいなら達者でな」と兄さんに言われているような…)
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FA最終回 (sea)
2010-07-16 17:43:57
歌猫様こんにちは!

最終回良かったですね~少し駆け足気味だったにも関わらず、エドウィンはたっぷり見せてくださいましたvv

もう語り尽くせない程あの場面見る度ニヤニヤしてました(笑)

アルに
「ウィンリィの事いいの?」
って聞かれた時からエドの中で2年間言うか言うまいか悩んでたんですかねぇ?
それもまた良し!!!(笑)

汽車が来たときの反応といい、おびえ(笑)た感じの顔といい、原作は男らしいけど、FAじゃヘタレな兄さんがまたニヤニヤをプラスさせられます(笑)

エドの笑い声も良かったです!いつもなら苦笑とか微笑とか心に余裕が無かったって感じだけど、こうやって腹抱えて腹の底から笑えるくらい平和になったんだなぁと嬉しく思います!

また朴さんだからこそ、エドらしい味が出せるんでしょうね。

これはもう鋼生み出してくれた荒川先生と朴さんが声優さんになってくれた奇跡ですよね!

最後のホログラムも良かったですよね!
全体的にすごく前向きな歌詞なので、今の兄弟にはピッタリです!

長文失礼しました(汗)
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よかった (Ban)
2010-07-19 23:41:34
満足です!!

特に最後にホログラムは歌猫さんと同じように感じたので・・確かに気持ちが切り替わりました。

一つだけ不満は、ロイの鋼のに怒られるかもしれんがと言う所だけです。
今のエドはロイがそれでもその選択をした気持ちを理解する事が出来る器を備えていると思います。
ちょっと前なら怒ったかもしれませんが・・

でも最後の二話本当によかった。エドの子供も原作よりかわいかったし(笑)
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今さらながらブック・イン・フィギュア (アルミ)
2010-07-21 23:38:55
今さらながらREDを手に入れることができました。原作に忠実な精巧な作りだし、何より荒川先生の書き下ろしに感動しました。気になるのはBLUE、BLACKの小冊子の内容です・・。
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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2010-07-25 10:34:19
きりしま様こんにちは!
某所では本当にお世話をおかけいたしました・・・。ありがとうございました。
エンディングの選曲、素晴らしかったですよね!ずっと未来へ続いていく、爽やかな世界。
目に涙が滲んじゃうのは青空とエドの笑顔が眩しすぎるからだい!!(笑)

sea様こんにちは!
エドウィン、たっぷり時間とってくれまいしたよねえ!私も何度も見てはニヤニヤしちゃいます。
原作はニカッと子どものようにワクワクしてて、子どもみたいなプロポーズして、そんで「等価交換の法則なんざ」で超色っぽい男のカメラ目線!!ああ、エドかっこいい・・・!
アニメは年相応に迷い、おろおろして必死でプロポーズして、そんですごい優しい瞳でウィンをみつめ、抱き寄せる。ああ、エドかわいい・・・!
どっちもすっごい美味しくて、FAありがとう!!って感じ!
>エドの笑い声
うんうん!その前63話の最後の錬成陣書いてるエドの微笑みもよかったし、帰ってきたとこの笑顔と明るい声、そしてここの爆笑もすごいよかった!うひゃひゃひゃって、その声がもうカワイイーvvv
私もエドを朴さんが演じてくれて本当に良かった!って思う。ウィンの高本さんもデビュー3年目で掴んだ大役に見事に答えてくれたし、鋼の声優陣は前作も今作も本当に素晴らしかった!
本当に、良かったですよね!

Ban様こんにちは!
>ロイの鋼のに怒られるかもしれんがと言う所
でも、ロイも、怒られるだろうが止められはしない、というところまで分かってるんじゃないかしら?エドは反発しつつも受け入れる、分かってても反発してしまう、そういう子だから・・・←エドLOVE視線(笑)
最後の二話は本当に素晴らしかったです。ホーエンハイムエンドの優しい切なさ、兄弟エンドの爽やかさ!
原作のニカッって笑う絵は本当に男の子っぽくて明るいけど、ちょっと品が無い(笑) FAの上手い絵はそこにほんのり美麗パウダーをかけてくれるので、かわいさアップ!!(笑)

アルミ様こんにちは!
わー!おめでとうございます!!フィギュアはエドの表情とアルのフォルムが実に良くていいですよね!書き下ろし短編も最終巻とかに収録してくれないかしら・・・? BLUEの短編はガンガンONLINEで公開されてるFLASHです。BLACKはフィギュアじゃなくて冊子も無かったと思います~。
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