散歩「天上大風」
散歩
岡潔エッセーより
良寛さんのこの「天上大風」の話をしようと心に決めた。
しかも、あくまで私流の話をするしかない。
この「天上大風」の中でも一つのポイントは「大」の字にある。
地上には春二番の風が吹いているが、
天上にはもっと悠容とした心豊かな「大風」が吹いている。
子供たちよ、そういう「大風」に乗って心の広い大き人間になってほしい。
ケチケチした、こましゃくれたつまらない人間になるな。
そんな気持ちになっていた。
実は、この朝六時に目が覚めた私は洗面含漱をすますと、
書斎の机に向かって、三つの四字熟語を並べて書いていた。
良寛の「天上大風」 西郷さんの「敬天愛人」。
そして会津八一さんの... 「山河微笑」......
その貫通する心は「大の字を学習せよ」。ということになる。