超音波システム研究所

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<新しい超音波システムの制御技術!!> ジャグリング制御

2024-08-23 18:42:50 | 超音波システム技術

超音波



<新しい超音波システムの制御技術> ジャグリング制御

動画の事例<超音波振動子:1台の場合>

ガラス容器の特徴を利用した設定により、
 超音波(キャビテーション)と
 音響流を確認することができます。
 その結果として、超音波の状態を制御することができます。
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<新しい超音波システムの制御 !!>
<< シャノンのジャグリング定理の応用 >>

シャノンのジャグリング定理
( F + D ) * H = ( V + D ) * N
F : ボールの滞空時間(Flight time)
D : 手中にある時間(Dwelling time)
H : 手の数(Hands)
V : 手が空っぽの時間(Vacant time)
N : ボールの数(Number of balls)

上記のシャノンの定理を超音波システムに応用(適用)します
F : 超音波の発振・出力時間
D : 循環ポンプの運転時間
H : 基本サイクル(キャビテーション・加速度のピークの発生する)
V : 脱気装置の運転時間
N : 超音波出力の異なる周波数の数

説明
各種データの時系列変化の様子を解析(注1)して、
 時間で移動するボールのジャグリング状態に相当する
   超音波の音圧サイクル、
   超音波・循環ポンプ・脱気装置の関係性
   システムの影響範囲 を見つけます

この関係性からボールN個のジャグリング状態を設定して制御を行うと、
 自然なシステムの状態に適した制御となり、
 効率の高い超音波システムとなります

F・D・Vの関係は時間の経過とともにトレードオフの関係になります、
 そのために各種の運転として
 他の条件を停止させた状態で運転する方法が必要になります

これまでにも、結果としては適切と思える状態が発生することが
 ありましたが、数日から数ヶ月後には適切でなくなり、
 再調整することがありました

このような経験の中から適切なモデルを検討していましたが、
 ジャグリングモデルは大変良く適合するとともに、
 高い効率と安定性を示しました

超音波の目的(キャビテーションの強さ、
    加速度の強さ、 等)に対して、
 各種の運転時間調整で対応することが可能です
 但し、一般的な時間を提示できないのはシステムの系として
 水槽やポンプの構造による影響が大きいため、
 そこに合わせる必要があるためです

特に、水槽の強度バランスが悪い場合は適応できません
(理由は水槽自身に大きな振動の吸収
 あるいは減衰する傾向があるためです)

参考として、単純な応用例を提示します
 300リットルの水槽で30リットル毎分の
           循環ポンプと脱気装置の場合
 超音波1               ----------     
 ....
 超音波2      ---------            --------- 
 ....
 脱気装置  -----      -----      -----    
 ...
 循環ポンプ      -----      -----       -----
 ....
*超音波出力:2分 100-200ワット、
*脱気装置  1分、 
*循環ポンプ 1分

ポイント
 システムを「時間で移動するボールのジャグリング状態」として
 捉えることが重要です

 トレードオフの関係にあるパラメータを
  適切にバランス運転することを可能にします

 通信の理論を考えたシャノンが
  ジャグリングの理論を考えた理由もそこにあるように思います

注1)情報量基準を用いた時系列データの
       多変量自己回帰モデルによる解析
注2)新しい発想ですので、
   特許による制約等はありません、自由に応用発展させてください

 上記の脱気装置(ヒータによる液温管理)と
 循環ポンプ(オーバーフロー水槽)は
 水槽構造により不要になる場合もあります

 その場合にもモデル化による設定と制御により
 非常に高い効率が実現できます

 1500リットル以上の水槽でも、
 2種類の周波数による500ワット以下の1台の出力で
 制御により安定した強い均一な状態を実現しました

 簡単な実験で確認してください、
 溶存酸素濃度の絶対値は問題でありません、

 バランスをとればどの様な状態(天候や水槽等の環境)でも
 水槽全体に超音波が広がります

 超音波の状態を理解して検討するためには
 流体力学(三次元非定常圧縮性粘性流れ・ソリトン・液体の状態)を
 正しくイメージすることが重要だと思います

 しかし、不思議なくらい再現性と安定性がありますので
 実験で確認することを提案します

注3)強い振動が水槽全体に広がるので、
   水槽の構造に弱い部分があると水漏れ等の問題が発生します
   特に、角部での溶接は注意が必要です

注4)十分な解明は難しいとおもいますが、
   効率は実際に製作することで上昇しつづけています
  ( 水槽に黄金比を採用することは強度以外に
    流体に対する影響が大きいように思います )

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名称  超音波システム研究所
業務内容  超音波システムに関するコンサルティング
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