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再び岩崎弥太郎 No.1

2010年03月17日 | 幕末

 岩崎弥太郎が生まれた土佐・井ノ口村は高知城下からは30km以上も離れた荒廃した農村であった。 もともと岩崎家は甲斐武田の末裔とされ、家紋の三階菱は武田菱に由来するという。 長らく仕えた安芸氏が長宗我部氏に征服されてからは長宗我部に仕え、関が原の合戦以降は山内一豊が高知城主となり長宗我部氏の家臣と多くの紛争を繰り返した。 そして山内家家臣は上士、長宗我部氏家臣は郷士として差別が幕末まで続いたことは有名な話である。 岩崎家は山内氏の入国後は山に隠れて暮らし、郷士として仕えたのは江戸中期のことである。 しかし農村は疲弊し、弥太郎の曾祖父の代で郷士の資格を売ったという。 これを地下浪人というが、岩崎家の本家長男に生まれた弥太郎は家の縛りは厳しく貧窮であった。 というのは、三菱長崎造船所にある三菱資料館の館長であるが、これは資料によりまちまちのようで、要は真のところはわからないようである。 一方坂本龍馬は高知城下の豪商に生まれ、末っ子であったから家に縛られることはなく自由であった。 貧しい地下浪人の家に育った弥太郎が三菱財閥を築いたのは事実である。 その影響は母・美和の影響で学問を選んだことにある。 実は美和は安芸の隣町の医者の娘であり、兄二人も医者であった。 姉の夫は土佐藩で随一の儒学者・岡本寧浦の家系出であったこともあり、美和は高い教養の持ち主であった。 かくして母・美和は弥太郎に学問を勧めたのである。 

 伯父にあたる岡本寧浦の家に寄宿して学ぶ弥太郎に幸運が訪れたのは1854年、江戸詰め漢学者の従者に選ばれた。 龍馬は前年に江戸へいき、千葉道場に入門した。 弥太郎は当時第一の漢学者・安積良斉に見山塾に入った。 此のときの弥太郎の学問ぶりと集中ぶりは群を抜いていたという。 弥太郎の下に父・弥次郎がトラブルを起こして重症を負ったという報が届いたのは此のときである。 やむなく勉学を打ち切って土佐に帰らざるを得なくなった弥太郎に宛てた熟生の手紙が今も残っているという。 父のトラブルに公正な裁きを求めた弥太郎は奉行所に抗議し、壁に落書きをした。 「官は賄賂をもてなり、獄は愛憎をもって決す」 7ヶ月の投獄のあと井ノ口村を追われた弥太郎は高知城下に寺子屋を開いて細々と暮らすほかは無かった。 しかし幸運が訪れたのは1858年、吉田東洋の小林塾に入門を許されたことである。 吉田東洋は江戸の藤田東湖と並んで全国に知られた存在であったが、山内家の親戚に恥をかかせたとして蟄居を言い渡されていた。 そこには甥の後藤象二郎をはじめ、藩政を担う若者が集まっていた。 そして小林塾でであった後藤象二郎と生涯にわたる親交を結んだ。 後藤象二郎は後に大政奉還の実現に尽力し維新後も参議を務めるが、弥太郎の能力を認めていた。 

 吉田東洋は外国との通商を行い、文明を取り入れないと日本は滅びるという危機意識を持っていた。 そのため門閥に捕らわれない人事を行い、弥太郎もその恩恵にあずかったのである。 東洋が参政に復帰した1859年、弥太郎は長崎の現地調査の大役を任じられた。 このとき、長崎丸山の花街での遊興三昧で任務は一向にはかどらずに、ついには公金100両を使い込んだのである。 これにより土佐藩を罷免され井ノ口村に舞い戻るはめになった。 此の頃、武市半平太率いる土佐勤王党が台頭し、1862年吉田東洋は暗殺された。 失意のまま数年過ごすが、1867年弥太郎に好機がきた。 土佐で開国派が勢力を回復して後藤象二郎が藩政の中枢に戻り、弥太郎は再び呼び寄せられた。 弥太郎が再び長崎を訪れたこの時に、坂本龍馬とであったのである。 後藤は土佐商会を開設しグラバーなどから船舶や武器弾薬類を買占めていたが、後藤は夜毎花街に繰り出し豪遊していたので土佐商会は火の車であったという。 このとき後藤は坂本龍馬が1865年結成した亀山社中を土佐藩の勢力下にいれた。 亀山社中は長崎を拠点にグラバーから武器を購入し、薩摩、長州藩に引き渡すなどの貿易、海運を手がけていた。 しかし社中は深刻な経営不振に陥る。 というのも社中にはもともと資金などはなく、他藩の借り物の船で貿易を行っていたからである。 武市半平太の盟友・坂本龍馬と吉田東洋の甥・後藤象二郎はとをもともと敵対する二人である。 しかし後藤象二郎は亀山社中の航海技術に着目、龍馬は後藤の後ろ盾である土佐藩の資金援助がほしかった。 両者は共通の未来を見据えて意見の一致を見たのである。 つづく。。。

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