高村薫さんの「土の記」
高村薫さんと言えば『レディージョーカー』や
『マークス の山』と言った本を読んでいた私は
この新作を手にして、驚きました。
『マークス の山』と言った本を読んでいた私は
この新作を手にして、驚きました。
主人公「伊佐夫」は電機会社のシャープをリタイアし
奈良県の宇陀で田畑を耕し余生を送っている72歳の男性。
妻「昭代」の生家に入婿として暮らし、生き、そして
老いていく様子が書かれています。
棚田が広がり森がある里山で、主人公が米づくりに真摯に
向きあう日々や茶畑の世話などに勤しむ姿が何とも愛しい。
(営々として生きることの尊さに畏敬を感じ胸が熱くなりました)
向きあう日々や茶畑の世話などに勤しむ姿が何とも愛しい。
(営々として生きることの尊さに畏敬を感じ胸が熱くなりました)
16年前にダンプに轢かれた妻。その妻を介護し
その妻が亡くなると、色んな場面で妻との幻想や
過酷の記憶が断片的に浮かんでは消えていく様子が
少しエロチックに書かれている。
その妻が亡くなると、色んな場面で妻との幻想や
過酷の記憶が断片的に浮かんでは消えていく様子が
少しエロチックに書かれている。
共同作業や冠婚葬祭などを通じての近所付き合いや
遠く米国で暮らす娘や孫のことを心配する親の複雑な心境も
織り込まれ、物語に引き込みます。
遠く米国で暮らす娘や孫のことを心配する親の複雑な心境も
織り込まれ、物語に引き込みます。
また、ひょんな事から世話することになったプードル犬と
花子と名付けたナマズとの出会いと餌取り、そして妻昭代の
妹の久代との大人の付き合いにも期待感を持たせる巧さも。。
花子と名付けたナマズとの出会いと餌取り、そして妻昭代の
妹の久代との大人の付き合いにも期待感を持たせる巧さも。。
最後は晩夏に大規模な土石流が発生し・・the end。
とても読ませる本、期待が無かった分感動も深かった~~デス
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