うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

エミリー・ローズ

2014年07月31日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 納涼!!!ホラー特集~♪

 ということで、実際にあった事件を元にした社会派サスペンスドラマ「エミリー・ローズ」を観ましたよ。2005年公開。

 元になった事件は76年ドイツのアンネリーゼ・ミシェルの事件。
 概要はほぼ映画の通りみたいです。

 「エクソシスト」や「ポルターガイスト」のような映画とは違って悪魔祓いの儀式後に亡くなった女性エミリー・ローズの死因は儀式を行っていた神父と彼に方法を任せていた両親にあるとする裁判の話。

 内容は極めて中立で、明らかなオカルト現象はローズの主観の場面のみに限られ、関係者の周りに起こる不可思議な現象は見間違いや思い込みで説明がつく程度だし、悪魔に憑りつかれているローズの様子(彼女とは思えない声や有り得ないような言動)も実際に演じている女優さんがやっていて、誰がどう見ても超常現象だ!というようなカットが存在しない作りになってます。
 そして主人公が神父を弁護する弁護士なので、対する検察側の人はけっこう露骨にイヤなヤツとして描かれてはいますが、特に目に余るほど神や信仰を賛美するようなドラマチックな演出はされてはいない点もすばらしいと思います。


 自分はキリスト教でもなければ他の信仰も持っていないけどオカルト好きではあるので、いろんな疑問がないではない。たとえば本作のようにたまに登場するマリアや天使は本物なのか?という疑問。元の事件でも一旦は悪魔祓いに成功するも聖母マリアの要望(世間に広く悪魔憑きという事実を伝えるために再び悪魔に憑かれた状態で命を捧げてほしい)を受け入れる形で亡くなるが、これは本当に聖なる存在の要請だったのか?それともマリアを騙った悪魔の詐欺だったのか?とか。

 ともあれ、
 聖母の願望どおり映画化までされて広くこの事件は世に広まったので、彼女の死は無駄ではなかったという気はします。なにかの映画で「悪魔が最も望むのは『悪魔なんかいない』と皆に思わせることだ」というセリフがあったと思うので、悪魔や神の存在を知らしめるのは結果的に神様側に都合がいいんでしょうな。


 というわけで、
 映画としてはオカルト的な部分に踏み込みながらも足はしっかり中立的な立場かつ理知的なところに立っていて見ごたえがあります。変にローズが死後神によって救われたみたいな寝言を言わないのがいいですね。


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