うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

愛と不思議と恐怖の物語

2013年01月22日 | 日記
 関西テレビで放映されたオムニバスドラマのDVD化作品。2005年の発売。


 「Looper」に関するネット記事の中でこのDVDの中に収録されている黒沢清の「タイムスリップ」がすごいというようなのがあって、さっそくレンタルしてみました。

 本作はざっくり言えば7人の作家による共作。「世にも奇妙な物語」みたいな感じの短編オムニバス。

 鶴田法男による臨死体験もの「臨死体験」、冴えない係長(課長に昇進したが)がマトリックスばりの格闘シーンを魅せる「KACHOSAN」、アパートの一階に住む青年の庭に二階からの住人のものと思われる女性ものの下着が落ちてくるという「『暮らし』と『住まい』」、鴻上尚史が監督する「宇宙に一番近い場所」、「リング」の中田秀夫が監督する「進路指導室」、あっと驚く?どんでん返しがあるサスペンスドラマ「浴槽の死美人」、黒沢清の「タイムスリップ」の7話。全部合わせても80分なので1話10分くらい。


 これがほとんど話題にならなかったのが不思議なくらいいい出来!

 特に気に入ったのは、まず鴻上尚史の「宇宙に一番近い場所」。夜の屋上にいる男(伊藤淳史)と女(菊池百合子)の会話からなる作品ですが、さすがは鴻上尚史、話がうまいなぁって思いました。すばらしい作品ですね。あと菊池百合子、なんか見たことある人だなぁと思ったら菊池凛子でした。百合子は本名らしいので「バベル」でブレイクする前にこういうのもやっていたみたいです。いまとちょっと雰囲気が違います。
 「進路指導室」もよかった。中田秀夫監督ですが、ホラーではなく普通のヒューマンドラマ。急に進学を辞めて就職すると言い出した女の子とその父親の言い争いという話ですが、これがまたいい話。ホラーとは違うのをやってみたかったんでしょうが、こっちもかなりいけると思います。これまたすばらしい作品。
 そして黒沢清の「タイムスリップ」。大杉漣は物理学?の教授らしく、タイムスリップについての授業を始めるんですが、大杉自身がこの時間をタイムスリップし、何度も繰り返すハメになる…という作品。編集だけでタイムスリップを表現していてお金が掛かっていないにもかかわらず大変面白い話でした。


 とこのように、
 本作はかなりの掘り出しものでしたね~。観てよかったし、ぜひレンタル店で観かけたら観てみてほしいDVDです。
 怖い話は1話もないのでそういうのが苦手な人も安心して観られます。おすすめです。


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