うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

トロン レガシー

2011年01月17日 | 日記
 かつてのSFの傑作を最新のCG、3D映像でよみがえらせる!!
 ということで去年の夏から予告が流れていた本作の公開を首を長くしていた私ですが、鑑賞後はなんとなく「…う~ん…」と考えるところもありの作品でしたね~。


 気になるのはその世界観。
 すべてが人工的に作られたコンピュータの世界という設定で前作はその独特の映像と相まってとても刺激的だったのですが、本作ではなんだかその上っ面だけをなぞっているというか、もっといろいろと練った方がよかったのにな、とか思いました。
 まずすべてがプログラミングされた世界なのになんで夜空や山道みたいなのがあるのか?という疑問がわきました。かつては技術的な関係で真っ暗な背景だったのでしょうが、逆にそれが「余計なものは全部描かれていない」というかっこよさでもありました。なのに…
 本作では真っ暗なのはあくまでも太陽がないから、みたいな設定なのか星のない夜空のような感じ。
 バイクのタイヤからは煙(湯気?)のようなものも出るし。

 
 かつて「マトリックス」でこの世界が仮想現実だと知らされたネオに格闘技を教えるモーフィアスが「息が切れているが現実か?」というようなことを言ったのを思い出します。
 そこでネオも仮想現実の中で息が切れるのはあくまで「息が切れると自分が思い込んでいるだけ」だと気づくわけですが、本作ではすべてがプログラムによって作られた現実とはまったく違う価値観の世界、という設定なのに、それとは逆にあらゆるものが現実世界に依存しているように見えてしまっています。

 キツめに言えば本作は「マトリックス」や前作の「トロン」を考えた人に比べるとSF的なセンスがないということが露呈してしまっているわけです。
 けっこう期待していただけにちょっと残念。キャストや音楽を再起用したり、映像を豪華にそして3Dにしたからといって純粋に楽しめるというわけではない、といういい教訓になったように思います。
 最近この手の”失敗リメイク”みたいなの多いですけどね、「タイタンの戦い」とか・・・・。


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