うりぼうのシネ煉獄

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THE 4TH KIND / フォース・カインド

2012年04月14日 | 日記
 UFOによる誘拐事件を扱ったモニュメント映画。2009年公開。


 好きな映画で久しぶりに観ました。
 「パラノーマル・アクティビティ」がピンとこないのにこちらの映画が好きなのはまず題材が”心霊”と”UFO”であって、個人的にはUFOネタの方が好きというのもありますが、ジャパニーズホラーのテイストをアメリカ人が料理した際に本作の方がより日本人のホラーの雰囲気に近いからなんじゃないかという気がするからです。

 不条理で不気味な事件に巻き込まれるという展開でしかもちゃんとした起承転結がなく、タネ明かしがラストにあるわけでもない、という構成はここ数年の日本の怪談のスタイルに近い。
 逆に「パラノーマル~」は日本の怪談動画のスタイルを踏襲しているにも関わらず「理路整然とした理由(なぜこの人が怪異に見舞われるのか?とかこの怪異が起こる原因)」を説明しようとするところがいかにもアメリカ的というか、ちゃんとした物語として完結させようとする(製作者の)気持ちを感じさせます。
 それに比べると本作は作中起こることに対してすべてが曖昧でどうとでも解釈できる演出になっています。
 まず物語が一貫してアビーの視点から”のみ”語られていて客観性がない、というのも意図的な作りでしょう。ラスト”アビーの妄想説”に対する謎解きがほのめかされますが、それもまた”実際に記録された映像”と矛盾していたりして釈然としない作りになっています。
 この”ぶつ切り感”、”説明に対する不親切な感じ”こそ最近の日本の怪談のスタイル、都市伝説な構造で好きなところなんですね~。
 わざと顔の知られた俳優を起用して”再現フィルム”を挟み込むことによって逆に”実際の映像”(として撮られたもちろんフィクションの映像ですが)がリアルに見えるという小技もまたうまいなぁと思います。

 この映画に関して”実際の映像”として流されたパートは本当に”実際の映像なのか?”が取り沙汰されましたがまぁそのへんをあれこれ言うのは無粋と言うものでしょう。この手の作品でノンフィクションなんてありえないと思ったほうが確実と言えます。これはテレビの心霊動画特番や超能力特番についても同様です。

 ともあれ、
 好きな映画でやっぱり楽しめた!ということで満足しました。何度も観るような映画でもないのでまたしばらく時間を置いたらまた観たいと思います。

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