うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

猿の惑星:新世紀

2014年11月04日 | 日記
視聴環境:映画館、2D、字幕

 ジョーカーの惑星

 もともと「猿の惑星」はそれほど好きな映画でもなくて68年から始まる旧シリーズもそれほど熱心に観たわけではないです。もしろん傑作であることに異論はないんですが、見た目派手なSFが好きな自分にとっては猿の惑星は地味で政治的なテーマをはらんだ話なので。

 映画「ダークナイト」ではジョーカーが囚人と一般の客が乗った2隻の船に爆弾を仕掛け、それぞれお互いの起爆装置を与えて「さぁ、先に相手の船を爆破しないと向こうがお前らの船を爆破するぞ!」と人間の善の化けの皮をはがそうとする、というシークエンスがありますが、本作ではまさに製作者側がジョーカーのように猿たちと人間たちに同じ試練を与えます。
 二つの緊張状態にある文化が不信感から一触即発の状態にあり、それぞれの中にいる”裏切り者”がその危うい均衡を崩す。「ダークナイト」はバットマンのもっとも重要な理解者の一人であったゲイリー・オールドマンがその役を演じているのは興味深いところです。サル側の裏切り者の方はまだわかりやすい悪党という感じですね。


 さて、だいぶ「猿の惑星」になってきてます。人間も減ってきたし。
 もちろんツッコミどころもないわけではありません。たとえば今回は舞台が限定されていて、シーザー(猿の王)たちのいるサンフランシスコ以外では猿たちの文化はどうなってんの?とか、いくらなんでも数年(数十年?)でサル進化しすぎだろう(すぐに人間と対峙できるほどの知的成熟度を持っている)とか、この新シリーズ自体がもはや68年版の壮大なネタバレになっている件とか。
 けどさすがは飽きさせないし、見応えあるし、旧シリーズに目配せをした展開とかもあるしよく出来ていると思いますね。あとちょっと「2001年宇宙の旅」っぽい音楽の使い方とかしてましたよね。
 ともかく、次は68年版につながるようなので3作目は非常に楽しみではあります。


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